「虹の橋出張所」に到着した犬のミミコは、飼い主を思い涙を流す(藪犬小夏さん提供)

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「虹の橋はまだ渡れない」飼い主を思う犬の物語に読者号泣

 この世を旅立った動物たちを乗せた列車は「虹の橋出張所」に到着しました。出張所の職員はそれぞれの最期を確認して回ります。15歳で生涯を終えた犬のミミコは、飼い主のゆきえさんとの「約束」を守れず、涙を流していて……。

 漫画家・藪犬小夏さん(@yabuinukonatsu)による創作マンガ『虹の橋出張所』がTwitterで公開されました。先に旅立ったペットが「虹の橋」のたもとで飼い主を待ち、再会後に一緒に虹の橋を渡って天国に行く……という話がもとになっており、動物の思い、飼い主の思いが胸を打つ物語。

 読者からは「涙が止まらない」「大号泣」「先日亡くなった我が家の犬を思い出して泣けた」「素敵な話で感動した」「私が行くまで待っててほしい」「また会おうね」など、ペットを思う声を中心としたコメントが250件以上寄せられました。Twitter投稿は1万リツイート、6万いいねを超える話題作となっています。

 作者の藪犬小夏さんに、お話を聞きました。

ーー藪犬小夏さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 子供の頃から漠然と「漫画家って頑張ったらなれるものなのかな?」と思っていて、いくつか新人賞に応募などもしてみましたが、そこまで本気で取り組んではいなかったように思います。勤めていた会社の昼休みに買って読んだ、投稿実話4コマ雑誌の作家募集に軽い気持ちで応募したところ、拾ってもらえて今に至る次第です。

ーー『虹の橋出張所』のお話はどのようにして生まれましたか? ご自身も猫を飼っていらっしゃいますが、愛猫への思いも込められていますか?

 そもそも最初は、野良猫の生き様の過酷さが悲しく、何とかできないかと思ううちに浮かんだ話でした。最初は出張所職員の「まつぼん」が主人公で、職員になるまでの話を考えていましたが、思うように進まず、思い切って切り口を変えてみたらスルスルとお話ができ上がりました。

 私自身、今飼っている猫が今年で10歳になりますし、この子の前にも1匹見送っているので、こういう世界があったらいいのにな、という願いもあるのだと思います。



「虹の橋」を渡る前に、「居住エリア」で過ごすことができる(藪犬小夏さん提供)

ーー「虹の橋出張所」がとても素敵な世界で、こんな場所があったらいいなと思わされます。構想はどのように考えられたのでしょうか?

 先に行った動物たちが虹の橋のたもとで待っている、という話は知っていたのですが、たもとで何もしないで待ってるの暇じゃない……? と思い、、全ての動物たちが快適に楽しく過ごせるところは、と考えました。考えたというよりむしろ、ポコポコ浮かんできた感じで不思議でした。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 びっくりするくらいたくさんの方に読んでもらえて、家族への愛情のこもった感想をいただけて、読んでいるうちに泣けてきました。「救われました、ありがとう」という言葉を届けて下さる方も多く、描いて良かったなあ、マンガの力ってすごいなあ、と改めて思いました。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 話を思いついたら描かないではいられない人間なので、またいろいろと思いつくままに描いていけたらな、と思っています。『虹の橋出張所』も何となく続きのような話もぼんやり考えているので、スローペースですが描けたらまた読んでもらえるとうれしいです。