【免許の条件】AT・MT・CVT・DCT・AMTはAT限定免許で乗れる?
AT限定免許での運転 | クラッチの有無 | クラッチペダル 操作の有無 |
|
AT | ◯ | ◯ | × |
MT | × | ◯ | ◯ |
CVT | ◯ | × | × |
DCT | ◯ | ◯ | × |
AMT | ◯ | ◯ | × |
MT車以外は全てAT限定免許で運転できる!DCTもAMTもOK
日本においては、手動でのクラッチ操作(=クラッチペダル)がない車はAT限定免許で運転可能なため、「MT」車以外は全てAT限定免許で運転できます。
仕組み上はトルコン式のAT車や、DCT、AMTはクラッチがある変速機ですが、クラッチ操作は電子制御で自動化されているため、AT限定免許で乗ることができるというわけです。
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AT(オートマチック・トランスミッション)とは?
オートマチックトランスミッションとは、ギアチェンジを自動で行う機構を採用した変速機のこと。
一般に、アクセルとブレーキのみで操作する車は、クラッチの有無に関わらず「AT車(オートマ車)」と呼ばれますが、後述するDCTやAMTを採用する車でも、ドライバーがクラッチ操作を行わないことからAT車と認識されています。
ATはいくつかの機構方式に分類され、後述するDCTやCVTもそのひとつに含まれます。現在、自動車の開発や販売用のカタログにおいては、トルクコンバーター式のトランスミッションを採用する車に「●速AT」という表記が用いられます。
トルクコンバーター式ATの仕組み
トルクコンバーターはオイルの流れを利用したクラッチの機構で、流体式クラッチとも呼ばれます。MT車のクラッチに相当する部分が、封入されたオイル(オートマチックフルード)になっている機構です。
トルコンとも略され、MT車が主流でAT車が少なかった1980年代~90年前半頃まではAT車も「トルコン」と呼ばれていました。
トルコンはエンジン(動力)とギア(変速機)の間に組まれており、エンジンの動力をオイルの流れによって変速機へ伝えます。扇風機を向かい合わせに置いて、一方の電源をONにして向かい側の扇風機の羽を回すようなイメージです。
「オートマチック」と呼ばれるゆえんは、エンジンの回転数に合わせてトルコンがギアチェンジを連続的に行ってくれるため。ドライバーのアクセル操作にトランスミッションが自動的に合わせてくれる仕組みになっているからです。
トルクコンバータとは?トルコンの構造・仕組みやメリットまで
トルコンATのメリットとデメリット
メリット
- 発進がスムーズ
- 変速がスムーズ
デメリット
- 伝達効率が悪く燃費がやや悪い
- MTのようなダイレクト感がない
多段化が進むAT。高級車を中心にまた主流になってきた
かつてトルコン式ATのギア数は「4速AT」「6速AT」などが主流でした。しかし近年は「8速AT」「10速AT」といった多段式トルコンを採用するメーカーが増えてきています。
もともとCVTは滑らかな変速が得意な一方で、キビキビした走りを好むユーザーには物足りないという側面がありました。とはいえ後述するDCTは自動クラッチ操作によるギクシャク感があり、乗り心地も重視したいユーザーにはあまり響きません。
そこで、ギアチェンジが滑らかで乗り心地もよいトルコン式ATを多段化し、キビキビした走りをも可能にした新型車が登場してきました。
多段式トルコンATのメリットは前述のとおりですが、機構が複雑化し開発コスト、部品代がかさむことや、トランスミッション自体が大きくなるためコンパクトカーへの搭載は不向き。
そのため、ある程度ゆとりのあるボディサイズを持ったラグジュアリーカーやプレミアムカーへの導入が基本です。