エンジンオイルの種類の違いと見方|種類を変えてもOK?

エンジンオイルの種類による違い


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通常は柔らかめのオイルで燃費よく走るのがおすすめ

軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなど、一般的なスペックや排気量の車であれば、5W-20といった柔らかめのエンジンオイルでじゅうぶんです。

柔らかめのオイルは燃費がよくなるため、普段使いに最も適しています。日常生活ではエンジンに過度な負荷はかからないため、耐久性についても神経質になる必要はないでしょう。

高回転・高出力エンジンは高グレード&固めのオイル

大排気量のターボ車や、高回転までエンジンを回す人、スポーツ走行が多いなら、5W-40などの固めのエンジンオイルでエンジンを守るのがおすすめです。外車(欧州車)の場合も、固めのオイルが指定されていることがあります。

さらに、ハイグレードな(=規格が新しい)オイルを選択しておくと安心です。

寒冷地では低温時の粘度が低いオイルがおすすめ

北海道や東北地方などの寒冷地で使用する場合は、 5W-30などの低温側粘度の低いエンジンオイルがおすすめです。

低気温でもオイルが固まりにくいうえ、エンジン始動時における負荷が小さくなり、燃費も良くなります。

車の取り扱い説明書を確認しよう

車種ごとに適切なオイルの規格や粘度は、各車の取り扱い説明書(オーナーズマニュアル)で確認することができます。

また、オイル交換時に貼られるステッカーなどでも、前回使用したエンジンオイルを確認することができます。

オススメのエンジンオイルを用途別で紹介!高いオイルと安いオイルでは一体何が違うの?

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エンジンオイルのグレードまとめ

ガソリンエンジン用エンジンオイル規格一覧表

API規格ILSAC規格特徴SAー“ベースオイル”と呼ばれる、
負荷の低いエンジンに使用できるオイル。
添加物が含まれていない。SBー最低レベルの添加物を配合したエンジンオイル。
かじり防止・酸化安定性の機能を改善。SCー1964~67年型のガソリンエンジンに対応。
デポジット防止性・磨耗防止性・
サビ止め性・腐食防止性を持つオイル。SDー1968~71年型のガソリンエンジンに対応。
SC規格より高いクォリティと性能を持つ。SEー1972~79年型のガソリンエンジンに対応。
SD規格より高いクオリティと性能を持つ。SFー1980年型以降のガソリンエンジンに対応。
酸化・高温デポジット(堆積物)・
低温デポジット・サビ・腐食への防止性能を強化したオイル。SGー1989年型以降のガソリンエンジンに対応。
吸排気バルブ系の耐摩耗性と酸化安定性が向上。
エンジンの長寿命化などSF規格以上の性能を持つ。SHGF-11993年型以降のガソリンエンジンに対応。
スラッジ防止性・高温洗浄性を高め、
SG規格以上の性能を持つ。SJGF-21996年型以降ガソリンエンジンに対応。
SH規格以上の蒸発性、せん断安定性を持つ。SLGF-32001年度に制定された規格。
SJ規格よりも省燃費性の向上とCO2の削減を達成。
排気ガスに含まれる、CO、HC、NOxの削減。
オイル劣化防止性能の向上で
廃油総量の削減と自然環境保護に対応。SMGF-42004年に制定された規格。
SL規格よりも浄化性能・耐久性能・
耐熱性・耐磨耗性に優れるオイル。SNGF-52010年に制定。
SM規格以上の省燃費性能の持続性と
触媒保護性能を強化したオイル。SPGF-62020年に制定。
SN規格以上の耐久性やエンジン清浄性。

ディーゼルエンジン用エンジンオイル規格一覧表

規格特徴・条件CA使用負荷が軽度〜中程度のディーゼルエンジンに対応。
軸受腐食防止性と高温デポジット防止性を持つ。
使用負荷が軽いガソリンエンジンにも使用可能であるが、良質なガソリンを使用する必要がある。
ディーゼル、ガソリンエンジンともに摩耗防止性およびデポジット性の性能は有しない。CB使用負荷が軽度〜中程度のディーゼルエンジンに対応。
品質のよくない燃料を使用したときの対摩耗性とデポジット防止性を有する。
また、高硫黄分燃料使用時の軸受け腐食防止性と高温デポジット防止性を有する。CCターボ・ディーゼルエンジンの過酷な運転条件に対応。
高負荷運転のガソリンエンジンにも使用可能。
使用負荷が軽いターボディーゼルエンジンでの高温デポジット防止性、
ガソリンエンジンでのさび止め性能、腐食防止性と低温デポジット防止性を有する。CD高負荷な使用をするディーゼルエンジンに対応。
高回転運転で高い耐摩耗性とデポジット防止性を有する。
底質な燃料を使用した場合のターボディーゼルエンジンにも
軸受け腐食防止性と高温デポジット防止性を有する。CE1983年型以降のターボ・ディーゼルエンジンの高負荷使用時に対応。
CD級よりオイル消費性能とデポジット防止性能、スラッジ分散性能が向上している。CF建設用機械や農業用機械など高速回転が必要としない
ディーゼルエンジンのために開発されたオイルで、CDに代わる各種性能を向上。CF-41990年代の低硫黄軽油(硫黄分0.5%以下)を使用し
過酷な条件下に耐えるディーゼルエンジンオイル。
CE規格よりも高温デポジット性能、スラッジ分散性が向上し
熱安定性とオイル消費防止性も向上。