クルマの車名はモデルチェンジして代々受け継がれたり、車種ごと一旦廃止されたかと思いきや、忘れた頃に復活する場合もありますが、中には「え、その車にあの車名を受け継がせていいの?!」など、ユーザーからすると釈然としないケースもあります。

今回はそんな「なんでこのクルマにこの車名?!」という中から、日産車の例を紹介しましょう。

レパード J.フェリー(3代目レパード・1992年)

2代目の高級パーソナルクーペ路線から一転、J.フェリーって誰?

日産 レパード J.フェリー(3代目レパード・海外名インフィニティJ30)

日産の「レパード」と言えば、代替わりするたびコンセプトが二転三転した挙げ句、廃止された代表格と思われています。

実際には当時のセドリック(日産モーター店)やグロリア(日産プリンス店)に相当する「日産店向け高級車」として一貫していましたが、3代目レパードはさすがに絶句モノ。

2代目がトヨタ ソアラに匹敵する高級パーソナルクーペとしてそこそこ成功したのに、なぜ海外向け高級4ドアサルーンのインフィニティJ30を3代目にして、ブランドをドブに捨てるようなマネをするのか?と不思議がられます。

しかもJ.フェリー(フランス語で「祝日」)というサブネームも意味不明で、レパードで続ける事も、新たな車名で挑戦もせず、尻下がりの大味なアメリカンデザインで販売不振、ただ後味の悪さだけが残りました。

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ブルーバードシルフィ(初代・2000年)

ブルーバードを続けたかったのか、シルフィになりたかったのか

日産 ブルーバードシルフィ(初代・G10型)

サニー(9代目B15型)をベースに、パルサーセダンとプレセアを統合、3代目で大型化した2代目プリメーラとブルーバードの後継を兼ねるという、経営改善のための販売網と車種の整理不徹底という混乱の中で生まれた新型車。

ならば新たな車名を名乗っても良さそうですが、最終型(10代目U14型)がまだ販売中だったブルーバードの名に未練があり、「ブルーバードシルフィ」を名乗りました。

エンブレムもシルフィが大きかったり、ブルーバードが大きくなったりと、「結局キミはシルフィなの?ブルーバードなの?」と言いたくなる優柔不断ぶりで、出来は悪くないのでソコソコ売れたものの、ようやく単独のシルフィになった3代目で販売不振。

初代から「シルフィ」で勝負していれば、今もトヨタ カローラと並んで存続していたかもしれません。