納車とは何か?

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車の購入プロセスでは、さまざまな手続きを経て、最後に「納車」が行われます。納車とは自動車販売店が顧客に車を手渡すこと、すなわち納入です。購入者にとっては、念願の愛車が手に入るビッグイベントといえるでしょう。

納車の方法には、営業マンが購入者宅(または職場や駐車場など)まで車を届ける自宅納車と、販売店舗で車を引き渡す店頭納車の2種類があります。従来の慣例では、納車といえば自宅納車を指しました。しかしながら、自動車販売現場の人手不足を背景に、近年は店頭納車が一般化しています。

言葉の使い方に注意しよう

納車という言葉は、しばしば誤った使い方をされます。たとえば、ディーラーの営業マンから「ご購入時期はお決まりですか?」と聞かれて「4月に納車したいです」と返すのは、正しい言葉づかいではありません。納車は販売店が行う行為のため、「4月ごろに納車してほしいです」「4月ごろの購入を予定しています」といった言い回しでの返答が適切です。

こうした言葉の使い方は、些細なことに感じるかもしれません。しかしながら、車購入をスムーズに進めたいなら、営業マンが使う用語を理解し、正しく使えるようにしておいたほうがよいでしょう。

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納車日とは?

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納車が行われる日を「納車日」といいます。購入した車が納車可能な状態になったら、販売店と購入者で話し合って納車日を決めます。待ちに待った車が手に入るのですから、購入者としてはなるべく早い日に納車してもらいたいと考えることでしょう。ただ、納車日には、納車手続きに条件のよい日を指定したほうが賢明です。

どんな日が納車日に向く?

納車日には、購入した車に不備がないか入念な確認を行います。このため、自然光の下で車をチェックできる、晴れた日の日中が納車の日時として理想的です。ただ、天候が晴れるかどうかは、納車日にならなければわかりません。

当日に雨が降った場合は、予定どおり納車してもらうか否かを判断することになります。一般的には、よほどの豪雨や台風でもないかぎり、雨天でも納車は延期されません。雨の日を避けていては愛車に乗れる日が遠のくため、多少天候が悪くても納車を受ける方が大半です。

納車に縁起のよい日柄がある?

納車日を決める際に、日柄を気にする方は少なくありません。その証拠に、昔から多くの方が「大安(たいあん)」を納車日に選んでいます。

大安とは「六曜(ろくよう)」で最も縁起がよいとされる日です。六曜とは旧暦の各日付に吉凶を付ける考え方で、14世紀ごろに中国から伝わりました。この六曜において、大安は何をするにも縁起のよい日とされており、大安吉日(たいあんきちじつ)とも呼ばれています。

日柄や縁起が気になる方は、大安を納車日に指定するとよいでしょう。なお、六曜には先勝(せんしょう)、友引(ともびき)、先負(せんぶ)、仏滅(ぶつめつ)、大安、赤口(しゃっこう)の6つがあり、それぞれが意味を持ちます。旧暦が記されたカレンダーには六曜も記載されているので、興味のある方は確認してみてください。

仏滅の納車はNG?

六曜の中でも、仏滅は最も縁起の悪い日とされています。何をするにもよくない日柄とされていることから、仏滅の納車を避ける方は少なくありません。

ただ、近年はこうした日柄を気にせず、最短で都合の付く日を納車日に選ぶ方が増えています。縁起の悪い日を避けると納車が遅れる場合もあるため、忙しい現代人が日柄を無視するのも無理はないでしょう。また、若い方の中には、そもそも六曜を知らない方も多くおられます。

とはいえ、信心深い方でなくとも、日柄の善し悪しがあると聞けば多少は気になるものです。もし縁起が悪いとされる日に納車して、後々気にかかるようであれば、神社でお祓いを受けるのも1つの手です。