5位:トヨタ ランドクルーザー(日本)

世界のどこでも「帰ってこれる車」

トヨタGRJ76K ランドクルーザー70バン(70誕生30周年日本国内復刻仕様・2014-2015)

2021年8月2日に最新型が発売されたランドクルーザーですが、元は1951年に警察予備隊(現・陸上自衛隊)向けとして開発したものの不採用だったジープ型4WDで、優秀性を信じたトヨタがそのまま市販したのが始まり。

70年の長い歴史を経る間に比較的安価なライト感覚のプラド系、モデルチェンジした大型豪華でヘビー級のワゴン系、そして昔ながらの簡素でタフな70系に分かれ、世界中で愛されるのは、3つ目の70系に至る本格オフローダーの系譜です。

プラドや豪華でハイテク満載のワゴン系もいいのですが、「ランドクルーザーならどこに行っても帰ってこれる」と讃えられる70系は、残念ながら現在国内販売されていません。

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4位:フィアット500(イタリア)

これでみんなイタリア人になろう

初代フィアット500″トポリーノ”(1936-1955)
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2代目フィアット500(NUOVA500) “チンクェチェント”(1957-1977)
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3代目フィアット500 “ニューチンク” (2007-)
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戦前から販売していた初代トポリーノ、1950年代に登場した2代目チンクェチェント(ヌォーバ500)、2代目を2007年にリメイクした3代目いずれもがヒット作となったイタリアの至宝が、フィアット500です。

初代は映画「ローマの休日」で使われ、アメリカでは改造ドラッグレーサーとしても人気、2台めはイタリア本国で文化遺産に近い扱いを受け、3代目は古い名車のリメイク版ではもっとも再現度が高く、2~3代目は「アバルト」チューンの高性能版も人気です。

日本でも2~3代目が人気アニメ「ルパン三世」シリーズで活躍して知名度は高く、国産でも数が少なくなった5ナンバー小型ホットハッチとしても魅力があります。

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3位:BMC ミニ(イギリス)

安くてよく走るだけで愛されたとお思いですかな?

BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション) ADO15 “ミニ” (旧ミニ・イギリス・1959-2000)
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BMW “ニューミニ” (ドイツ・第3世代・2013-)

1959年、第2次世界大戦での荒廃と、中東戦争によるガソリン高騰に苦しむイギリスで、「低燃費で安価な実用車」としてBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が開発、傘下の各ブランドでさまざまな派生車も作られた、偉大なる「ミニ」。

2000年までの長きにわたり販売されましたが、ユニークなメカニズムや、ラリーではポルシェ911すら抜き去った事もある走りで世界中に愛好家が多く、日本でも1990年代レトロカーブームの時期に人気でした。

最後までイギリスで「ミニ」ブランドを保持、次期モデルを開発していたローバーを買収したBMWがブランドを引き継ぎ、2001年にニュー「ミニ」を発売して今に至ります。

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2位:フォルクスワーゲン ビートル(ドイツ)

フェルディナント・ポルシェ博士の素敵なお仕事

フィオルクスワーゲン タイプ1 “ビートル” (1941-2003)
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フォルクスワーゲン ザ・ビートル(2011-2020)

第2次世界大戦前に開発、戦争勃発で量産は見送られたものの、戦後ドイツ占領軍に加わったイギリスの軍人が先進性に目をつけ、ドイツ復興のためただちに生産再開するやヒットしたのがフォルクスワーゲンタイプ1、通称「ビートル」。

小さくとも頑丈でよく走り、チューニングやカスタマイズも自在なビートルは世界中で愛され、2003年までに2,100万台以上と、「世界でもっとも多く作られた四輪自動車」です。

日本でも若き日の秋篠宮皇嗣殿下が愛車にするなど人気で、バブル期には古臭いと敬遠されたものの、1998年にリメイク版ニュービートルで復活するや人気が再燃、3代目ザ・ビートルは2020年まで販売されていました。

フォルクスワーゲン ビートルは2019年で生産終了確定|新型登場はなくタイプ1から80年の歴史に終止符

1位:マツダ MX-5ミアータ(ユーノス ロードスター・日本)

車と走りへの永遠の愛

“ユーノス” マツダ ロードスター (初代NA系・1989-1998)
歴代マツダ ロードスターによるパレードラン
“マツダ ロードスター”
初代NA系(左上) / 3代目NC系(右上)
4代目ND系(左下) / 2代目NB系(右下)

1989年にこの小型軽量FRオープンスポーツが発売された時、「1960年代に流行ったスポーツカーの焼き直しじゃないか」と、あまり重視されていませんでした。

しかし思わぬ大ヒットで、実はこれこそユーザーが待ち望んだ、「手頃な価格と性能、美しいデザイン、運転がとても楽しいスポーツカー」と思い知らされ、世界中のメーカーが同種の車の開発に乗り出す「革命」を起こしたのです。

その多くは長続きしませんでしたが、ロードスターは世界中でもっとも愛されるスポーツカーとして現在も大きく変わらぬ4代目が販売されており、名車として愛好家も多い初代モデルのメーカーによる修復や、純正部品再販も行われています。

マツダ ロードスターの歴史を振り返る|全4世代試乗レポと比較画像

これからも「愛される車」は作れるか

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現在、世界の主要自動車メーカー各社とスーパーカーメーカーでさえ、遠くない将来に可能ならEV(電気自動車)、最低でも電動化でよほど燃費のいいハイブリッドに新車販売を限定し、ICE(純エンジン車)は廃止する流れになっています。

時代の大きな転換期にあって、かつての名車のリメイクや後継車、あるいは現在もモデルチェンジで生き残っている名車は、いずれも時代に合わせた存続が可能なのか、不安視されているのが現状です。

まずは名車のEVリメイクに挑戦しているメーカーもありますが、そもそも新世代の車で、これまでのように「世界中で愛される名車」が作れるのか、各メーカーの手腕が問われる時代がやってきました。

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