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BE:FIRST、YUKI、小沢健二とスチャダラパー、Lucky Kilimanjaro、go!go!vanillas、LiSA……注目新作6作をレビュー

Real Sound

BE:FIRST「Masterplan」

<New Releases In Focus>

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はBE:FIRST「Masterplan」、YUKI「Hello, it’s me」、小沢健二とスチャダラパー「ぶぎ・ばく・べいびー」、Lucky Kilimanjaro「実感」、go!go!vanillas「平安」、LiSA「拝啓、わたしへ」の6作品をピックアップした。(リアルサウンド編集部)

(関連:【動画あり】BE:FIRSTら最新曲をチェック

■BE:FIRST「Masterplan」

 作詞をSKY-HI、作曲をRyosuke“Dr.R”Sakai、Daisuke Nakamura、SKY-HIが手がけたBE:FIRSTの新曲「Masterplan」は、基本計画、総合計画を意味する曲名が示唆する通り、“すべては自分たちの計画通りに進んでいる”という意思表明とも言えるナンバーに仕上がっている。〈過去と未来 重ね導くのさ〉というラインに象徴的だが、2021年のオーディションから今年3月に開催された東京ドーム公演、先日開催された京セラドーム公演に至るまでBE:FIRSTがこれまで積み上げてきたキャリアと重ねながら聴くと、この曲のリリックに込められた、圧倒的な功績に基づいたセルフボースティングの凄みを実感してもらえるはず。J-POPの在り方を刷新するようなドープにも程があるトラックメイク、自らに対する確信と未来への展望を予感させるメンバーのボーカル・ラップも素晴らしい。(森朋之)

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■YUKI「Hello, it’s me」

 70年代のソウルミュージック、モータウンを想起させる心地よいグルーヴとともにYUKIは、〈誰が何を言おうと あなたはあなただけのものなのだから〉とリスナーに語り掛けるように歌う。2024年最初のリリースとなる「Hello, it’s me」は、自分をケアし、対話し、大切にすることの意義がまっすぐに伝わってくるポップチューン。他者との比較のなかでしか自らを認識できない状況になって久しいが、この曲を通して彼女は、“人と違う部分こそが自分だけの宝物”という事実を伝えようとしているのだと思う。メッセージを無理やり押し出すのではなく、しなやかで開放的なフロウによってポップミュージックの快楽を実現させているのもこの曲の魅力だ。(森)

■小沢健二とスチャダラパー「ぶぎ・ばく・べいびー」

 「今夜はブギー・バック」(1994年3月リリース)での共演から30周年を記念した小沢健二とスチャダラパーのツーマンライブの直前に届けられた「ぶぎ・ばく・べいびー」はもちろん小沢の歌とスチャダラパーのラップが交互に訪れる構成。「今夜はブギー・バック」の歌詞には70年代ディスコソングの曲名が登場していたが、この曲にはJ-POPのタイトルがずらりと並び、“あの頃”を知っている人には懐かしく、そうでない人は……一体どう思うのか筆者には想像もつかない。キック、ベースがデカめのミックス、〈ロマンチックなのは変わらないから 笑う 愛す!〉というような歌詞もそうだが、ノスタルジーに浸りそうで浸らない、あくまでもカラッと放りなげる感じも相変わらず。(森)

■Lucky Kilimanjaro「実感」

 バンド結成10周年、継続させる情熱をテーマに書き下ろした新曲。憂いを帯びたメロディで〈100年の春〉〈100年の愛〉に思いを馳せる、スケールの大きなダンスミュージックだ。BPMの速い曲は小気味よくテンポに乗るものという常識があるが、ボーカルの熊木幸丸(Vo)はあえてビートとズラして歌い始め、歌い終わりもだらっと伸ばし気味にしている様子。ジャストで揃わないアンバランス感、何かが不安定にズレていく違和感が、むしろこの曲最大の魅力になっている。〈さよならする日も/新しい恋に焦がれたい〉と歌うラスト手前も、歌詞の内容とは真逆のヨレヨレな歌い方で、ぞっとするほど惹き込まれてしまう。AIには出せない人間の魅力。その見本のような一曲だ。(石井恵梨子)

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