自民党の党紀委員会は4月4日、政治資金パーティーの裏金事件に関して、39人の処分を決めた。
この処分で最も割を食ったのは、離党勧告を受けた世耕弘成参院議員だろう。
世耕氏が申告した5年間の裏金総額は1542万円と、おとがめなしとなった二階俊博元幹事長の3526万円の半分以下だ。
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表向きは、参院幹事長として責任ある立場だったというのが重い処分の理由になっているが、自民党総裁というより大きな責任を持つ岸田文雄総理は派閥の会計責任者が立件されているにもかかわらず、無罪放免になっている。
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世耕氏に厳しい処分が下された最大の原因は、二階元幹事長と岸田総理の間で闇取引が行われたのが、直接的な原因といわれている。
岸田総理は、政界に強い影響力を持つ二階元幹事長をどうしても引退に追い込みたかった。
それに対して、二階幹事長は二つ条件を出したとされる。自らへの処分回避と世耕氏への厳しい処分だ。
というのも、世耕氏が次回総選挙で衆院に鞍替えし、和歌山2区からの立候補を示唆していたからだ。この選挙区は二階氏の三男の立候補が噂されている。
世耕氏を離党に追い込めば、三男に勝ち目が出てくる。さらに、二階氏の長男は参院選への出馬を噂されていて、うまくいけば二階家は焼け太りになる。
このまま政治の地盤沈下が進めば…
ただ、メディアは一切報じていないが、私は世耕つぶしのもう一つの原因は、世耕氏の反財務省発言だったとみている。