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やくみつる☆シネマ小言主義~『悪は存在しない』/4月26日(金)全国ロードショー

週刊実話WEB

(c)2023 NEOPA / Fictive

監督・脚本/濱口竜介
出演/大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁、菊池葉月、三浦博之、鳥井雄人、山村崇子、長尾卓磨、宮田佳典、田村泰二郎
配給/Incline

『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督の待望の新作。この監督なら、「とかく悪く言われがちな開発業者VSロハスな生活をしている地元住人」なんて、まさかそんな単純な構図にするわけがありません。

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しかもヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞受賞作(審査員グランプリ)という先入観もあり、期待を持って見始めました。

長野県の山中という、東京からほど近く、移住者も多い村でのストーリー。自然の豊かさを享受している暮らしぶりを印象付けておいて、そこにある日突然、おしゃれなグランピング施設建設の住民説明会が開かれるというところから話は始まります。

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主人公の父親には8歳の一人娘がいるのですが、湧き水を汲んだり、薪を割ったりと穏やかな日々の中に、ちょいちょい伏線となるエピソードが挟まれていく。

少女が集めている「鳥の羽根を探しに、1人で森の中に行っちゃダメだよ」と父親が言い聞かせていても、少しずつ行動半径が広がる年頃。勝手に学校から歩いて家まで帰ったりしてしまう。

見てるこっちは「なんかあるんじゃないか」とモヤつくんですが、ずーっとベタドラマみたいな展開が続くんですよ。

冒頭と最後の長い余韻が見終わった後も続く

開発元は芸能事務所で、コロナ禍の補助金目当ての投資案件ですから、まあ、計画がずさんなわけです。

当然、地元住民は反発。詳しくはネタバレになるので書きませんが、単純な二項対立にはなっていないところがミソです。

しかしですね。そんなひとひねりした展開よりもこっちがザワつくのが、野生の鹿も生息する奥深い自然林を映すカットが長すぎないか、という点。何かジラしにかかっているのではと臆測するくらい冗長にすることで、時間の流れが都会とは違う異空間に誘う演出かと深読みしてしまいます。

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