これまで定期的に話題になってきた、小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑をめぐり、ついに知事の元側近が刑事告訴の意向を示した。
「参院選の1992年から『カイロ大学首席卒業』としている学歴の詐称疑惑が浮上。2016年、初当選した都知事選の際に大きく報道された。その後も、大学時代の元同居人による告発、これを受けたノンフィクションライターの出版などがあり、たびたび話題になってきました」(政治部記者)
事態が大きく動いたのは今月中旬。小池知事の初当選後、東京都の特別顧問を務めていた元側近・小島敏郎弁護士による告発だ。
「カイロ大学から声明を出してもらっては」
「小池知事が再選した2020年の都知事選前、駐日エジプト大使館はFacebookに、知事の卒業を認めるカイロ大学学長名義の声明を、英語・日本語で掲載しました。しかしこれには、アラビア語版がない、大学HPではなく大使館のFB上、なぜ卒業証明書を出さないのかなど、おかしな点が露呈。小島弁護士は、この不自然な対応が自らの発案によるものだったと、12日発売の『文藝春秋』で告発したのです」(同・記者)
小島弁護士は同誌にて、小池知事から疑惑を払拭する相談を受け、「カイロ大学から声明を出してもらっては」など助言したと暴露。その後は詳細について知事から質問されたほか、同じ相談が知事のブレーンである元ジャーナリストにも寄せられ、彼が声明の原案を書いたことも告発した。
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17日には日本外国特派員協会で会見が開かれ、小島弁護士は知事とのメールのやりとりも公表。さらには、知事が「カイロ大卒」と明記して選挙に出れば公職選挙法違反にあたるとして、刑事告訴の意向も示している。
このように現在、小池知事をめぐる学歴詐称疑惑は、過去最大と言っていいほどの局面を迎えている。他方で、この話題に対するマスメディアの姿勢に苦言を呈したのが、『報道ステーション』(テレビ朝日系)のキャスターも務めた古舘伊知郎だ。
古舘は小島弁護士の会見が行われた17日夜、自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿し、「テレビの報道少ないですね!」「報道番組も、それから情報・ワイドショーも、全然やってる気配がないですね」と違和感を指摘する。
続けて「本当に短いストレートニュースやってるのは、民放もNHKもちょろちょろっと見ましたけど、『これどうなんだ真偽の程は』『もういい加減、卒業してるのかしてないのか、それをちゃんと明々白々にしたらいいんじゃないか』って議論してるとか、コメンテーターが何か語ってるとか、ついぞ私は見てないですね」とも述べた。
一応、「全部見てるわけじゃないから、断言することはできないですけど」とはしたものの、「見てないですね」「これ不思議でならないんですよ。何でですかね? 政治のことだとやりづらいですかね?」と疑問を口に。
ここで比較として、「これ例えばね、『週刊文春』が松本人志問題バッとやったじゃないですか? そしたらこれ、吉本に気を遣いながらもテレビでやったじゃないですか。騒いだじゃないですか」「大谷の通訳の水原問題。これ騒ぎましたよね? 今も騒いでますよね?」と述べると、重ねて「だけど今回は、果たして卒業してんのかしてないのか、やる気配が全然テレビに関してはない感じがします」と疑問視した。