このような場合には、何かを避けるように一瞬微妙に進行方向を変えたり、進んでいる合間に脚で周りを蹴ったりする馬が多いでしょう。こうした変化に素早く気づくためには「普段のリズム」を覚えておくことが大切です。
騎乗中にリズムの変化を感じたら、状況によって一度停止して落ち着かせたり、馬が急に走り出した場合に止められるように気持ち・姿勢の準備をしておきましょう。
その他
ここまで紹介したサインのほかにも、馬が警戒している・不快に感じているときのサインがあります。意外とよくみられるサインなので、こちらも併せて覚えておくと役立ちますよ!
尻尾の様子
馬は、犬のように尻尾を横に振ることはありません。しかし、根元を持ち上げたりおろしたりすることができます。馬が怯えたり警戒しているときには、尻尾が下がり両脚のあいだに挟まれているような状態になることがあります。
このようなときは、何に対して不安・恐れを感じているのか周りを見回してみましょう。対策としては、原因が取り除くことが有効です。しかし、近くに置いてあるものなどではなく音に対する警戒だったり、競技会の会場で普段と違う状況に馬が緊張している場合もありますよね。
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このようなときは、馬がいつもより緊張状態にあるため「普段は驚かないことにも過敏になっているかも」と予測しながら接することが重要です。
前掻き
馬が前脚で地面を掘るようにひっかくことを「前掻き(まえがき)」といいます。エサをあげる前・お腹が空いたときによく見られる行動ですが、実は不満があるとき・体調が悪いときにも前掻きをする馬がいます。
不満があるときに関しては、これからエサをもらうという状況も「楽しみだよ!」と感じている馬もいれば「まだなの?早くして!」と思っている馬もいると考えればわかりやすいですね。こうした行動の延長として、人間に何かを要求したいときに前掻きをする馬がいます。
このようなときには「洗い場から馬房に戻そうと思ったら、馬房にあるエサを早く食べたくて馬が走り出す」などのトラブルが起こることがあります。騎乗中であれば問題なく乗っていられる速さでも、馬を曳いているときには事故につながる可能性があるため気を付けましょう。
また、馬は疝痛(せんつう)を起こしたときにも前掻きをすることがあります。人間でいう腹痛をイメージすると軽く考えてしまいがちですが、疝痛は命にかかわることもある病気。普段と違う様子があれば、レッスンやお世話を普段通り続けることはせずスタッフに相談しましょう。
まとめ
馬は表情の少ない動物ですが、耳や尻尾など色々な部分で気持ちに関するサインを出しています。こうしたサインを知り、人間側が「何か不安なのかな」と気付いて対処することで、馬も人間もより安全に過ごすことができるはずです。