極寒の樺太でも格好はあまり変わらない白石が描かれた『ゴールデンカムイ 三期』DVD(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)

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なぜか動物とのからみが多い?

 TVアニメ第四期にも期待値高まる『ゴールデンカムイ』では、不死身の杉元、アイヌの美少女アシリパ(リは小文字)、第七師団の面々などの暴れっぷりが気になりますが、同じくらい目が離せないのが「脱獄王」の白石由竹です。金と女とギャンブルが大好きなおっちょこちょいで、とにかくやらかしが多く、物語をかき回してきました。アシリパたちには「脱糞王」だの「役立たずの白石」だの「飲んだくれてるただのブタ」だの散々に言われますが、それもうなずけてしまうほどの行動にはいつも、「白石、お前ってやつは……」とため息をついてしまいます。今回は、『ゴールデンカムイ』のなかで「脱力パート」の筆頭を担う白石の、やらかしエピソードを振り返ります。

天然ゆえか!? 動物が寄ってくる!

 白石といえばまず思い浮かぶのが、動物に頭をかじられている図でしょう。とにかく白石は頭をかじられます。それは杉元に「白石の頭はなんか甘いのが出てるのか?」と言われるほどです。アシリパの友であるエゾオオカミのレタラ(ラは小文字)、猟犬のリュウ、杉元が助けた子熊、オオワシ、タヌキ、トナカイと、そうそうたる動物たちに頭を噛まれてきた白石は、森のなかで転んでマムシに噛まれた際には、頭が福禄寿のように腫れ上がってしまいました。アシリパ(杉元&尾形にも)に毒を吸い出してくれるように頼むも、「いろいろと気持ち悪いから嫌だ!!」と秒で断られる白石は少々、不憫でした……。

 白石と動物のからみは、頭を噛まれるだけではありません。杉元・アシリパとともに川でキロランケと出会い、淡水魚のイトウを獲ることになったとき……白石はお約束のように川に落ちてしまいます。川の深さと冷たさに暴れていると……背後に巨大な黒い影が。白石は2メートル以上はあろうかというイトウにくわえられ、川底に引き込まれてしまうのです。キロランケの助けでようやく引き上げられると、川岸には下半身を巨大イトウに飲みこまれた白石の姿が。杉元の「人魚だ」の一言とともに、脱力させられました。

 杉元・アシリパ・尾形とともに大雪山を越えているときも、白石らしい動物エピソードがありました。天気が崩れて風も吹いてきたため、一行は仕留めたエゾシカの体内に潜り込んで暖をとることに(その間、白石は低体温症で錯乱し、全裸になっていましたが……)。無事に寒波をやり過ごすことはできたのですが、気づけば鹿の死骸の臭いにヒグマが集まってきていました。杉元たちはそっと抜け出しますが、鹿の尻から顔を出してのんきに寝たままの白石は、鹿ごとヒグマに持って行かれそうになり、気づかないまま大ピンチに!しかし、運良く鹿から滑り落ち「おぎゃぁ」と声をあげたため、なぜかヒグマたちがひるんで逃げていったという顛末になり、「ほんとにもう白石、お前ってやつは……」と思わされます。

 白石が天然すぎるがゆえか、はたまた、動物たちの癇にもさわるのか、とにかく白石には動物が寄ってくるのです。



白石の新たなやらかしに期待大の『ゴールデンカムイ』アニメ四期ビジュアル (C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

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あまりのやらかし具合に土方もあ然……

お調子者すぎてやらかす男・白石

 金と女とギャンブルが大好きというトラブルのニオイがプンプンする白石は、もちろんその方面でもやらかしていました。

 小樽から網走を目指す途中、杉元一行は札幌世界ホテルに宿泊します。ホテルの美人女将・家永カノの正体は刺青囚人のジジイ。同物同治の考え方(身体の特定の部位の不調を治すには動物の同じ部位を食べるといい)で、客を食して若く美しい女性となっているのです。

 その姿にコロリとだまされるのが、白石の白石らしいところ。ひと目見るなり、キラキラした目で「シライシヨシタケです 独身で彼女はいません 付き合ったら一途で情熱的です」と手を差し出し、その後もストーカーばりにつきまといます。ただし家永は、白石の身体には欲しい部位がないので興味なし。相手にされないどころか、殺されかけるハメになりました。

 白石は金とギャンブルでもやってくれます。まずは、アシリパから借りた金を全部競馬でスッたこと。この件はキロランケにバラされたのですが、杉元からはキツネを獲るための釘のついた油樽をかぶせられ、アシリパからは制裁棒(ストゥ)でぶん殴られていました。

 しかし懲りないのが、また白石。直後には占い師インカラマッ(ラは小文字)の占いの力を借りて苫小牧競馬場で一儲けしようと企みます。ボロ勝ちを続けて調子に乗った白石は、杉元を貧乏人呼ばわりしたり、アシリパへの借金を札を放り投げて返したりと、「最低」の一言です。アシリパに「目を覚ませシライシッ」と殴られ、「この狐女に誑(たぶら)かされるな」と言われれば「誰が狐女だ 無礼者ッ インカラマッ様と呼べッ」と暴言を吐くなど、やらかしに拍車がかかります。もちろん白石ですから最後は大金をスッて、ぶっ壊れてしまうのですが……。

シライシーッ、うしろー!うしろーーーーっ!

 白石が第七師団に捕まり、旭川の本部に連行されそうになった時は、土方とキロランケによる白石奪還作戦が決行されました。「白石なんだから勝手に逃げてくるのでは?」という意見も出ますが、殺されて皮を剥がされるかもしれないし、網走監獄ののっぺらぼうに接触できるのも白石しかいないため、「助けよう」という流れになります。そのおちゃらけ具合からつい忘れそうになりますが、白石も立派な刺青囚人かつ脱獄王なので、敵方に渡すわけにはいかないのです。

 そして、土方とキロランケは連行途中の白石が逃げられるように、各所で第七師団の気をそらそうと苦心するのですが、肝心の白石はそれにまったく気づきません。キロランケが農民を装い、第七師団に崩れた家の下敷きになったバァちゃんを助けてくれと乞うも、白石は近くの女性を見てニヤニヤしてるばかり。土方が倒木で道がふさがれたと訴えても、おにぎりを食べていた兵士に「ひとくちちょうだい? ひとくちちょうだい!」とせがんでいて気づかず。さらに猫をかまっていて気づかない、立ちションしていて気づかない……土方とキロランケの「シライシーッ」という心の叫びが胸に迫ります。

 ようやくふたりに気づいたのは、土方が扮した豆菓子売りを見て買いに来たからでした。おまけに、白石は土方とも連絡を取っていたことがバレたら杉元に殺されると思っていたため、その後救出を拒否、土方&キロランケの作戦は徒労に終わってしまうのです。

 その他、脱獄王になった過去エピソードも間抜けすぎる白石は、お色気担当の谷垣と並んで『ゴールデンカムイ』の癒し系ヒロインとも言われています。白石がやらかすから、殺伐とした刺青人皮争奪戦にもホッとする瞬間がある……と思えば、白石はなくてはならない存在です。さらになんだかんだで天才的脱獄の腕やひらめき、思わぬ気づかい、情に厚い一面も見せてくれます。四期でも、さらに先のクライマックスでも、やらかしつつも白石にしかできない重要な役割を果たすため、目が離せません。