ギャンブル界でも無双する『北斗の拳 究極版』第1巻(徳間書店)

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インパクト絶大なキャラと豊富な名シーン

 名作と呼ばれるアニメ、マンガは、完結後もCMやTVゲームなど、さまざまな分野にも進出しています。そのなかでもパチンコやパチスロの分野では、液晶画面のなかで繰り広げられる派手な演出や、オリジナルシーンなど独自の進化も遂げて人気となっています。なかには、パチンコから原作ファンになった人も多くいると言われるくらいです。なぜこれらの名作はパチンコ・パチスロ界でも、大フィーバーするのでしょうか。

画面映えする必殺技が多い『北斗の拳』

 まずは、時代を超えて愛される名作『北斗の拳』です。人気がなければすぐにホールから消えてしまう機種も多いなか、現在も次々と新しい機種が登場する超人気ブランドとなっています。その理由を考えると……もともと原作ファンが多いのももちろんですが、作品に登場するキャラたちのインパクトの強さや、繰り出される技の派手さなどが、パチンコ・パチスロとの相性の良さに繋がっていると思われます。

 現在のパチンコは「台の液晶画面内でケンシロウが戦いに勝利すれば、大当たりが確定する」など、リーチから大当たりまでの演出でいかに盛り上がりを出せるかに力を入れたものが多くなっています。その意味で『北斗の拳』は、ケンシロウの「北斗百裂拳」やラオウの「剛掌波」など、各キャラクターが大小さまざまな技を持っているため、それだけで画面映えするのです。さらにユーザー目線では「いまケンシロウが強い技を使ったということは勝てる(大当たりの)可能性が高い」と予想もできるなど、演出の過程でも最後までドキドキを味わうことができるようになっています。

 また原作に名シーンも多いため、過去のスロット作品では、20連チャン以上すればラオウの「昇天シーン」が見られるなど、ユーザーの興奮した心とマッチするような巧みで熱い演出もありました。

パチンコでも傾く『花の慶次』

 続いては、同じく原哲夫先生作品の『花の慶次』です。こちらも魅力的なキャラだらけで、主人公の前田慶次を筆頭に、豊臣秀吉、上杉謙信、真田幸村など戦国の世を駆け抜けた名将たちがズラリ。合戦のシーンにも華があります。

 また液晶内のストーリー演出でも、暴れ馬・松風の登場や捨丸・岩兵衛との共闘など、原作マンガで慶次が見せた派手な名シーンを活かしていることも特徴です。特に慶次が金のキセルをトーントーンと鳴らす名シーンは、パチンコ内でも激アツな状態を示す「キセル予告」として有名となり、TVのバラエティ番組でそれをパロディにしているものもありました。また前田慶次の「いくさ人」「傾奇者」としての漢の生きざまが、ギャンブルに挑むユーザーの心にシンパシーを与えているのも人気の理由かもしれません。



映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』キービジュアル (C)カラー

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使徒との戦いを描いた名作もギャンブル界で無双

ストーリー演出を盛り上げる名言が多い「エヴァンゲリオン」シリーズ

「エヴァンゲリオン」シリーズも、パチンコ・パチスロ界で不動の地位を築いているブランドです。こちらも原作の名シーンが豊富なため、碇シンジが乗った初号機がATフィールドをこじ開ける演出など、見ているだけでも迫力を楽しめる素材が多くあります。

 また『エヴァ』と言えば、「逃げちゃダメだ」「あなたは死なないわ 私が守るもの」など誰もが知る名言が多いのも作品の特徴。これらの名言は、液晶画面のストーリー演出でも、ここぞという熱い場面を盛り上げる大事なトリガーとなっています。

 しかも、碇シンジの声を演じる緒方恵美さんがかつてTwitterで「…実はパチンコエヴァは、毎回新規収録だって知ってましたか?」とつづるなど、かなりセリフの演出に力を入れているようです。数々の名言と声優陣の魂のこもった演技で、いまもユーザーの心を奮わせています。

パチンコでもざわざわさせた「カイジ」シリーズ

 ギャンブルマンガから本当にパチンコになってしまった作品といえば、「カイジ」シリーズも有名です。ユーザーは自分でパチンコをしながら、液晶内でギャンブルをするカイジを応援するという不思議な状態のプレイになりますが、ある意味2倍の興奮を楽しめるということかもしれません。

 また話題となった機種として、原作にも登場する「沼」がモチーフになった台も登場しました。見た目のデザインや仕掛けが原作そっくりで、3段クルーンも見事に再現されています。さらに、演出中のナレーションも、アニメでもお馴染みの立木文彦さんが担当し、熱く盛り上げてくれるのです。現実世界でも色あせないその存在感に、あらためて原作に登場するアイデアが奇抜でありながらも緻密に作りこまれていることが感じられます。

 ほかにも『キン肉マン』や『巨人の星』などさまざまな機種が登場していますが、名作と呼ばれる作品はギャンブルという異分野でもしっかり存在感を放っています。