最初は等身大として登場した人気宇宙人・バルタン星人が表紙の『ウルトラ怪獣DVDコレクション(1)』(講談社)

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暗躍する「等身大」宇宙人たちにゾワゾワ

 ウルトラマンの敵といえば、ビルも簡単に壊してしまうほどの身長を持つ「巨大な怪獣」というイメージが一般的ですが、地球を侵略する目的でやってきた「宇宙人」たちも数々登場します。こちらもウルトラマンにあわせて巨大なものが主流ですが、なかには人間サイズのまま暗躍した宇宙人たちも登場しており、そんな彼らの方が怪獣よりも、より身近に感じられて怖かったりします。この記事では、そんな巨大じゃないからこそ怖い「等身大宇宙人」たちをご紹介します。

受け継がれる不気味さ「バルタン星人&セミ人間」

 常に人気怪獣・星人のトップクラスの座を獲得するバルタン星人も、はじめは人間サイズで登場しています。セミのような顔つきに、両手は巨大なハサミ、「フォフォフォ」の特徴的な声を発するバルタン星人ですが、その身長は自由自在です。ミクロサイズから50メートル程度にも変化することができ、劇中では薄暗い建物内で分身術を披露する不気味さも持ち合わせています。

 そんなバルタン星人の原型とも言われるのが、『ウルトラQ』で登場したセミ人間ことチルソニア遊星人です。身長は1.8メートルで当初は人間男性に化けていましたが、本当の姿は「セミ人間」の名の通り、セミの頭部に人間の胴体という容姿です。おまけに劇中では、目をグリグリ回転させてきます。これだけでも子供や虫嫌いの人にはショッキングな内容ですが、ビニール製の透明なスーツも着用して、知性が漂うあたりも不気味さを加速させていたのではないでしょうか。

セーラー服姿も披露「ゼットン星人」

 ウルトラマンを初めて倒した怪獣として有名なゼットンですが、それを操るのがゼットン星人です。地球侵略を企むゼットン星人は、最終話「さらばウルトラマン」に登場。円盤部隊として襲来しますが、科学特捜隊によって大半が撃墜されます。そのなかでもゼットン星人のひとりが基地の内部に侵入、岩本博士に化けて基地を破壊していきました。

 こちらも『ウルトラQ』に登場したケムール人と見た目が似ており、いびつな形の頭部からのぞく眼球がインパクト大。『ウルトラマン』以後のシリーズでも度々登場していますが、相変わらず異形の怪人感を突き通すなかで、『ウルトラマンオーブ』で披露したセーラー服姿は必見です。



ウルトラシリーズのなかでも人気が高いメトロン星人が表紙の『ウルトラ怪獣DVDコレクション(6)』(講談社)

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「通り魔」までする極悪宇宙人

等身大ならではの演出も…「メトロン星人」

「地球は狙われている」というナレーションから始まる『ウルトラセブン』には、地球侵略を企てるさまざまな宇宙人が登場しました。セブンの能力を徹底分析して一度は圧勝したガッツ星人(身長2〜40メートル)をはじめ、アンヌ隊員の部屋に潜んでいた臆病なペガッサ星人(身長2メートル)、クモのようなシルエットを持つクール星人(体長2メートル)などなど。

 なかでも、ひときわ異彩を放っていたのがメトロン星人(身長2〜50メートル)です。彼は他人が敵に見える幻覚剤をタバコに仕込み、人間の信頼関係を奪うことで地球を侵略しようとしました。有名なモロボシ・ダンとちゃぶ台を挟んで議論する場面は、等身大ならではの名シーンでしょう。

 セブンのアイスラッガーで真っぷたつにされたメトロン星人ですが、2005年放送『ウルトラマンマックス』で生き延びていたことが判明。約40年もの間、地球に潜伏し人間の観察を続行できたのも、等身大だからこそでしょうか。

ホントに怖い犯罪系宇宙人「ツルク星人」

「怪獣を操って地球を侵略」というのはSF作品だと分かりやすい設定ですが、ホントにいたら怖いのが、リアルに犯罪を犯すタイプの宇宙人です。『ウルトラマンレオ』に登場する宇宙人は、等身大では人間型なのに対し、巨大化した時は怪獣らしく見た目が変化することが特徴的で、ツルク星人も身長2.4メートルから54メートルまで変化することができます。

 そして、ツルク星人の怖いところは、「通り魔」であることです。スポーツクラブ帰りの親子を狙い、子供の目の前で父親を一刀両断し殺害。この場面に代表されるように、レオ世代の視聴者にはトラウマ的存在とも言われているようです。

 これらの宇宙人たちは……「もし夜道でばったり遭遇したら」なんて想像するだけで、気絶モノかもしれません。