コンパクト・トールワゴン初の大ヒット車

当時のブームを反映して、現在で言えばクロスオーバーモデルの「GL-Xスペシャル」も設定された初代デミオ

過去にMOBYからの【推し車】として紹介した記事で評判の良かった記事をセルフリメイクする企画、今回は1996年に登場直後、「ミニバン」的な新感覚のハッチバック車としてスキマ商売的なクルマとして紹介されるも、実際はスキマどころか大ヒット!

現在も売れている、コンパクト・トールワゴンの元祖とも言える存在へ成り上がった、初代マツダ デミオについて、改めて紹介します。

3代目以降、後にMAZDA2と改名して現在に至る4代目までは、ルーフを下げてマツダらしいスポーティなハッチバック車になっていますが、その本質はやはり初代デミオのように「見た目からは想像できない、実用性も高い実力派」かもしれません。

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初代ワゴンRに続く、コンパクトカーの大革命

このアングルで見ると、頭上スペースも広く確保されたトールワゴンだとわかる ©MOBY

コンパクトカーとして全長・全幅に厳しい制約を受けつつも、唯一自由が利く高さ方向への拡大、それも単純に背を高くするのではなく、増えた空間を最大限有効活用することで、視界の広さや快適性の高さと、荷室の最大化を極めた「トールワゴン」というジャンル。

日本でも1970年代、商用登録ながらホンダが「ライフステップバン」を発売するなど、早くからコンセプト自体は存在したものの、大ヒットで現在のN-BOXなどスーパーハイトワゴンが「国民車」になる革命を起こしたのは、初代スズキ ワゴンR(1993年)でした。

初代ワゴンRはもちろん軽自動車ですが、コンパクトカーでもそのフォロワーは存在し、スズキ自身のワゴンRワイド(1997年)や、日産の初代キューブ(1998年)がもっともわかりやすいものの、実際の「始祖」はそれ以前、1996年に発売されました。

この年の8月、ダイハツ パイザーとほぼ同時に発売されたのが初代マツダ デミオ。

どちらも従来からあるコンパクトカーをベースにしたものの、パイザーが全長4m超、全高1,600mm前後の「ミニバンのスケールダウン的な2列シート車」だったのに対し、デミオはどちらかといえば「スペース効率を追求したハッチバック車」でした。

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