2024年4月25日 発表

ヒョンデ初の高性能バッテリEVモデル「アイオニック5N」

 ヒョンデ(Hyundai Mobility Japan)は4月25日、新型高性能バッテリEVモデル「IONIQ 5 N(アイオニック ファイブ エヌ)」を6月5日に発売すると発表した。また、発売に先立ち4月25日~5月30日の期間、50台限定の特別仕様車「IONIQ 5 N First Edition(ファーストエディション)」の先行予約を受け付ける。ファーストエディションの価格は900万円前後。

 ヒョンデは2015年、韓国・南陽(ナムヤン)にあるR&Dを拠点に、開発の舞台となるドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」に由来する高性能ブランド“N”を始動。「Corner Rascal=コーナリングを楽しめるドライバビリティ」「Racetrack Capability=サーキットを本気で走れる性能」「Everyday Sportscar=日常使いもできる走行性能」の3つを柱に据えて、これまでに「i30 N」「RN22e」「N Vision 74」と、さまざまなNモデルをリリースしている。

 今回日本での発売が決定したIONIQ 5 Nは、N初のバッテリEVモデルで、ヒョンデがモータースポーツおよびローリングラボで蓄積してきた最新技術を詰め込んだ1台。

ボディサイズは4715×1940×1625mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3000mm、Cd(空気抵抗)値は0.313

 前輪に最高出力166kW(226PS)、後輪に最高出力282kW(383PS)の高性能駆動モーターを搭載し、システム合計最高出力は448kW(610PS)、最大トルク740Nmを発生。さらに、10秒間だけバッテリとモーターのパフォーマンスを最大化し、高い加速性能を実現する「N Grin Boost(NGB)」を使用すると、前輪が175kW(238PS)、後輪が303kW(412PS)まで上昇、システム合計でも最高出力478kW(650PS)、最大トルク770Nmまで性能が向上。モーターの最大回転数は2万1000rpmを実現し、最高速度は260km/h、0-100km加速は3.5秒(NGB使用時は3.4秒)を誇る。

ヘッドライトやテールランプ、サイドミラーのウィンカーなど、いろいろな場所にヒョンデの特徴でもあるデザイン「ピクセルグラフィック」が採用されている

装着タイヤサイズは275/35R21

 ホイールGセンサーと6軸ジャイロセンターで制御する「N専用電子制御サスペンション」を搭載するほか、左右後輪に最適なモーター出力を伝達する「N Corner Caving Differential(e-LSD)」を採用し、走行性能を高めるだけでなく、駆動力を確実に路面へ伝えるという。

 ブレーキは、前輪に4ピストン大口径ブレーキを採用しつつ、アクセルOFFで最大0.6Gの回生ブレーキによる減速が可能な「N Brake Regen(NBR)」も搭載。さらに、コーナー直前でアクセルペダルをオフにすると、回生ブレーキにより強力な制動を行ない、素早い荷重移動で機敏なハンドリング(タックイン)を実現する「N Pedal」も装備し、ゆるいターンであればブレーキペダルを使わず、アクセルペダルのON/OFFだけで通過できる。

 搭載するバッテリは84kWhのリチウムイオン電池で、アイオニック 5 Nはサーキット走行に適するために、いくつかのバッテリ制御モード「N Battery Pre-Conditioning(NBP)」を搭載。“Dragモード”では、短時間で最高出力を発揮するために、バッテリ温度を30℃~40℃で保持するように制御、“Trackモード”では、サーキットを安定して連続走行できるようにバッテリ温度を20℃~30℃に保つようにコントロールしてくれる。

 そのほかにも、停止状態から最大加速性能でスタートできる「N Launch Control」は、グリップレベルを3段階(LOW/MEDIUM/HIGH)から選択でき、路面状況に応じたトルク制御を行なってくれる。さらに、前輪と後輪の駆動力配分をドライバーが直接設定できる「N Torque Distributon(NTD)」や、ドリフト走行をスムーズに行なえるように駆動力配分を自動的に最適化してくれる「N Drift Optimizer」も装備している。

コクピット

左側にはドライブモードの切り替えボタンを配している

右側には10秒間だけ高い加速性能を実現する「N Grin Boost(NGB)」のボタン

シートはセミバケットタイプ

 また、アイオニック 5 Nは、よりドライビングを楽しめるようにと、走行に合わせたサウンドを奏でる「N Activ Sound+」を開発。Ignitionモードではヒョンデの内燃機関サウンドを、Evolutionモードではこれまでに開発したコンセプトカーや、ゲームグランツーリスモに登場したコンセプトカーなど、高性能EV専用サウンドを、Supersonicモードでは戦闘機のジェットエンジンのようなサウンドを再生。気分に合わせたサウンドで高揚感を味わえるとしている。

限定50台のファーストエディション

 6月5日の発売に先立ち、4月25日~5月30日の期間で先行予約を受け付ける50台限定の特別仕様車「IONIQ 5 N First Edition(ファーストエディション)」は、専用のフロアマットやスカッフプレート、センターホイールキャップなどが採用されるほか、専用のインテリアエンブレムやチェッカー柄のフットレストも特別にあしらわれる。価格は900万円前後で、応募者多数の場合は抽選となり、当選者は6月1日~4日の間に契約することになる。

 また、ファーストエディション購入者は、ヒョンデのグローバルモータースポーツイベントへの招待や、オーナー限定セレモニー、Nブランドグッズの購入など、いろいろな特典が用意されるという。

専用メタルドアスカッフプレート

専用チェッカーフットレスト