不発の90’s小型クーペブーム?で異彩を放ったシビッククーペ

EG系シビックだが型式はEJ系、日本では1.6リッターのEJ1型のみ正規輸入販売された初代シビッククーペ

日本で一番「特にスポーツしてるわけでもない、なんとなく売っているクーペ」が多かったのって、1990年代半ばかもしれません。

北米などで通勤車やゲタ車扱いだった「セクレタリーカー」に小型2ドアクーペが多かった時代、そういうジャンルも得意にしていたのが日本車でしたが、それを日本でも売ってみようとチョコチョコ試みるも大抵は売れず、クーペ不振をかえって印象づけていました。

今回紹介するホンダのシビッククーペもそんな「ちょっと売ってみたクーペ」の1台ですが、アメリカホンダで生産した左ハンドルの輸入車というのがちょっと風変わりで、メジャーにはなれなかったものの、カスタムベースとしてちょっとした人気だったのです。

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デルソルになったCR-Xに代わって登場した初代(1992年)

このアングルなどフェリオより格段にスポーティだが、DOHC VTECのB16A搭載車はなく、あくまで雰囲気

日本ではスポーツカー的な扱いを受けているものの、本来は北米向け超低燃費車として開発されたのがホンダのCR-Xで、やたらと狭いものの超短距離ならば座れないこともない後席、それを畳めば結構広いラゲッジで実用性の高い3ドアファストバック車。

しかし3代目(1992年)では、なぜかマツダの初代MX-5ミアータ(ロードスター)の後を追うようにオープントップの2ドアクーペ化になってしまい、高価なスポーツより安くて実用性の高いクーペを求めるユーザー向けに新規開発したのがシビッククーペです。

ホンダのアメリカ法人が北米で売るために開発しましたが、その頃の日本ではトヨタの初代サイノス(1991年)がレビン/トレノより格段に安い割にスポーティな装いが、ちょっとウケていた頃。

その影響で三菱(ミラージュアスティ)やスバル(インプレッサリトナ)まで色気を出した1.3〜1.6リッター級クーペに当時のホンダも参入し、アメリカ製でわざわざ右ハンドル車を作って輸入販売という、なかなか気合が入ったモデルでした。

アメリカでは低価格実用車なので、エンジンもDOHC VTECのB16Aではなく1.6リッターSOHC VTECの低燃費実用機のD16Aと動力性能は平凡でしたが、最大の売りは「アメリカ製」、本気で走りたい人はEG6シビックSiRを選ぶので、どうでも良かったのですね。

1990年代半ば以降は手頃な中古車が出回るようになり、当時の北米で流行っていたスポコン(スポーツコンパクト)仕様にして、シャコタンにギラギラしたマジョーラカラーのUSDMカスタム車をよく見かけました。

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