釣りをするうえで、切っても切れない悩みごとの一つ「日焼け」。周りに日差しを遮るものが少ない状況が多いだけに、釣りの種類に関係なく、日焼け対策に気を使っている人も多いのではないでしょうか?

陸上と海上での紫外線の影響には、それぞれ特徴があり、陸上では日差しの反射率が低く日陰を利用しやすい一方、海上では水面からの反射や日よけの制約が影響します。そのため、海上や水辺に面している場所では普段以上に対策を講じなければなりません。
今回は、絶対に焼きたくない人に向けて、さまざまな視点から日焼け対策をまとめました。


水面からの照り返しによる日焼けに注意!

ちなみに、「むしろ焼きたいから日焼け対策はしない!」という人もいるようですが、紫外線を直接浴びることは皮膚がんや白内障、免疫機能の低下などの悪影響もあるので、「なにも塗らない」ということは極力避け、日焼け用のクリームやオイルで肌を保護しながら焼くことをおススメします。

SPFとPAと新たに加わった表示「UV耐水性」


出典:写真AC

日焼け止めを購入する際に、よく目にする「SPF40」「PA++」の表示。数字が大きく、+(プラス)マークが多いほうが日焼け止め効果が高くなります。実は最近、この2つのほかにもう1つ、「UV耐水性」という表示が追加されていることをご存じですか?

ここでは「SPF」と「PA」、そして新たに加わった表示「UV耐水性」についてかんたんに説明します。

SPFとは?

SPF(Sun Protection Factor)は、肌に炎症を引き起こす(赤くなる)紫外線「UV-B」を防ぐ効果の程度を表す指標です。後述するUV-Aほどではないものの、このUV-Bは肌を黒くする作用があり、シミやそばかすの原因となるそうです。
SPFは2~50、50以上の場合は「50+」と表示され、数値が大きいほど防ぐ効果が高まります。

PAとは?

PA(Protection Grade of UVA)は、肌をすぐに黒くする紫外線「UV-A」を防ぐ効果の程度を表す指標。UV-Aがメラニン色素を作るメラノサイト(色素細胞)を刺激することで、メラニンが生成され、色素沈着(肌が黒くなる)が起きるそうです。さらに、肌の表面(表皮)を黒くするだけでなく、真皮にまで影響することで、シワやたるみの原因となるのだとか。
PAは「PA+」~「PA++++」の4段階で表示され、「+」が多いほど防ぐ効果が高まります。

UV耐水性とは?

出典:写真AC

「UV耐水性」とは文字通り、水に対する耐性の程度を表す表示です。いままでは「水に強い」や「ウォータープルーフ」という表示を使うことで、その効果を消費者に伝えていたそうですが、業界内で統一された測定方法ではなく、各メーカーが独自に試験を行った結果をもとに表示していたため、商品によって耐水性にばらつきがあったようです。
そこで、化粧品メーカーなどでつくる業界団体がISOの規格をもとに、自主基準を定めました。UV耐水性は「UV耐水性☆」と「UV耐水性☆☆」の2段階でその効果の高さを表しています。

※☆は★の場合もあります

釣り場では、手や足が濡れることもありますし、船釣りや磯釣りは波をかぶることもあるので、日焼け止めを選ぶ際はSPFとPAが高いだけでなく、さらに「UV耐水性☆」もしくは「UV耐水性☆☆」と表示されたものを選ぶとよいでしょう。

※「UV耐水性」の表示は、2022年12月から2024年11月30日までは経過措置となっており、2024年12月から出荷される商品より表示される予定です

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タイプ別、釣りシーンでおススメの日焼け止め


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釣り場で日焼け止めを塗る場合、クリームやジェルタイプだと手のひらに付いた日焼け止めは石鹸などを使わないとキレイに落ちません(UV耐水性があればなお)。なので、エサや仕掛にニオイや成分が移ってしまうことも…。そこで、手のひらを使わずに塗ることのできる日焼け止めをいくつか紹介します。

まんべんなく塗布できる「スプレータイプ」

手を使わない日焼け止めといえば、まず頭に浮かぶのがスプレータイプではないでしょうか? スプレーなので肌にまんべんなく塗布することができますよね。直接手が届かない部位や髪や頭皮にも使用できるので、使い勝手はとてもよいといえます。
また、凹凸のある部位にも隙間なく塗布できるため、身体だけでなく顔に塗る場合も便利です。メイクをする場合は、洗顔後のスキンケアを済ませたあと(化粧下地を塗る前)に使用しましょう。


出典:写真AC

ただし、野外で使用する際、風のある場所や狭い空間などでは周囲の人に気を配らなければなりません。また、真夏の車内や船上ではスプレー缶が高温になり大変危険です。車内に放置したり、直射日光の当たる場所に置いたりしないよう注意も必要です。

風が気にならない「スティックタイプ」

私がいつも使っているのはスティックタイプです。リップクリームのように繰り出して、こするようにしながら塗るため、「しっかり塗った感」もあり、また風のある場所でも気にせず使うことができるところが気に入っています。
くるぶしなど凹凸のある部位への塗布はやりにくさがありますが、周りを気にせず濡れた手でも使えるので、釣りバッグに常に入れています。さすがに顔の凹凸には適さないため、おもに足や腕に使用しています。

日焼け止めのベタベタした感じが苦手なのと、手のひらはいつもサラサラでいたい私にとってはこのスティックタイプが一番使い勝手がよいです。


韓国で流行し、日本でも見かけるようになりました「飲む日焼け止め」で内側から防ぐ

最近では、飲む日焼け止めも数多く登場しています。こちらも日焼け止めのベタベタした感じが苦手な人向けで、塗り直しの手間が省けるといった声があり、使う人も増えています。


出典:写真AC

ただし、飲む日焼け止めは「塗る日焼け止めの代わり」になるほどの効果があるとは言い切れないため、塗るタイプの日焼け止めと併用するなど、サブ的な使用をおススメします。
また、詳細は割愛しますが、即効性のあるものではないので焼きたくない日だけ飲んでもあまり意味がないようです。長期にわたり飲み続けることがポイントで、釣りだけでなく日常生活で知らないうちに浴びている「生活紫外線」の予防のためにも、普段から取り入れておくとよいでしょう。

※薬を服用中の方および通院中の方は、お医者様・薬剤師とご相談のうえ摂取してください

なお、日焼け止めの使用期限は開封後1年、未開封の場合は3年といわれています。オーガニックや無添加の日焼け止めの場合はさらに短くなります。去年の日焼け止めがバッグに入れっぱなしになっていても効果は期待できないと判断し、新しく購入するようにしましょう。