小仏城山で絶品なめこ汁を楽しむ|高尾山縦走と最短周回コースを登山ガイドが紹介【おすすめ低山】

国内外のハイカーに大人気の高尾山(599m)から最も近く、短時間で歩けるコースもある城山(小仏城山・670m)。開放感ある山頂で絶品の茶屋グルメを楽しめるオススメの山です。登山ガイドの鷲尾太輔さんが、山歩きの初心者からベテランまでゆったり楽しめる休日の日帰り山歩を提案してくれました。

城山のおすすめポイント

①山頂にある2軒の茶屋で楽しめるなめこ汁

②堂々とそびえる富士山はもちろん、高尾山の向こうに広がる都心までの眺望

③桜・紅葉など、季節の風物詩を満喫できる絶景スポット

趣向を凝らしたなめこ汁(撮影:鷲尾 太輔)

城山の山頂には2軒の茶屋があり、おでんやモツ煮、ぜんざいなどの甘味はもちろん、それぞれ醤油仕立て・味噌仕立てと趣向を凝らしたなめこ汁を提供しています。営業は原則として週末・休日のみですが、心地よい汗を流した身体に染み渡る絶品です。

城山茶屋と小仏城山 青天狗(撮影:鷲尾 太輔)

これまでは山頂の南側が城山茶屋・北側が春美茶屋でしたが、2024年3月からは隣の景信山で営業していた景信茶屋 青木が営業を引き継いで、「小仏城山 青天狗」としてオープン。うどんやカレーも提供し、城山グルメがさらにパワーアップしました。

城山から望む高尾山と東京の街並(撮影:鷲尾 太輔)

城山からは眺望も抜群!山頂標識がある東側からは、高尾山を前景に広がる東京都心の街並を一望できます。

城山から望む富士山(撮影:鷲尾 太輔)

山頂の南側は草原状に開けており、こちらからは堂々とそびえる富士山を望むことができます。特に冬から春にかけては山頂が雪化粧をしており、ひときわ美しい姿。茶屋グルメと並ぶ、山歩のご褒美といえるでしょう。

一丁平の桜(撮影:鷲尾 太輔)

城山と高尾山の間にある一丁平周辺は、千本桜と呼ばれる桜の名所です。例年の見頃となる4月上〜中旬には桜のトンネルの下を歩くことができ、東屋が設けられた展望台からは富士山も望むことができます。

一丁平園地の紅葉(撮影:鷲尾 太輔)

展望台から高尾山方面へ少し下った一丁平園地は、秋には紅葉の名所となります。ベンチ・テーブル・トイレもあり、例年の見頃となる11月中〜下旬には、紅葉狩りを楽しみながら憩う人々で賑わいます。

城山山頂の桜(撮影:鷲尾 太輔)

もちろん城山山頂も桜や紅葉が多く、見頃の時期には平日でも茶屋が営業している場合もあります(要事前確認)。この春は茶屋グルメを肴に、城山でお花見を楽しんでみませんか。

ここからはおすすめの2コースを紹介します。

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おすすめコース①|小仏峠から高尾山への縦走コース【3時間5分】

小仏峠にある明治天皇御休所趾(撮影:鷲尾 太輔)

ポイント

①週末・休日はバスの本数が多い小仏バス停からスタート

②旧甲州街道を歩き小仏峠など歴史の面影も満喫

③人気の高尾山からはケーブルカーで楽々下山

小仏バス停-景信山登山口-ヤゴ沢作業路登山口-小仏峠-城山 縦走コース

コース情報

コースタイム:3時間5分

歩行距離:6.9km

累計標高差(上り):592m

累計標高差(下り):412m

モデルコースを詳しく見る

登山口となるヤゴ沢作業路入口(撮影:鷲尾 太輔)

小仏バス停からしばらくは、舗装路を歩きます。途中には「小佛山」の山号を冠した寺院・寶珠寺も。ふたつのヘアピンカーブを越えて、景信山登山口を右手に見ながら進むと、小さな駐車場のある登山口へ到着します。

小仏峠への道(撮影:鷲尾 太輔)

登山口からしばらくは、ヤゴ沢作業路の未舗装の林道を歩きます。林道が終わると土や小石が露出した道に変わります。最初はジグザグのやや急な上りですが、やがてゆるやかでまっすぐな道に変わります。

小仏峠のタヌキ像(撮影:鷲尾 太輔)

景信山からの道、相模湖駅からの道、城山への道が交わり多くのハイカーで賑わう小仏峠の広場。ベンチ・テーブルの他、かわいらしいタヌキ像が迎えてくれます。左へ進んだもうひとつの広場には、1880年に明治天皇が巡幸のために小仏峠を越えた際の休憩所趾の石碑が建っています。

まき道との分岐(撮影:鷲尾 太輔)

小仏峠からひと上りでベンチが整備された広場・浅間台があり、なだらかな道が続きます。まき道(2024年3月現在通行止)との分岐からやや急な階段が始まりますが、前方に電波塔が見えてくれば城山は目の前です。

高尾山を正面にゆるやかに下る(撮影:鷲尾 太輔)

城山でグルメと絶景を楽しんだら、高尾山へ向かいます。階段や木道をゆるやかに下り一丁平を過ぎると、前方にそびえる高尾山が少しずつ近づいて来ます。

紅葉台手前の分岐(撮影:鷲尾 太輔)

写真の分岐は右手の階段、左手のまき道いずれを通っても高尾山手前で合流します。紅葉台のトイレ・ベンチや、茶屋・細田屋を利用したい場合は、右手を進みましょう。

高尾山手前の石段(撮影:鷲尾 太輔)

高尾山の手前は石段が続きますが、写真の東屋が見えたら山頂は目前です。高尾山からも富士山や丹沢山塊の展望が楽しめる他、ビジターセンターや3軒の茶屋・トイレがあります。

薬王院境内(撮影:鷲尾 太輔)

高尾山からは全区間が舗装された1号路を下ります。薬王院の境内に入り、奥の院・本社・本堂・山門の順に階段を下ると、杉の巨木が立ち並ぶ平坦な参道となります。歩きやすい女坂を下って、さる園・山野草園が見えたら、ケーブルカー・高尾山駅は目前です。

高尾山のおすすめ初心者コースを紹介:高尾山の初心者向け厳選3コース|ケーブルカー最短や自然満喫コースを登山ガイドが解説