パラオ共和国(以下、パラオ)は、世界中のダイバーが憧れる楽園。200ほどの島々からなる海洋国家で、透明度抜群の海には、約400種のサンゴや1450種以上の海洋生物が生息している。本記事では、2024年最新版の、パラオで人気のダイビングスポットをご紹介。ダイバーなら知っておきたい情報満載のこのガイドを参考に、パラオのダイナミックな水中世界を存分に堪能しよう!

パラオ旅行の基本情報




パラオは、日本から南におよそ3200km、フィリピンとグアムの間に位置する美しい島国。暖かい気候と美しい海を求めて、コロナ以前は日本人だけでも毎年約2万人以上の観光客が訪れた。また、パラオは、第二次世界大戦後に日本の統治領となったことから、日本とのつながりの深い国として知られている。そのため、パラオには日本語由来の現地語が多く残っており、「センプウキ(扇風機)」や「デンワ(電話)」などが今も使われている。

基本情報


・首都:マルキョク

・面積:488㎢で屋久島とほぼ同じ

・人口:18,024(2021年)

・言語:パラオ語と英語

・時差:日本との時差はなし

・気候:海洋性亜熱帯気候で高温多湿。年間平均気温は27度。雨季は5月〜10月で、乾季は11月〜4月(乾季でもスコール性の雨が多い)

・電圧:110ボルト、60ヘルツ。また差し込みプラグは日本と同形状のため、日本から持参した電化製品の使用は特に問題ない

・交通:パラオに公共交通機関はないため、主要ホテルとダウンタウンの間を運行するシャトルバスやホテルの送迎サービスを利用する。タクシーはメーターがついていないので、事前に料金の確認をしてから乗車しよう。レンタカーは30日以内の滞在なら日本の免許で利用可能

パラオへのアクセス方法

現在、パラオへ行く際はユナイテッド航空を利用し、グアム経由の最短約7時間で行くことができる。ユナイテッド航空は成田空港をはじめ、関空、中部国際空港、福岡空港からグアムへの直行便が就航しており、日本各地からグアム乗り換えでパラオへのアクセスが可能。

また、時期によっては成田や関西国際空港から直行便があり、所要時間は約4時間半。現在発表されている直行便の情報では、成田発のバティックエアー・マレーシア(チャーター直行便)による4月24日水曜日発〜4月28日日曜日着、4月28日日曜日発〜5月2日木曜日着、5月2日木曜日発〜5月6日月曜日着の運行予定。出発日は限定されているが、売り切れる前に各旅行会社に問い合わせてみよう。

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必見!パラオの人気ダイビングスポット

パラオにはビギナーから上級者まで楽しめる50以上のダイビングポイントがある。ギンガメアジやバラクーダやマンタといったダイバーに人気の大型海洋生物がいるポイントもあれば、地形を楽しめるポイント、カラフルなサンゴと熱帯魚に癒されるポイントまで、何度訪れても飽きのこない、まさにダイバーの楽園だ。

魚影が濃いのには理由があり、温かい水温に加えて水深1万mを超える海溝からプランクトンなどの栄養分が上がってくることなどがあげられる。またパラオには外洋、深海、洞窟、サンゴ礁、内海、泥地、マングローブ域、塩湖、河川、渓流など“水”にまつわる多彩な自然環境がそろっていることもあり、多様な生物が生息している。

ブルーコーナー

ユネスコ世界遺産に登録されているロックアイランドの近くに位置するブルーコーナーは、パラオを代表する超人気スポット。バラクーダやギンガメアジの群れ、アオウミガメ、ナポレオンフィッシュ、グレイリーフシャーク(オグロメジロザメ)などが集まり、まるで魚たちによるショーを見ているかのような光景。

水深:15〜40m

人懐っこいナポレオンフィッシュ

フォルムが美しいグレイリーフシャーク

ギンガメアジの群れ

ジャーマンチャネル

パラオでのマンタポイントといえば、このジャーマンチャネル。ここには、マンタたちが体についた寄生虫を小魚に食べてもらう場所(クリーニングステーション)となる根が水深18m付近にあるので、ここにやってくるマンタを観察する。また、大潮のときには水面にたくさん集まるプランクトンを捕食するマンタを見るチャンスも!

水深:18〜27m

クリーニングステーションにやってくるマンタ(写真提供:Day Dream Palau)

群れになってやってくるときも(写真提供:Day Dream Palau)

ウーロンチャネル

ウーロンチャネルは上げ潮に乗って、チャネルの間を流されながら、壁のようにびっしりと群生するサンゴが見どころ。ここにはグレーリーフシャークやギンガメアジ、バラクーダなどが生息。

水深:5〜20m

流れに身を任せ水路を流れるのは気持ちいい(写真提供:Day Dream Palau)

キャベツコーラル(ヨコミゾスリバチサンゴ)(写真提供:Day Dream Palau)

ギンガメアジの群れ(写真提供:Day Dream Palau)

シアスコーナー

垂直に落ちるドロップオフの底は水深約53m。ドロップオフの壁面には美しいソフトコーラルやハナダイ、チョウチョウウオなど色鮮やかな生物がたくさん。特に潮の流れがいい時には、コーナー先端にたくさんのサメが集まることも!

水深:10〜53m

カスミチョウチョウウオの群れ(写真提供:Day Dream Palau)

グレーリーフシャークがうようよ(写真提供:Day Dream Palau)

ブルーホール

パラオを代表する地形ポイント。水深1~3mのリーフに4つの穴が空いており、その中には大きなドーム状の空間が広がっている。その空間に4つの穴から光が降り注ぎ、幻想的な雰囲気に。

水深:50mまで

4つある穴のひとつから中に入る

穴に差し込む光が幻想的

シャンデリアケーブ

長い時間をかけて石灰岩が侵食されてできた海中鍾乳洞。島の浅場の水中に空いた入口から中へ進むとそこには、浮上して顔を出せるエアドーム(空気の溜まっている場所)があり、シャンデリアのように白くキラキラした鍾乳石がいくつも垂れ下がっている。

水深:3〜10m

白い鍾乳石が美しい

垂れ下がる鍾乳石がシャンデリアに見えることがこのポイントの由来

マリンレイク

マラカル島という島の前には、ユネスコ世界遺産のロックアイランド群というサンゴ礁が隆起してできた445もの島々があり、そこには島に囲まれた大小52の塩湖(海水と淡水が混ざった湖)が点在。そのうちのひとつが「マリンレイク」というダイビングポイントになっている。水深は2〜10mほどで、ニシキテグリやテンジクダイ、マンジュウイシモチなど内湾系のマクロの生き物がたくさんで、他のダイビングポイントとは一風違うダイビングを楽しむことができる。

海とはまた違った雰囲気(写真提供:Day Dream Palau)

水深が浅いので、マクロ撮影もじっくり楽しめる(写真提供:Day Dream Palau)