観光スポットが点在する岡崎の超人気うどん店

平安神宮や京都市京セラ美術館、少し足を延ばせば南禅寺や永観堂などへも行ける岡崎エリア。この場所に、2006年のオープン以来、常に行列ができる人気店として話題を集め続けてきたのが、山元麺蔵です。

店舗は、店主の山元克之さんの祖母が暮らしていたという実家を改装。町家の趣を残した店内には、カウンター8席と4人がけテーブル席が2つ用意され、落ち着いた雰囲気。だしのいい香りが広がり、味への期待も高まります。

山元麺蔵といえば、こだわり抜いた麺はもちろん、だしやつゆ、天ぷらなど、細部にいたるまで究めたメニューが多くの人を虜にしています。世界的な料理ガイドブックにも掲載。わざわざ遠方からもこのうどんを食べに訪れるという人も少なくありません。

かつてバレーボール選手としてVリーグでも活躍していた山元さん。しかし不況で所属していたチームが廃部となり、うどん職人への道を進むことに。讃岐うどんの本場・香川や、東京、京都のうどん店での修業を経て、山元麺蔵を開くことになりました。そんな山元さんに、うどんのおいしさの秘密を教えてもらいました。

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美しいツヤと強いコシ、のど越しの良さを生む秘密とは !?

小麦と塩、水というシンプルな素材だけに、ごまかしが利かないのがうどんの難しいところ。「コシの強さとなめらかさ。この両立が理想なのですが、それが完璧の域までたどり着くのが難しい」と話す山元さん。
北海道と三重県産の小麦を中心に配合した多加水麺は、ゆであがりのツヤが美しくなめらかでむっちりとした食感が特徴。のど越しの良さも心地良く、食べ終わるのがもったいない…、そんな気持ちにさせてくれます。

うどんの弾力とつやの両立を目指すために、山元さんが5年前から取り入れたのがこの圧力鍋。平釜でゆでたうどんを再度圧力鍋でゆでることで、芯までしっかりとゆであがりつつ、表面がゆですぎにならないという、うどんにとって最高のゆであがりが実現しました。山元さんも「圧力鍋を導入したことで、山元麺蔵のうどんがまた違う領域に足を踏み入れたよう」と話します。

ゆであがった麺はしっかりと水でしめます。のど越しの良さを楽しんでもらえるように、あえて麺を短くしないのも山元麺蔵の特徴です。

うどんと合わせていただきたい天ぷらも常にあげたてを提供。「1杯のうどんをおいしく召し上がっていただく」という山元麺蔵の姿勢を感じられます。

究極のうどんづくりを目指しつつ、食べた人の声も柔軟に受け入れる山元さん。「理想のうどんにたどり着くのは難しいですね」と柔らかな笑顔で話します。そんな山元さんの誠実な人柄も、人気店であり続ける理由なのではないでしょうか。