「アイドリング」はほぼすべての都道府県が条例で禁止している

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信号待ちなどでエンジンを停止させることは「アイドリング・ストップ」と呼ばれています。「アイドリング」は、車が停止しているのにエンジンは動いている状態を指しますが、車の主な目的は人や物を運搬することにあるため、燃料を消費しているにも関わらずその主な目的を果たすことができません。この無駄な燃料消費を抑えるためにアイドリング・ストップが実施されます。

燃料の消費が抑えることで燃費を改善する効果が期待できるほか、地球温暖化を招く要因のひとつと言われている二酸化炭素の排出量も削減することが可能です。そのため、日本国内のほぼすべての都道府県で、主に環境保護を目的にアイドリング・ストップを義務付ける条例が定められています。

ただし、あらゆる状況でアイドリング・ストップを実施しなければならないほど厳しい条例ではなく、信号待ちや渋滞での停車や、その他にも「冷凍車・医療用車・清掃車などの動力としてエンジンを使用する場合」「緊急自動車が用務のために使用している場合」、またやむを得ないと認められる場合も適用除外とする自治体がほとんど。

自治体によっては暖機運転についても必要以上でなければ規制の対象外とする場合もあるため、一般的なユーザーにとっては、移動のために車を使うのであれば特別意識しなくとも条例を遵守することができると言えるでしょう。

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エアコンかけて車の中で休憩…条例違反になるおそれがある?

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一般的なユーザーでアイドリング・ストップに関する条例に違反するおそれがあるケースは、「車内での休憩」です。

車には冷暖房が備わっていることがほとんどで真夏も厳冬も快適に過ごすことができますが、これらの冷暖房を機能させるには電力が必要なのはもちろん、エンジンをかける必要もあります。簡単に言うと、暖房はエンジンの熱で温めた暖気を、冷房はエンジンの動力で冷やした冷気を使用するためです。

ハイブリッドの場合は電力で冷房を使用することも可能な場合もありますが、電力が不足すればエンジンが始動するため、いずれはアイドリングが必要になります。なお、エンジンを搭載しない電気自動車の冷暖房については本記事の対象外ですので省略します。

走行中に冷暖房を使用するのであれば条例違反にあたるおそれはまったくありませんが、車を駐車場等に停め、しばらく車内で休憩するなどの場合に冷暖房を使用するためエンジンをかけっぱなしにすることは条例違反となるおそれがあるため、注意しなければなりません。

しかし、自治体によっては季節を考慮する場合もあると説明していることもあり、何がなんでも絶対に車内で冷暖房をかけて休憩してはいけないということでもないと考えても良いでしょう。ただし、冷暖房が利いて休憩に適した立ち入り可能な施設が近隣にある場合などはできるだけそちらを利用し、不要なアイドリングをしないように努めるべきであることは忘れないようにしましょう。

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