新型クラウン スポーツ待望のPHEVは、ただ速いだけじゃなかった!実は1200km超の航続距離を誇る、スポーツツアラーなのだ

トヨタ自動車は2023年12月19日、新型クラウン スポーツのプラグインハイブリッド車(PHEV)を発売しました。「楽しい走り」のための味付けだけでなく、ツアラーとしてのロングディスタンス性能まで磨かれているようだ。

より楽しい走りをイメージさせる美しいたたずまい

新型クラウン スポーツに、待望のハイパフォーマンス版「プラグインハイブリッド」が追加設定された。10月に発表されていた2.4L ハイブリッド(E-four)を搭載するSPORT Zの590万円に対して、PHEV(E-four)搭載のSPORT RSは、175万円高い765万円とわかりやすい上級仕様となっている。

スポーツには、クラウンクロスオーバーに設定されたかっとび系2.4L デュアルブーストハイブリッドの設定は残念ながらなし。PHEVをトップモデルに設定した理由は、やはり地球環境に配慮した中でのマルチパスウェイの提案にこだわりたかったためだ。

スポーツとしてこだわったエモーショナルなデザインはHEVと変わらない。21インチの大径タイヤも同様だが、アルミホイールは専用のマットブラック塗装が施されている。ちなみにスポーツのタイヤはすべて、クロスオーバーに対して10mmワイドな仕様に変更されている。80mm短いホイールベースと相まって、踏ん張りの効いた存在感が強く感じられるデザインだ。

前輪は、20インチという大径のベンチレーテッドディスクブレーキを採用。また、専用20インチ対向6ピストンアルミキャリパーによって、見た目のスポーティイメージを向上させるととも制動力までしっかり高めている。

インテリアは、どちらかと言えばシックなクロスオーバー、セダンに対して、華やかさで差別化が進む。ブラック基調に、落ち着きのあるセンシュアルレッドを運転席と助手席で左右非対称に配色して、高揚感を演出している。

ちょっと面白い機能装備として注目したいのが「マイルームモード」。普通充電時にパワースイッチをONにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる。エンジンをかけず済むので、車内でのさまざまな作業を快適にこなすことができそうだ。

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ショートホイールベースに合わせてDRSをセッティング

2.5L直4ユニットに出力密度の高い駆動用モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムは、スポーツらしい走りを実現する要。システム最高出力は225kW(306ps)に達し、シームレスかつ力強い加速を実現しているという。

WLTCモードは、満充電状態でEV走行距離は90kmを、ハイブリッド燃費は20.3km/Lを達成している。ガソリンタンク容量も55Lを確保しているので、単純計算では、航続距離は1,200km以上を実現していることになる。ちなみにHEVは21.3km/L×50Lで、約1170kmになる計算だ。

システムに組み合わされるエンジンは、A25A-FXSでHEVと変わらない。ただし最高出力はPHEVの方がやや絞られている(HEV:186ps→PHEV:177ps)。

一方でフロントモーターの出力/トルクはHEV:120ps/202Nmに対しPHEV:182ps/270Nmと大きく差がっつく(リアモーターは変わらず54ps/121Nm)。強大なトルクは、E-Four(電気式4WDシステム)によって最適に4輪に配分される。

クロスオーバーと同様にDRS(ダイナミックリアステアリング)機構を備えるが、セッティングはスポーツオリジナルのもの。短いホイールベースに合わせてゲインを下げ気味とすることで違和感を抑制しているのも、スポーツらしいこだわりだろう。

開発者によればとくに、ハンドルを切り出していく時のリニアリティや素直さが違うという。クラウンらしい上質感に加え、これまで以上の一体感を狙ったセッティングと言えそうだ。

サスペンションに関しても、クルマとの対話を重視して最適化が施された。さまざまなキャリブレーションによって、卓越した走行安定性を実現するとともに、コーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走行においても安心感を向上させている。

快適性に関しては、路面状況や運転操作に応じてショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVS(Adaptive Variable Suspension)を採用。しなやかな動きとともに、ドライバーにしっかりとした接地感を伝えてくれるという。。