車の燃費と計算方法
昨今の自動車を評価する上で欠かせない数値になっているのが『燃費』、正式には燃料消費率といいます。
ガソリン1リッターあたり何km走れるかを示す数値で、数字が大きいほど少ない燃料で長い航続距離が得られる=燃費が良いとされます。
以前はカタログ値でガソリン1リッターあたり40kmに迫る数値を叩き出す車両が多かったのですが、最近では少なくなっています。というのも2017年ごろから燃費の計算基準が変わり、従来のJC08モードという基準からWTLCモードへ切り替わったためです。
JC08モードではテストでの平均速度が24.41Kmなのに対して、WTLCモードでは約36.39kmと、日本での市街地走行での速度に近く、より実燃費に近い数値となります。
そのためカタログ燃費は以前より悪くなっている車種も多いのですが、性能が低下したわけではありません。
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燃費がいい車のメリット・デメリット
燃費のいい車のメリット
燃費がいい車のメリットに挙げられるのは次の3点です。
- ガソリン代(燃料代)が安い
- 税金が安い
- 環境に優しい
ガソリン代(燃料代)が安い
燃費の良いクルマのメリットは、なんといっても燃料代を節約できることです。
年間1万km走行する人で、1リッターあたり23km走行できる低燃費のクルマを所有していれば、年間で消費する燃料の量は約435リットルです。
対してリッターあたり10km走行できる車両の場合では同じ条件で必要になる燃料は1,000リットル。その差は565リットルにものぼります。
レギュラーガソリンが1リッターあたり150円としても、年間85,000円ほど燃料代が安くなります。
税金が安い
燃料代だけでなく燃費の良い車には『環境性能割』と呼ばれる減税措置も付いている場合も多く、税金面でも節約できてしまいます。
環境性能割(自動車税環境性能割)とは、従来では自動車取得税と呼ばれていた自動車を購入する際に必要になる税金です。以前からエコカー減税と呼ばれる制度によって、燃費の良いクルマに関しては割引がありましたが、そちらも現在ではかなり細分化されています。
さらに、EV車、プラグインハイブリッド車に関しては非課税、その他の車種に関しては燃費基準達成率によって非課税〜取得額の3%の課税となります。
また、中古車に関しては残存価格の考慮もあるため、一定の年数が経過すれば残価率が0になり、課税されません。
環境に優しい
費用面以外にも、排出ガスが少なく地球環境に優しい部分もあり、無意識に地球環境の改善にも貢献できているというメリットも忘れず意識したいところです。
燃費のいい車のデメリット
一方で、燃費のいい車にも把握しておきたいデメリットが3点存在します。
- パワー不足(軽自動車・コンパクトカー)
- 車両本体価格が高い(ハイブリッドシステムなどの搭載車種)
- 故障などでの修理費が高くつく可能性がある
パワー不足
“燃費がいい車”に称えられる車種をチェックしてみると、軽自動車やコンパクトカーも多く挙げられます。これらの車種は燃費性能に優れる反面、エンジン排気量が小さくて馬力が少ないのが特徴です。山坂道や高速道路を走行すると、加速性能や高速域でのロードノイズが気になるかもしれません。
車両本体価格が高い
「車両本体価格が高い」「故障したときの修理費が高くつく」のもデメリットとなるポイントです。これらはハイブリッドシステムなどの先進技術が盛り込まれた燃費のいい車に該当しますが、エンジンのみ搭載している車と比べて数十万円の差が生まれるケースもあるようです。
故障などでの修理費が高くつく可能性がある
また、ハイブリッドシステム搭載車には駆動用モーターを使うための動力源となるバッテリーが積まれていますが、劣化して使えなくなったら交換費用が数十万円かかってしまうこともあります。
上記のデメリットも、メリットといっしょに覚えておくことで、燃費のいい車探しが進めやすくなるでしょう。