いまや「個室仕様」も! 究極の移動体験で注目される「高速バス」 新幹線や飛行機よりも快適なの?

高速バス(長距離バス/深夜バス)はかつて「なかなか寝れない」、「プライバシーがない」などというイメージがありました。しかし最近ではそのイメージは払拭されつつあります。では、どのようなバスがあるのでしょうか。

いまや快適な移動方法のひとつとなった長距離バス

 ひと昔前まで「安いけれど窮屈」、「なかなか寝れない」、「プライバシーがない」などというイメージがあった高速バス(長距離バス/深夜バス)。
 
 最近では様々な工夫を凝らしたバスも登場しており、かつてのイメージは払拭されつつあります。
 
 そんな高速バスですが、どのような工夫を凝らした仕様があるのでしょうか。

 高速バスには様々な路線かつ運行会社が存在します。

 それぞれの高速バスには特色があり、トイレ付きや2階建てといったものや、シートレイアウトも4列や3列、さらには完全に個室化されたものまで多岐にわたります。

 その中でも全国で路線を展開している会社のひとつに「WILLER EXPRESS」(ウィラーエクスプレス)があります。

 見た目は女性層に向けてピンク×白でキュートなデザインとなっている他、快適な移動のために細かくこだわり自社開発した画期的なシートを採用。

 バス運行がスタートしたのは2006年。その後順調にサービスを広げ、2019年には年間利用者が329万人に達し、現在では20路線、297便が北海道から九州まで走行しています。

 シートレイアウトは一般的な観光バスのような4列シートから、個室感覚が体験できる3列シートまでバリエーションがあり、好みのシートに合わせてバスを選ぶことができます。

 さらに、全シートが座席指定可能なうえ、女性同士が隣という組み合わせを実現するなど、安心できるサービスが充実しています。

 高速バスに快適さが求められていると考えた同社は、2006年のサービス開始時から時代に合わせて座席シートを改良してきました。

 現在は、全6種類のオリジナル座席シートを採用しています。 

 なかでも象徴的なのは、寝顔を見られたくないという声から生まれた「リラックス」シートです。

 頭の部分をベビーカーのようなフードで覆うことで寝顔を隠せるので、素顔で乗車したい人にも好評です。

 また、4列シートでありながら、プライベート感もアップします。

 リラックスから数タイプを経て開発されたのは、個室感覚が体験できる「コモド」と、リビングのような木目調内装の「ラクシア」という2種類のシートです。

 コモドは、前後左右の間隔が広い3列シートで、隣席との間をカーテンで仕切れる仕様。

 さらに、読書灯が使えたりフラットな靴が収納できたりと、個室感を満喫できる人気のシートです。

 ラクシアも同じように3列シートでカーテンが設置されていますが、こちらはフローリングのリビングにソファが置かれたイメージの内装です。

 シートには、10度の角度でゆらゆらと前後する電動ゆりかごリクライニング機能がついています。

 さらに、こうした快適性を高めて、高速バスに最高の休息を求めるべく開発されたのは「リボーン」です。

 繭に包まれたようなシェル型のシートは3列で全18席。シート幅は55cmと最も広く、従来の高速バスに比べて車内で発生する音を軽減する造りなのでゆっくり眠れます。

 また、リボーンはビジネスパーソンに向けても内装がデザインされており、バス外装はシルバー地×青いラインに刷新されています。

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シェル型シート+カノピーで圧倒的個室感を実現した凄いシートとは?

 2023年に入ってからは、さらに進化した2種類のシートが登場しました。

 シェル型のパーテーションに大型のフードを加えて、圧倒的個室感を実現しているのが「ドーム」です。

 夜間走行時は、眠りの邪魔にならず、周囲のスマホの光も気にならない青色の間接照明を点灯します。

「プライム」は、リラックスをさらに進化させた4列シートです。頭部を覆うフードが約1.5倍に広がっていたり、夜間に青色の間接照明が点灯したりと快適性をアップしています。

 こうした独自の座席シートを搭載するウィラーエクスプレスは、幅広い年代の利用者からの反響も上々です。

 例えば、ラクシアを利用した30代の女性からは、「夜行バスは怖くないと自信を持って勧められる」という声。

 また、「初めてバスで熟睡でき、途中休憩でも外に出なかった」という40代男性もみられます。

 リボーンの利用者からは、ファーストクラスのような乗り心地、夜行バスの印象がとてもよくなったといった感想が寄せられています。

 このように様々なシートレイアウトを展開していますが、そもそもどのようなきっかけで運行を始めたのでしょうか。

 事業を展開するWILLER EXPRESS株式会社の担当者は次のように話します。

「WILLERでは、高速バスや鉄道などの移動サービスにITマーケティングシステムを導入し、移動に新たな価値を創造してきた実績があります。

 WILLERというと高速長距離バスの交通事業者、運行会社のイメージが強いかもしれません。

 もともと社長の村瀬(「瀬」は旧字体)がやりたかったのは『世界中のみんながどこにでも行ける移動サービス』でした。これまでも、これからの事業も、その想いは変わりません。

 起業時は、日本の課題だと考えた都市間移動からスタートしました。当時の長距離移動手段といえば新幹線や飛行機などでしたが、若い人でも気軽に移動できる安価な手段がなかったのです。

 また、東京や大阪などと空港や新幹線の駅がない地域との移動に課題があると感じ、これが高速バスの事業につながっています」

※ ※ ※

 高速バスは、新幹線や飛行機と比べても快適さは劣らないといえそうです。

 料金が安い点も魅力であり、いちど実際に乗車してわくわくするのもいいかもしれません。