チェコ待望の新型機AH-1Z「ヴァイパー」運用開始 退役Mi-24「ハインド」はウクライナ行きか?

将来的には旧ソ連製ヘリは一掃される模様です。

チェコ国防大臣が「ハインド」の去就について明記

 チェコ国防省は2023年8月17日、AH-1Z「ヴァイパー」攻撃ヘリコプターとUH-1Y「ヴェノム」多用途ヘリコプターの引き渡し式典をチェコ国内で実施したと発表しました。

 チェコは東西冷戦時代の1978年に旧ソ連からMi-24Dを導入したのを皮切りに、45年にわたって同機種を運用してきました。しかし、NATO(北大西洋条約機構)に加盟したのを機に、軍の装備品をアメリカやイギリス、ドイツの規格のものに置き換えており、ヘリコプターについても2019年にアメリカ製のAH-1ZとUH-1Yを導入すると決め、発注していました。

 そして、このたび両機種がチェコ本国に到着、本格運用がスタートします。現時点ではAH-1Zが3機、UH-1Yが1機、チェコ軍に引き渡されていますが、最終的には各10機ずつになる予定です。

 これに伴い、最後まで残っていた旧ソ連製の攻撃ヘリコプターMi-24V「ハインド」10機が退役しています。なお、チェコ軍にはもうひとつ旧ソ連規格のヘリコプターとしてMi-8汎用ヘリコプターが残っていますが、こちらはUH-1Yが充足するまでもうしばらく使い続ける模様です。

 また、AH-1ZとUH-1Y導入に伴い、チェコ国内には新たに両機種のトレーニング用シミュレーションルームが造られており、以後は自国内で教育訓練が行える環境が整えられる予定です。

 なお、チェコ国防省トップを務めるヤナ・チェルノホヴァ大臣は、自身のSNSにおいて、Mi-24の退役について「もはや東側の部品に頼ることはできません」と述べる一方、「しかし、『24』はこれで終わったわけではありません。侵略者から自分たちを守るために軍事装備を必要としている場所があるなら、誰もが何らかの形で転用しようと考えるものです。これまで何か月にもわたってサポートを行ってきた地域に、今後も支援し続けます」と、ウクライナに対して何らかの形で供与するようなニュアンスを含んだ一文を明記していました。