フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす。それが長野修平さんの道具作り。
今回は、夏のキャンプを涼しく過ごす竹のサンシェードの作り方を教えてくれた。

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長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人などの顔を持つ。
幼少から山菜採りで山を駆け、刃物を扱う。著書『里山ライフのごちそう帖』(実業之日本社)他。

今回の素材

麻のロープ・コットンシーツ・小石

ロープにしたのは太くて柔らかい園芸用麻縄。コットンシーツはフラットのもの。小石は角がない丸石。

今回は真竹の穂先に近い部分。直径3㎝ほどの細身で枝分かれのある部分を使用。
近所の竹林で声を掛け、切らせてもらうといい。

今回のマイツール

真夏のインナーシュラフが木陰を作るサンシェードにもなった!

自然素材のコットンシーツは見た目も肌触りも涼しいだけでなく、陽の光もほどよく遮断。
ピンと張ると布に継ぎ目がないからちょっとした雨であれば、浸透しながら縁まで流れてくれるので、途中で雫がたれることもない。

逆に暑いときには霧吹きなどで湿らせると、庭の打ち水と同じ気化熱効果により涼しくなったりもするのだ。
もちろん1枚で張った継ぎ目のない幕の、流れるような美しさは、市販のタープでは決して味わうことができない。

そうだ、自然素材のコットンシーツなのだからいっそ自然素材だけで建てよう。
この竹のポールとペグ、小石と麻縄でスクエアタープ型に。そんなサンシェードの下は、まさに自然感が溢れるだろう。

竹とシーツのサンシェードの作り方

①竹からペグの素材を切り出す
節から枝(ほとんどが2本出ている)の出た3㎝くらいの太さの竹。
その節から枝付き側に30㎝ほどの長さで筒切りし、ロープを引っ掛ける枝も3㎝ほどに切りそろえる。

②枝先の面取りをする
ロープを掛ける枝の鋭い切り口は、ロープを掛けるときに手が当たったり、打ち込んだあとで足が当たったりしてケガをすることにつながりやすい。
なのでナイフで丁寧に面取りしておく。

③ナタでペグに仕上げる
筒状の竹を半割りに。節の側からナタで、使用する枝付き面と枝なし面に半割り。
割り口の角をナタで磨き、枝と反対側になる先端部分を楔形にナタで削る。

④竹ポールを作る
直径2〜3㎝くらいの枝付き竹から長さ約1.7mのポール素材を切り出す。節のすぐ下で切ると丈夫(節止め切り)で長持ちする。
腰高くらいまでの枝は邪魔なので、枝の生え口で切り取る。

⑤幕へロープをつける
シーツ幕へロープをつける。縦長張りはシーツの短辺中央(ポールの位置)に5mほどのロープの真ん中を結ぶ(センターロープ)。
シーツ裏へ小石を当てテルテル坊主風に巻き結びで結わえる。

⑥ペグを打ちロープを結ぶ
前後のセンターロープを竹ペグで留める。
シーツを広げロープの長さをイメージしてシーツから45度、約1mの位置へペグを打ち、枝へロープを掛けて自在結びで結わえる。

⑦ポールで立ち上げる
センターロープとシーツを結んだテルテル坊主風の小石の頭を枝に掛け、前後のポールを1本ずつ立ち上げる。
自在結びの目を動かしてシーツとロープをピンと張る。

⑧タープを張る
最後にシーツの4つ角へ、センターロープ同様に巻き結びでロープ(1〜2m)をつける。そして竹ペグを打ち、自在結びで4隅をピンと張れば完成。

⑨完成!

ランタンも掛けられる!

TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2017年8月号

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