キャッチアンドリリースを前提とした釣りを嗜むアングラーは、そのスタイルの名前のごとく魚を持ち帰らない。その分、釣れた魚を記念にと写真(画像)に収める人が圧倒的に多いように思う。それは自分が釣った証拠としての側面と、写真を眺める度にそのときの情景を思い出したいという側面があるのではないだろうか。
そんなアングラーたちのなかでもとくにメモリアルな写真は、きっと初めて釣った魚や自己記録の魚の写真に違いない。実際、アングラー同士の会話のなかでもスマホ片手にこれらの写真を見せ合う光景は日常目にするし、それが楽しかったりする。

そうしたなか、メモリアルフィッシュを違った形で残せる面白いサービスを発見! こちらを自分自身で実際に体感してみたので、さっそくレポートしてみよう。

気になるサービスの中身とは

そのサービスとは、自分の持っているお気に入りの魚の写真や画像をお店に持ち込めば、そこに写っている魚をロッドのリールシート(※)に彫ってくれる有償のサービスとのこと。こちらを展開しているのは、横浜元町にある渓流ルアー専門のプロショップEXPLORERSで、自分だけのメモリアルフィッシュが彫られた、世界でただひとつのロッドを手に入れることができるサービスだと大きな話題となっている。


全国の渓流ルアーファンに支持されているEXPLORERSは横浜元町の閑静なエリアにある

ロッドはメモリアルフィッシュを釣り上げたマイロッドを持参するのもよし、欲しかったロッドが店内にあればそちらを購入して新品のまま彫ってもらうもよし。ロッド購入の縛りがないなど、柔軟に対応してくれるのは嬉しいポイントとなっている。
なお、こちらのサービスはトラウトルアーのプロショップが行っているものの、トラウト以外の魚の写真やトラウトロッド以外でも受け付けているとのことなので、ソルトほかのメモリアルフィッシュ写真を持っている人は一度検討してみてはいかがであろうか。

※ロッドのリールシートは、金属製では彫ることができないために木製に限ります。お持込の際は事前に相談してみてください

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彫魚の製作者


ニジマスが魚をくわえるシチュエーションを見事なまでに再現している

こちらの魚を彫ってくれるのは、愛知県在住で彫魚の第一人者である永井文雄氏。ひとつの木を削り倒し、魂を込めて魚に命を吹き込む彫刻家としてアングラーのなかでは伝説的な存在だ。氏の作り上げた魚の彫刻=彫魚たちは本物と見間違えるほどの精巧な造りで、釣りに関心のない人をも魅了すると評判に。過去にはニューヨークでの展示会を開催するなど世界的にも高い評価も得ており、会場には貴重な作品を求めて多くの人たちが訪れるほど人気を博している。









この度、そんな永井氏と渓流ルアー専門プロショップ「EXPLORERS」の店主石関氏がコラボレーションをすることとなり、ロッドの彫魚サービスが実現。その背景には、美しい渓魚をアングラーの右腕となるロッドに落とし込むことによって、釣りだけでなく唯一無二の道具を持つ喜びを感じてほしいという、釣りを愛するふたりの気持ちが宿っている。


今にもカエルに襲い掛かろうとしている渓魚