クルマ止めに「ドーン!」ダメ! 無意識の駐車がクルマの「寿命縮めてた」!? 本当にヤバい「NG行為」とは

駐車場にクルマ止めが設置されている場合、そこにタイヤをあてて停めるのが一般的です。しかしそのまま長期に渡ってそのままの状態で停めておく行為は、クルマにとって良いことではないといいます。どういうことでしょうか。

知らず知らずにタイヤを痛めつけていた「駐車」行為とは

 駐車場にクルマを駐車するとき、クルマ止めがある場合は、タイヤをクルマ止めに当たるまでバックするのが一般的です。
 
 しかし実は、タイヤがクルマ止めに強く押し付けられている状態は、わずかにクルマを痛めつけるのを知っていますか。

 柔らかいゴムでできているとはいえ、ぱっと見は硬そうにみえるクルマのタイヤ。

 タイヤの内部には金属製のワイヤーが入っていたり、空気もパンパンに入っていたりと、それなりに硬くなっていることは確かなのですが、横から指でグッと押すと少し凹むくらい柔らかいものです。

 もちろん路面と接する面(トレッド面)は指で押しても側面ほど凹んだりはしませんが、それなりの柔軟性はあります。

 この柔らかさのおかげで、走行中の乗り心地が良くなったりするわけですが、自動車メーカーでサスペンションやタイヤ設計を担当するエンジニアは、次のように警告します。

「柔らかいタイヤをクルマ止めに強く押し付けたまま放置してしまうと、(クルマの重さを支える以外に)タイヤに余計な力がかかってしまうため、タイヤを痛めつける行為となってしまいます」

 コンビニに立ち寄ったときなどの短時間ならばまだしも、例えば週末にクルマを使用して、クルマ止めにタイヤを押し付けたまま一週間も放置してしまうと、影響が出始めるといいます。

 タイヤのトレッドに凹み(フラットスポット)ができてしまうことで真円ではなくなり、次にクルマを動かしたときに、ブルブルといった振動が発生してしまうことがあるとエンジニアはいいます。

 その振動は、数キロメートルほど走れば解消されるそうですが、毎回クルマ止めに押しあてて停めていると、徐々にダメージが蓄積されていき、走り始めても解消されない振動が残ってしまうそう。

 またこうしたダメージは、タイヤだけでなく、タイヤとつながっているサスペンションなどにも影響を及ぼすため、毎回クルマ止めに強く押しつけて駐車していると、クルマ自体を痛めつける行為となってしまうと話します。

 駐車の仕方について、自動車メーカーエンジニアはオススメの方法を教えてくれました。

「クルマを駐車する際は、一度クルマ止めにゆっくりとタイヤを当てたあと、少しだけ前進(前進駐車の場合は後退)して、クルマ止めからわずかに離すように停めると良いでしょう。

 クルマ止めからさほど離れず、なおかつタイヤにかかる負荷を軽減することができるのでおすすめです」

 ちょっとした気遣いでクルマの寿命が長くなるなら、いますぐ実践したいところです。

 ちなみに、輸送船でクルマを日本から海外へ運ぶ場合、数週間を要するため、タイヤの空気圧を設計値よりも高めにして送り出しているそうです。

 例えば日本からアメリカ行きの船便の場合、2週間から3週間ものあいだクルマを動かさずに船内に駐車しておくので、タイヤの接地面にフラットスポットができやすいといいます。

 そのため、輸送時は空気圧を高めてタイヤをパンパンにしておき、販売店にクルマが到着したあとに、適正な空気圧に調整してお客様に渡す、という段取りを組んでいるそうです。

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 クルマに執着がない人であっても、わざわざクルマの寿命を縮めたいと思う人はいないはず。

 クルマの状態のよさは、下取りの時の査定対象にもなっていますので、定期的なクルマのメンテナンスは、怠らないようにすることをおすすめします。