第8戦もてぎGT500決勝、STANLEY NSX-GTのポールtoウィンと2位に食らいついてチャンプ獲得のカルソニック IMPUL Z【SUPER GT 2022】

■ランキングトップがペナルティなど動きの激しい序盤


スターティンググリッドへ向かうGT300とGT500のポールシッター

11月5日(土)・6日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された、2022 AUTOBACS SUPER GT 第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」。6日(日)には決勝レースが行われました。


ポールポジションのSTANLEY NSX-GT

11月ともなると日没も早まることから、300kmの決勝レースは13時からスタート。そのスタートは、栃木県警の白バイやパトカーによるパレードラップから始まり、フォーメーションラップを経て行われます。

スタートでは、ポールポジションの100号車 STANLEY NSX-GTの牧野任祐選手が好スタートをキメてホールショット!


スタートラップの様子

予選2位の19号車 WedsSport ADVAN GR Supraと、予選3位の12号車 カルソニック IMPUL Zが続きますが、カルソニック IMPUL ZはWedsSport ADVAN GR Supraに激しいプレッシャーをかけてきます。


序盤の2位争い


2周目にはトップと2番手が大きく離れる

4番手の3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z と、5番手の8号車 ARTA NSX-GTも激しいバトルを展開し、接触があったのかARTA NSX-GTがグラベルにはじき出されます。これにより、CRAFTSPORTS MOTUL Zにドライブルーペナルティが課せられ、チャンピオン争いから少し遠のいてしまいます。

また、マシントラブルがあったのか、23号車 MOTUL AUTECH Zが9周目に緊急ピットインするなど、序盤から動きの激しいレース展開となりました。

●多重クラッシュに追突事故! 立て続けに起きたアクシデント

そんな9周目の第3コーナーで、10番手争いをしていた36号車 au TOM’S GR Supra、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z、39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの前を行くGT300の30号車が、au TOM’S GR Supraと接触しスピン。そこに、後続のリアライズコーポレーション ADVAN ZとDENSO KOBELCO SARD GR Supra、そしてGT300の25号車 HOPPY Schatz GR Supraが相次いで追突という多重クラッシュが発生。

これによりフルコースイエロー(FCY)が出されます。そして散乱するパーツ類のデブリ回収などのためにセイフティーカー(SC)が導入されます。


チャンピオンを争うランキング2位と1位


カルソニック IMPUL Zのピット作業

そのSCランの最中のメインストレートで、今度はGT300マシン2台による大クラッシュが発生。追突された側は後ろ半分が完全に破壊され、追突した側もフロント部がエンジンむき出しになるほどのダメージを追います。このクラッシュによりメインストレートを通過することが出来なくなり、SCランはピットロードを使用して続けられることとなりました。

2つのアクシデントにより、SCが解除されたのは21周目で、その翌週にはミニマムスティントでのドライバー交代が可能な周回数である22周目となります。

●危なげない独走でSTANLEY NSX-GT優勝。そしてチャンプはあのチーム!

22周目から24周目までに、au TOM’S GR Supra以外のチームは全てドライバー交代を行い、この時点での実質トップはSTANLEY NSX-GT。2番手にはカルソニック IMPUL Z、3番手には14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、4番手には17号車 Astemo NSX-GT、5番手にはドライブスルーペナルティの後にここまで順位を上げてきたCRAFTSPORTS MOTUL Z。


終盤のトップ3台

CRAFTSPORTS MOTUL Zがチャンピオンを獲得するためには、カルソニック IMPUL Zの前でチェッカーを受けなくてはなりません。そのために、目の前のAstemo NSX-GTを抜いて4位に浮上していきます。しかしその先が続かず、ENEOS X PRIME GR Supraとは一定の距離を保ったままレースが進んでいってしまいます。


トップを追うカルソニック IMPUL Z

優勝は100号車 STANLEY NSX-GTとなり、最終戦で見事なポールtoウィンを決めました。そのSTANLEY NSX-GTはウイニングラップでマシンがストップ。余裕の圧勝にも見えたSTANLEY NSX-GTでしたが、実はギリギリの積み重ねでの勝利だったのです。


優勝のSTANLEY NSX-GTのドライバーと監督

2位は12号車 カルソニック IMPUL Z、3位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supraとなり、3メーカーが表彰台を分け合うこととなりました。


カルソニック IMPUL Zチャンピオンの瞬間

この結果、2位でフィニッシュした12号車 カルソニック IMPUL Zの平峰一貴/ベルトラン・バゲット組が、ドライバーチャンピオンとチームチャンピオンの両方を獲得します。そしてTEAM IMPULとしては1995年の全日本GT選手権以来、27年ぶりのチャンピオン獲得となりました。


パルクフェルメでチャンピオンを喜ぶカルソニック IMPUL Zのドライバー


GT500の表彰式

2022シーズンは、NISSAN Z GT500がデビューイヤーにチャンピオンを獲得という展開となりましたが、来年のSUPER GTはどんなドラマを見せてくれるのでしょうか?

2023年のSUPER GTは4月16日(土)、17日(日)に岡山国際サーキットで開幕です。

【SUPER GT2022 第8戦 もてぎ GT500 決勝結果】

順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー

優勝 100 63周 STANLEY NSX-GT 山本尚貴 牧野任祐

2位 12 63周 カルソニック IMPUL Z 平峰一貴 ベルトラン・バゲット

3位 14 63周 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋和也 山下健太

4位 3 63周 CRAFTSPORTS MOTUL Z 千代勝正 高星明誠

5位 17 63周 Astemo NSX-GT 塚越広大 松下信治

6位 37 63周 KeePer TOM’S GR Supra サッシャ・フェネストラズ 宮田莉朋

7位 19 63周 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資 阪口晴南

8位 8 63周 ARTA NSX-GT 野尻智紀 福住仁嶺

9位 36 63周 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 ジュリアーノ・アレジ

10位 38 63周 ZENT CERUMO GR Supra 立川祐路 石浦宏明

11位 16 63周 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京 大湯都史樹

12位 64 63周 Modulo NSX-GT 伊沢拓也 大津弘樹

13位 23 60周 MOTUL AUTECH Z 松田次生 ロニー・クインタレッリ

24  8周 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹 平手晃平

39  8周 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛 中山雄一

(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩)