「釣果アップの勘所」第2回は防波堤や磯から青物をねらうノマセ釣りのエサについて。
ほとんどの場合、青物をねらう釣り場に到着したら、まずエサを確保するためにサビキ釣りで小アジをねらうのだが、残念ながら小アジがまったく釣れないこともある。そんなときどうするか? また現場で小アジが釣れないと分かっている場合にエサ店で購入して釣り場に向かうこともあるが、購入した小アジを途中で使い切ってしまったり死なせてしまったときにどうするか? ということで小アジ使いの基本から小アジに頼らずノマセ釣りを継続する方法を紹介しよう。

ノマセ釣りのエサに
小アジがベストである理由

防波堤や磯のノマセ釣りで小アジをエサにするのは、まず青物の食い込みがよく、ハリに刺す際に手に取っても比較的弱りにくいという理由だろう。食い込みがよいということではカタクチイワシなどのイワシ類がベストである。船釣りのアンダーベイト、落し込みでイワシ類が最上とされるのが、それを物語っている。

しかし防波堤や磯からのノマセ釣りでは船釣りのアンダーベイト、落し込みのようにイワシ類が掛かった仕掛をそのまま深いレンジにまで下ろして釣ることができない。また、とにかく弱りやすく、すぐに死んでしまうイワシ類なので釣り上げ生かしておくのも困難だし、ハリにセットする際に手に取るだけで確実に弱ってしまうからだ。

という理由でイワシ類に次いで青物の食い込みがよく、生かしておきやすくハリにセットする際も比較的弱りにくいアジ(マアジ、アオアジ)が防波堤や磯でのノマセ釣りにはベストというわけだ。

防波堤や磯からのノマセ釣りのエサに小アジがメインで使われるのは、食い込みのよさもあるが、その扱いやすさから

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エサの小アジを弱らせないために
気を付けてほしいこと

まず小アジをエサにする場合の基本をおさらいしておこう。サビキで釣り上げたアジは可能な限り手づかみせずハリを外すこと。専用のハリ外しを使ったりサビキのハリだけを摘んで海水を入れてエアポンプを利かせた容器に落とす。
このとき血が出たアジは容器に入れないこと。容器の底に沈んで横たわっているアジも必ず排除するべし。そして、エアポンプの乾電池は予備を忘れずに。

ノマセ釣りではエサの確保が第一。小アジなどをサビキで釣り上げたらエアポンプをしっかり利かせ弱らせないようにしよう

容器には欲張って小アジを入れすぎないことも大切だ。あまりにたくさんの小アジを入れると酸欠を起こしてしまう。気温が高い時期は水温の上昇にも気を配り、ときおり新しい海水を補充するのも忘れずに。

ノマセのハリに小アジをセットする際は「アジすくいネット」などですくい上げ、ネット越しもしくは濡れタオルなどで優しくつかんで素早くハリを刺す。ハリの刺し方は背掛けもしくは鼻掛けが一般的だ。

背掛けは第一背鰭(せびれ)と第二背鰭の間を基本に浅く刺す。鼻掛けは文字どおり左右の鼻孔にハリを通すだけ。アジの泳ぎのよさを優先するなら背掛け。水中での弱りにくさを優先するなら鼻掛けだ。


小アジの背掛けは第一背鰭と第二背鰭の間が基本。水中で頭が下がるので、よく泳ぎよく潜ってくれる

小アジを鼻掛けにすると海中での泳ぎは背掛けに一歩譲るが、投げ直しなどでの仕掛回収時の抵抗が小さく弱りにくい