今では難なく運転をこなすドライバーも、一度は通ったであろう教習所。「自分は免許を取れるのか」という不安とともに過ごした思い出が、強く刻まれている人も多いのではないでしょうか。
閉鎖空間のなかで、運転に慣れていないドライバーや、個性あふれる教官たちが作り出す特異な空気は、教習所の「隠れた醍醐味」なのかもしれません。
今回は教習所で起きた「おもしろハプニング」について、卒業から間もない方や、教習所に通っている方を中心に話を聞きました。
おばあちゃん、スルーしてごめんなさい!
仮免を取得し、はじめて路上に出る際には、ワクワクと不安で胸が膨らみます。運転席から見える街並みは、普段とはまったく違って見えるものですが、「人生でもそうは見られない光景」を目にした人も。
「3回目くらいの路上教習で、住宅街の道をまっすぐ進んでいると、前方の道路脇に老人の姿が見えました。じっとこちらの方を見ていたので、まさかと思ったのですが、近づいていくとサッとこちらに手を挙げて……タクシーと間違えられたみたいでした。
私は『えっ、あれ』みたいに焦っていたのですが、教官は無表情のまま『そのまま行って』と言うので、手を挙げるおばあちゃんをスルーして、なんだか申し訳ない気持ちになりました。
それまで気づかなかったんですが、そこの教習車のカラーリングがタクシーに似ていなくもないんですよね」(10代男性)
教習車によく使われるトヨタ コンフォートは、タクシーでの採用も多く、ペイントや見る距離によっては混同してしまうケースもあるかもしれません。スルーされたおばあさんが「タクシーに乗車拒否された」と落ち込んでいないことを願うばかりです。
長距離なら喜ぶでしょ!は大間違い?タクシーには「365kmルール」があるって知ってた?
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左折する道を間違えた!いっそそのまま買い物に……
さらに、路上教習ではこんなトラブル例もありました。
「大学から通える教習所に通っていたので、路上教習では土地勘のない道を走るのが不安でした。何度目かの教習で、『じゃあ次のところを左折して』と言われ、その通りに左折したつもりだったんですが、いきなりブレーキを踏まれて。
よく見ると、スーパーに入っていく道だったんです。でも、鼻先が入っていてバックしなきゃ戻れないし、後ろに車は来ているし……教官が『仕方ないから、一回中に入っちゃおう』と言うのでそうしました。
そのままスーパーの駐車場をぐるっと一周して、さすがに周囲の視線が痛かったです」(20代男性)
焦って曲がるポイントを間違えてしまう、というのはありがちなミスかもしれませんが、実際に施設まで入るケースは珍しいでしょう。それにしても、スーパーの駐車場を走る教習車というのは、なんともシュールな光景ですね。