今や東京湾の定番釣り物の一つとして人気を集めるライトアジ。

ピカピカと輝き金アジとも呼ばれるボディは幅広で身が厚く脂も乗り乗り。

夏はキンキンに冷やしたビールをおともに刺身やフライをいただくと格別だ。

今風に言うなら「危険なおいしさ!」であろう。

熱中症対策万全で出船

8月中旬、出かけたのは東京湾奥浦安の岩田屋。

老舗の船宿でシロギスやカワハギなど江戸前の小物釣りのほか、今シーズンはタチウオにも参戦して人気を集めている。

しかし、やはり年間を通して出船するライトアジが大看板の一つ。

4代目の岩田一人(かずひと)船長も得意とするターゲットだ。

台風が近づいていたので前日に確認の電話を入れると、「明後日は中止だけど、明日は大丈夫よ」とおかみさん。

当日は午前6時ちょい過ぎに宿へ到着。

すでに大半のお客さんが集まり道具の準備のまっ最中。

おかみさんも氷や荷物を運んで大忙しだ。

昨夜は結構吹いていた風もやみ、日差しがすでに暑い。

何とか台風の影響は受けずに済みそうだが、日中の暑さは避けられないようだ。

しかし夏は暑いのが当たり前!

帽子、日焼け止め、たくさんの飲料水で熱中症対策は万全だ。

親子連れも3組いて総勢16名で定刻7時に河岸払い。

この日はおなじみの横浜沖のポイントへ直行。

航程1時間弱の船旅である。

船長によると、「夏は釣れるポイントに偏りがあって場所選びが大変です」とのこと。

反応があっても口を使わないことも多いそうだ。

アジも暑さで食欲不振になるのか?

(左上)岩田屋は東西線・浦安駅から徒歩5分。(左下)船宿正面の堤防際が乗船場。(右)おかみさんがカートで荷物を運んでくれる。

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いきなり入れ食い

到着してすぐ反応が見つかったようで、「水深20m、下から2mでやって」とのアナウンスでスタート。

台風の影響か風波で船がポチャポチャと揺れるがさほど釣りにくい感じではなさそう。

海がシケた後はしばし荒食いが見られるが、台風がくる前日はどうなのだろう?と思いつつ船中を見ていると、早くも1投目からアジが上がる。

20cmちょいのサイズだが、遠目に見ても金ピカに輝いており、いかにもおいしそう。

それが合図のように船中あちこちで上がり始めて、いきなり入れ食いタイムに突入。

20~25cm前後の中アジ主体にダブル、トリプルもあり、食い気のある群れに当たったようである。

特大サイズはこないが、その代わりジンタ(豆アジ)もこない。

どんな料理にも最適なまさに食べごろサイズだ。

下げ潮も効いており、このまま釣れ続けばクーラーはズシリと重くなること間違いなし、と思ったがそうは問屋が卸さなかった。

食い気があったのはアジだけではなく、同サイズの小サバもおこぼれちょうだいとばかりに集まってきた。

しかもずうずうしいことに、アジのタナより上に陣取ってエサの先取りである。

ハリ掛かりするだけならまだ許せるが、右に左に走り回って仕掛けをオマツリさせてしまう蛮行も。

それでもサバの層を突き抜ければ「待ってました!」とばかりにアジが食ってくる。

父と弟と三人で来ていたお嬢さんも入れ食いで楽しんでいる様子で、弟よりハイペースで釣り上げ姉の威厳を見せつけてドヤ顔だ。

その後もアタリは途切れずベテランなら1束超えペースの釣れっぷり。

シケの前もアジの活性は上がるのかもしれない。

(左)釣り場は横浜沖の水深20m前後。(右)仕掛けはハリス2号2m2~3本バリ、アンドンビシオモリ40号。

タナに合わせた途端にアタリがくる。

(左)身に厚みがある20~25cm級主体。(右)アジは尻ビレ付近に鋭いトゲがあるので魚つかみがあると安心安全。

慣れた人は追い食いを狙って数をのばしていた。