BEVの消火は「プールに沈める」が有効
前述のアイオニック5の車両火災では、消防が車の周りを囲む仮設プールを作り、そこに水を貯め車を水に浸し続けることでバッテリーを冷やしました。
また、プラグインハイブリッドやBEVが多く利用されているオランダでは、電気自動車の火災を鎮めるために、水で満たされたコンテナに車両を沈め24時間放置するという方法を利用。
衝突など事故があった電気自動車のバッテリーパックは、3週間経った後でも再び発火するおそれがあるため、液浸させバッテリーの熱を完全に取り去らなければそのリスクを抑えることができないとしています。
保険会社は「リスクが高い」と判断?
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車両火災のリスクはガソリン車のほうが高い?
バッテリーの熱暴走は、モデルSやフォルクスワーゲン ID.3といった電気自動車でも発生しているため、ヒョンデ アイオニック5だけに起きた事象とは言えず、電気自動車全体の課題であると言えます。
ただし、日産が2010年から販売しているバッテリーEVの『リーフ』は、これまでにバッテリーが原因の車両火災が1件もないと言われていて、実際に調べてみたところ、内燃機関を搭載する車でも起こり得る原因の車両火災自体はあるものの、バッテリーの熱暴走が原因による火災は確かにないようです。
また、アメリカの自動車保険情報提供会社の調査によれば、ハイブリッド、ガソリンエンジン、EVの3タイプでの火災件数を10万台あたりになおすと、ハイブリッドが3475件(約0.0348%)、ガソリン車が1530件(約0.0153%)だったのに対してEVはわずか25件(約0.0003%)だとしていて、車両火災のリスクはEVが最も少ないと結論付けています。
しかし、イギリス・ロンドンの消防機関の調査ではガソリンおよびディーゼルエンジン車の火災発生率は0.04%なのに対して、電気自動車の火災発生率は0.1%だったと、アメリカとは異なる結果を示しました。
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