ヒルスタートアシストが効かないのはなぜ?故障?

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「ヒルスタートアシストが搭載されている車なのに、坂道で停車していざシステムが作動しているかと思ったら効いていなかった」という体験をした人がいるかもしれません。

坂道の途中にある信号で一時停止して、発進しようとしたらすぐに車が後ろに下がってしまったら、ヒルスタートアシストの故障も考えられるでしょう。

しかし、ヒルスタートアシストには作動する条件があるほか、運転しているうちに作動しない条件を満たしてしまっている可能性があります。

ヒルスタートアシストが効かない理由をピックアップしました。もし、心当たりがあれば車の運転方法を見直したり、車を点検してもらったりと対策を考えてみましょう。

ヒルスタートアシストをON(有効)にしていない

1つ目は、ヒルスタートアシストをON(有効)にできていない点が挙げられます。

ヒルスタートアシストは、多くの車種でシフトレバーやステアリング周りにスイッチが装着されているのが特徴です。スイッチを押してON/OFFを切り替えると、メーターなどに点滅ランプで有効となっているか表示されます。

しかし、確認を怠った状態で車を運転していると、気が付かぬ間にヒルスタートアシストがOFFとなっている可能性があります。

運転前にヒルスタートアシストが有効となっているかチェックするとよいでしょう。

シフトレバーの位置が作動条件を満たしていない

2つ目は、シフトレバーの位置がヒルスタートアシストの作動条件を満たしていない点が挙げられます。

シフトレバーの位置を、AT車およびMT車それぞれで、以下の通りに設定しなければヒルスタートアシストが作動しない仕組みです。

AT車の例

  • 上り坂で前進する際、シフトレバーの位置が「D」もしくは「M」(マニュアルモード付のケース)の状態
  • 下り坂で後退(バック)をする際、シフトレバーの位置が「R」の状態

MT車の例

  • 上り坂で前進する際、シフトレバーの位置が「R」以外の状態
  • 下り坂で後退(バック)をする際、シフトレバーの位置が「R」の状態

システムのON/OFFと同様に、運転中のシフトレバーの位置も確認が求められるポイントです。

ブレーキから足を離して時間が経過している

3つ目は、「ブレーキから足を離して時間が経過している」点です。

ヒルスタートアシストの作動時間は1秒から2秒程度と短いのが特徴です。ブレーキからアクセルにペダルを踏みかえる間の補助的なシステムとなっています。

ブレーキから足を話して時間が経過してしまうと、ヒルスタートアシストの機能以前に車が後ろに下がる原因となるため注意しましょう。

一時停止でブレーキを踏む力が足りない

4つ目は、「一時停止でブレーキを踏む力が足りない」点です。

停車時にブレーキペダルを十分に踏めていないと、ヒルスタートアシストが反応しないケースがあります。

坂道で一時停止をした際は、ブレーキペダルを踏めているかチェックしましょう。

システムが故障している

5つ目は「システムが故障している」点です。

ヒルスタートアシストの設定をONにしている、かつ作動条件を満たしていても作動しなければ、システムの故障を疑ってもよいかもしれません。自動車ディーラーや整備工場での点検をおすすめします。

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ヒルスタートアシスト搭載車(AT・MT)の例

ヒルスタートアシストは、コンパクトカーやミニバンをはじめとして多彩なジャンルのAT車に搭載されているほか、MTを採用したスポーツカーにも搭載されています。

トヨタ GR86/スバル BRZ

トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」は兄弟関係にある2ドアクーペタイプのスポーツカーです。GR86は「ヒルスタートアシストコントロール」、BRZは「ヒルスタートアシスト」の表記でシステムが搭載されています。

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スズキ ジムニー

スズキ「ジムニー」は、クロスカントリーSUVタイプの軽自動車です。上り坂で使える「ヒルホールドコントロール」に加え、下り坂では車体の加速を抑える「ヒルディセントコントロール」が搭載されているのも注目です。

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マツダ ロードスター

マツダ「ロードスター」は、開閉式のオープンルーフを搭載している2シータースポーツカーです。「ヒルローンチアシスト」の名称で坂道発進のアシスト機能を搭載しています。

トヨタ ヤリス

トヨタ「ヤリス」は、トヨタのラインナップで販売台数の稼ぎ頭となっている人気のコンパクトカーです。「ヒルホールドアシストコントロール」の名称で採用されています。

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日産 セレナ

日産「セレナ」は、取り回しのよさが魅力のミドルサイズミニバンです。「ヒルスタートアシスト」を搭載しています。

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スバル レヴォーグ

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スバル「レヴォーグ」は、4WDシステムによる安定感と俊敏な走行性能を両立したステーションワゴンです。「オートビークルホールド」と呼ばれる、坂道だけでなく平地でも使用を可能とした一時停止機能を備えています。

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