大衆車からスーパーカーまでこなす自動車デザインの巨匠、しかしジウジアーロなどと違い、どちらかといえば「低く、より低く!」にこだわり、ウェッジシェイプ(クサビ型)なミッドシップ・スーパーカーの印象が強い、マルチェロ・ガンディーニ御大。

ルノー5のように「こんな大衆車もデザインしました!」という車もよいのですが、やはり「ガンディーニらしい」名車を紹介したいと思い、3台を厳選しました。

アルファロメオ モントリオール(1970年)

アルファロメオ モントリオール

1960年代のジュリアがベースとは思えない迫力ボディに、凄みのあるフロントマスク、レーシングカーのティーポ33および、そのストラダーレ(公道版)に由来を持つ2.6リッターV8をフロントに積むモントリオール。一連のアルファロメオの中でもなかなかの異端児です。

「今日もアルファは全開だぜィ!」と、せいぜい2リッターまでのエンジンをギンギンに回すラテンのノリとは異なりますが、さりとてマセラティのようにマフィアが乗っていそうでもありません。

直線的というよりグラマラス、低いクサビ型デザイン”ではない”ガンディーニデザインでは秀逸であり、同時にアルファロメオとしては珍しく重厚感あふれた、特別な1台と言えます。

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ランボルギーニ カウンタックLP500プロトティーポ(1971年)

ランボルギーニ カウンタックLP500プロトティーポ

ガンディーニといえばコレ!というカウンタックの中でも、1990年に市販型の生産を終えるまでに追加された空力パーツやインテークなどの余計な機能性部品のない「素のカウンタック」が、1971年に発表されたLP500プロトティーポ。

「驚いた」を意味するイタリア北西部の方言を由来とするその名の通り、デビューの場となたジュネーブショーでは後方視界や乗降性を半ば以上無視して実現した、あまりの車高の低さに騒然となります。

ランボルギーニを代表する名作として、後のV12ランボルギーニでデザインテイストやシザースドアは踏襲されていき、日本でもフェラーリ365GT4BBと二分する人気でスーパーカーブームを支えました。