ラウンドアバウト(環状交差点)のメリット・デメリット

ラウンドアバウト
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ラウンドアバウトのメリットとして、渋滞の緩和、事故の減少などが期待されています。ラウンドアバウトは長く信号を待つ必要がないため、渋滞ができにくくなります。

通常の交差点では右折時の事故が非常に多いのですが、これは直進する対向車の影などになってバイクや歩行者が見えにくくなるなどの理由によるものです。

ラウンドアバウトを通行中は常に道路の左側を注意していればよく、直進車とすれ違う必要もないため、事故が減少するであろうと言われています。

また、信号がないために災害などの際も交通整備が必要ないのもメリットといえるでしょう。

イギリスには7個組み合わさった巨大ラウンドアバウトが!

イギリスには7個のラウンドアバウトが組み合わさった『マジック・ラウンドアバウト』が存在します。ロンドンから車で約1時間半ほどの場所に位置する郊外の街・スウィンドンにあります。

今から60年ほど前に、中心の円とそれを囲む5つの円、さらにそれらを包括する大きな円、合計7つで構成された巨大なラウンドアバウトが作られました。

このマジック・ラウンドアバウトによって深刻な交通事故が30%も減少し、過去5年間で交通事故は1件のみという報告がありました。

その結果から日本でもラウンドアバウトによって、事故抑制効果が注目され国土交通省の資料ではその理由として以下が考えられています。

  • 交差点に進入する際の速度が下がること
  • 交錯箇所の数が減ること
  • 横断する歩行者が注意する方向が1方向のみになり、安全に渡りやすくなる

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ロータリー交差点(円形交差点)との違い

ロータリー(左)とラウンドアバウト(右)の標識

ロータリー(左)とラウンドアバウト(右)の標識

円形になったロータリー交差点は、ラウンドアバウト(環状交差点)の制定以前から日本各地に存在していました。ロータリー交差点は円形交差点とも呼ばれます。

これらは信号があったり一時停止の標識があったりなどまちまちで、道路交通法で定められた環状交差点とは区別して考えられています。

ラウンドアバウト(環状交差点)の手前には、画像右側にある青地に白い矢印の標識があります。

ラウンドアバウト付近に設置されている「ゆずれ」の法定外表示

ゆずれ 道路標識
ゆずれ 道路標識

ラウンドアバウトの手前には、「ゆずれ」の法定外表示が設置されている事があります。法定外表示とは、標識令で定められたもの以外の表示、看板などで、交通を円滑に図るため、ある程度統一されたものです。

これらの表示は道路交通法で規格が統一された標識とは異なるため、全国各地で微妙に図柄が違う場合があります。

この表示を見かけたら、ラウンドアバウト内を通行する車両を妨げないように気を付けましょう。

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