その頃、長渕さんはドラマ『とんぼ』の撮影前。ちょうど自分が演じる英二の舎弟役を探していました。その役名こそ『常吉』で、タイミングよく楽屋に現れた翔さんの姿を見て、長渕さんは「常吉が来た!」と思い、その場でドラマに誘ったといいます。
その話を後に聞いた勝俣さんは、「もしも翔さんが『長渕さんのコンサートに行くから勝俣も一緒に行こうよ』と誘ってくれていたら、俺が常吉になっていた可能性もあるのよ」と笑っていました。
さらに勝俣さんは、翔さんが『とんぼ』に出演できたのは自分が長渕さんのライブビデオを貸したおかげだから、「『とんぼ』の翔さんの出演料の何%かは僕に来ていいぐらいですから(笑)」とも。
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ドラマが決まったのは勝俣さんのおかげだと公言しない翔さんに、勝俣さんは納得がいきませんでした。ある日、勝俣さんがそのことを翔さんに伝えると、強めの目力で「黙れ」と威圧をくらい、「それよりカブトムシ持って帰れよ」と言われてしまったそうです。
それにしても、長渕さんと翔さんをつないだのが勝俣さんで、その対価がカブトムシだったとは意外な話ですね。
取材・文/インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・お笑いジャーナリスト