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脚3本、性器1つ、坐骨で結合した“スパイダー”双生児、分離しない手術で寝たきりを解消(インドネシア)

Techinsight

今月12日、医学雑誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・ケース・リポーツ(American Journal of Case Reports)』で報告された「三脚性坐骨結合体双生児(Ischiopagus Tripus conjoined twins)」の兄弟のケースが、英ニュースメディア『The Sun』などで紹介されて注目されている。インドネシアで誕生した兄弟は3本脚で、坐骨が繋がっている非常に珍しい結合双生児だった。

インドネシア、ジャワ島西部西ジャワ州で2018年、200万出生に1組の割合で発生し、“スパイダー・ツインズ(spider twins)”とも呼ばれる「三脚性坐骨結合体双生児」の兄弟が誕生した。

結合双生児のほとんどは上半身が結合しているが、2人は坐骨が繋がり、3本の脚を持っていた。また、それぞれに2本の腕があり、膀胱、直腸、腸、性器を共有。兄弟のうち1人は腎臓が未発達で、もう1人は腎臓が1つしかない状態だった。

一家にとって兄弟は第3、4子にあたり、母親は妊娠中、地元の助産師のもとで検診を受け、合併症もなく順調だったそうだ。またサプリや薬なども一切服用しておらず、家族に結合双生児はいなかったという。

ただ誕生後、僻地に住む両親が我が子を病院に連れていくことはほとんどなく、兄弟は3年間、まっすぐに座ることができず、寝たきりの生活を余儀なくされていた。

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しかしながら両親は、兄弟が成長するにつれて様々な悩みを抱えるようになり、約3年前に西ジャワ州バンドンにある公立病院「ハサン・サディキン病院」を訪ね、医師に助けを求めたのだった。

結合双生児の発生確率は5万~20万出生あたり1組と言われるが、この兄弟のようなケースは非常に珍しく、全ての結合双生児の6~11%にすぎないという。また奇跡的に妊娠、出産して生き延びたとしても、双子の1人が死亡するか死産となる割合は60%を超え、医師が実際に治療を行うケースは極めて少ないそうだ。

そこで医師らは、複雑で難しい分離手術ではなく、当時3歳だった兄弟が座ったり、立ったりすることができるように骨盤再建手術を行い、体側から融合して生えていた1本脚を切断した。この脚は2人とも動かすことができたそうだが、反対側では2本脚が機能しているうえ、性器と肛門を共有しているのだという。

兄弟はその後、順調な回復をみせ、手術から3か月に行われた経過観察では合併症もなく、それぞれが上半身を起こして動くことが可能になっていた。また病院での理学療法とリハビリを継続しており、両親は「手術の結果にはとても満足している」と語っていた。

一方で医師は「結合双生児の寿命は短い傾向にある」と指摘しながらも、「分離手術が不可能な場合でも、外科的に矯正を行う余地があることを証明した一例」と述べ、手術の成果を強調した。

ちなみにこのニュースには「中絶すべきだった」「かわいそうに」「つらい人生になるだろう」といった声もあがっているが、米ペンシルベニア州で1961年9月18日、頭部で繋がった結合双生児として誕生したロリーさんとジョージ・シャペルさん(改名前はドリー“Dori”)は62歳まで生き抜き、先月7日に息を引き取っていた

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