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橋本環奈&上白石萌音が喜びの声! 舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演開幕

クランクイン!

 舞台『千と千尋の神隠し』のロンドン・コロシアムでの上演(135公演予定)がついに開幕。日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模、また東宝株式会社主催公演としても史上初の試みとなる今回のロンドン上演は、ウェストエンド最大級となる約2300席の客席数の劇場、ロンドン・コロシアムにて4月30日にプレビュー上演を開始し、5月7日に本初日を迎えた。

 日英米のクリエイティブスタッフの陣営も続投、日本生まれのカンパニーが再び日本全国、そして初の海外公演としてロンドン・ウェストエンドでの上演を果たす本舞台。5月7日14時公演(千尋役:橋本環奈)および18時公演(千尋役:上白石萌音)の初日をもってロンドン公演が開幕した。

 1幕冒頭・引っ越しの車中の場面では、引っ越し先の風景に千尋が「ベー」と舌を出すと、映画を思い出させる演技に観客がうれしそうな反応を見せ、どのパペットも出てくるだけで歓迎され、観客の心をつかんでいた。

 また、神さまたちが油屋を訪れる場面では、グランドサークル(客席内)に設置された提灯が点灯し、場内全体が不思議な街となり、ロンドン公演ならではの光景に。たくさんの神さまが油屋を訪れるなか、カオナシが登場すると、観客から「わあ!」と感嘆の声も上がった。釜爺のいるボイラー室でススワタリが連なって登場すると笑いが起こり、縦に積み重なる動きや、千尋に自分の仕事を手伝ってもらってちゃっかり楽をしようとする小さなパフォーマンスに沸く様子も。

 ゆっくりのっそり歩くおしらさまの登場で劇場の温度は一気にあがり、千尋が同じエレベーターに乗り各階の様子をうかがうキョトンとした2ショット、お互いお辞儀をしあう姿に観客は魅了されていた。湯婆婆の部屋のカーテンから登場する頭(かしら)は「オイ、オイ」と動き、ポーズを決める度に大きな笑いが。千尋とハクがおにぎりを食べる場面では、観客はその演技に集中し、静かに見入いっていた。番台の薬湯の札が、カオナシによって宙に浮くなど、小さなアクションにも「わぁ」という反応が起き、1幕ラストは劇場の天井まで割れんばかりの拍手と歓声と指笛で幕を閉じた。

 2幕では、砂金を拾い喜ぶ青蛙や坊ネズミに変えられた坊、ハエドリのかわいらしい動きの一つ一つに観客が反応。床をはう黒いネトネト(タタリ虫)に笑いが起き、それを千尋が踏み潰す。釜爺が「エンガチョ! 千! エンガチョ」と言ってエンガチョを切った後、2人が喜び合う場面に歓声が上がっていた。

 ハクの名前を思い出す、大きなハク竜と千尋のシーンは、映画同様、クライマックスの象徴的なシーンとなり、劇場中の観客が見入る様子も。カーテンコールになるとすぐスタンディングオベーションが起こり、割れんばかりの拍手と歓声、指笛で盛り上がるなど、終始、魅了され、感嘆の声が上がっていた。

 橋本環奈は「(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当に嬉しいなと思いました。仲間という言葉が本当に適切な表現につながると思えるくらい、心から信頼できる皆とロンドンの舞台に立てて本当に嬉しく思います」とコメント。

 上白石萌音も「浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。お客様達がとても喜んでくださったのが伝わって来て嬉しかったです」喜びの声を。「(ロンドンでも)日本のスタッフの皆さんと変わらない作品への愛を注いでくださって、国も言葉も関係なくワンチームになっているな、と感じながらお稽古していました」とロンドンでの稽古の様子を明かした。

 舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演は、ロンドン・コロシアムにて8月24日まで上演。

 橋本、上白石のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■橋本環奈(千尋役)

――日本人俳優として、ロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ち、ステンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか

 今日が初日なので、初日の反応であったりとか、どういうふうな感じになるんだろうという、ワクワクが大きいんですけどプレビューの段階でも日本人のお客様と全然違って、いろんなところで笑いが起こったり、ロンドンの方たちのジブリ好(ず)きな気持ちであったり、お酒を飲みながら観ていたり、ポップコーン食べたり、鑑賞スタイルがすごく気楽な部分が、本当に素敵だなと思っています。土曜日とかは小さなお子さんもいらっしゃいました。そういう方々が見てくださっていることも嬉しいですし、カーテンコールのあの熱狂を感じた時、本当にすごいなと思いました。もちろん日本人の方々の、声には出さないけど、すごく楽しんでくれてる気持ちって、舞台に立っていてすごく伝わるんですね。(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当に嬉しいなと思いました。

――カンパニーの皆さんとの生活はいかがですか?

 初演の2年前の時からずっと一緒にいるカンパニーの皆が本当に大好きで、ロンドンに来させて頂いてからも、部屋で皆で集まってご飯を食べながら、しゃべったり、本当に仲良くなれて一緒に舞台に立っているキャストもそうですが演出家のジョン(・ケアード)であったり(今井)麻緒子(共同翻案)さんであったり、トビー(・オリエ ※パペットデザイン・ディレクション)、サラ(・ライト ※アソシエイト・パペットディレクター)、 ブラッド(・ハーク ※音楽スーパーヴァイザー・編曲)達ともたわいもない会話をしたりとか仲間という言葉が本当に適切な表現につながると思えるくらい、心から信頼できる皆とロンドンの舞台に立てて本当に嬉しく思います。

――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思うか。

 作品の強さはもちろんですが、ジブリがこれだけ世界に愛されている理由は、本当に様々あると思うんですよね。でもその中の一つを挙げるとしたら雑巾がけのシーンとかも日本ならではだな、という話をしているんですけど、ごめんなさい、と千尋がすごく謝っているような日本人らしいところを、ロンドンでも、日本でやっていた公演から本当に変えていなくて日本の良さやリアルを伝えられる部分はこの演劇ならではだと思いますし、ロンドンの方々から観ても楽しんで受け入れて頂けているのではないかなと思っています。

――ロンドン生活での楽しさ、発見は?

 もうすでにロンドンが大好きです。イギリス自体初めて来るので「どういう街なんだろう」と思っていましたが、来てみて、本当に最高だなと・・・。街並みもそうですし、つたない英語でも聞いてくれたり、質問を返してくれたりとか、受け入れるという、文化や歴史の背景があると思うんですけどロンドンの方々が優しくてあたたかいんです。劇場で見てくださっている方々の反応であったりを見ていても受け入れてくれる人柄や街並み、全て素敵だな、というふうに感じました。何をとっても良いところしか思い浮かばなくて、絶対また旅行で来るだろうと思うくらい大好きな街になりました。

■上白石萌音(千尋役)

――日本人俳優としてロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ってスタンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか

 浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。お客様達がとても喜んでくださったのが伝わって来て嬉しかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで「ありがとうございました」と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感がせりあがって来てグッときました。毎回そこで感じるものがあります。

――日本とロンドンのお客さんの反応の違いはありますか

 思ったことをそのまま出力してくださる感じがします。すごく楽しみに来てくださっているんだな、というのが伝わってきてうれしいです。客席でお酒を飲んだりポップコーンを食べたりなさっているので、全体の空気感が堅苦しくなくてリラックスしています。同時にすごく演劇へのリスペクトがある、素敵な空間だなと思います。

――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思いますか?

 日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。日本らしさを前面に出したシーンや動きがしっかり受け入れられているのを感じるので、これは私たちだから出来ることなのかな、と思っています。セリフにもたくさん反応があります。母国語ではない言葉で作品を観るのはお客様もエネルギーを使うことだと思いますが、ちゃんと言葉が伝わっているんだな、というのを感じて凄く嬉しいです。この作品には言葉のないシーンも沢山ありますが、そこでは日本で感じるのと同じような集中力や言葉のいらない一体感が共通してあって、「ああ一緒に作っているな」という感じがします。

――カンパニーの皆さんとのロンドンのお稽古はいかがでしたか?

 色々なことが起きましたが、皆で励まし合って、緊張感を高めながらの稽古でした。 知らない土地で長く暮らすとなると寂しさを感じるのかなと思っていましたが、このカンパニーにちゃんと属しているというか、居場所があるのがとても心強いです。あとは、現地スタッフの皆さんとも沢山話をして、お互いに言葉を教え合っています。(ロンドンでも)日本のスタッフの皆さんと変わらない作品への愛を注いでくださって、国も言葉も関係なくワンチームになっているな、と感じながらお稽古していました。

――ロンドン生活での楽しさ、発見は?

 アプリでパッとチケットを取って、演劇を観に行けるのが最高に幸せです。稽古が早く終わった日は当日券を押さえて一人で劇場に行って楽しみました。演劇でアウトプットをして演劇でインプットするという純度の高い生活を送っています。夢のようです。
 
   

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