俳優の長谷川博己が主演を務める「日曜劇場『アンチヒーロー』」(TBS系)で、主人公の同僚で強い正義感を持つ若手弁護士、赤峰柊斗役で出演中の北村匠海がインタビューに応じ、長谷川と8年ぶりに共演する思いや作品の魅力、今後の展望などを語った。
視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか?」を問いかける「弁護士ドラマ」の枠組みを超えた完全オリジナルの連ドラ。「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士、明墨正樹を長谷川が演じる。
そんな明墨に憧れ、明墨法律事務所に入所したのが、北村演じる赤峰だ。明墨は無罪を勝ち取るためなら、被害者の遺族であっても言葉巧みに利用し、証人が抱える障害ですら武器とするような男。そんな彼のやり方に赤峰は「正義とは何なのか?」と考えるようになり、一度は拒絶したが、「君が君の正義を貫くように、私は私の道を突き進む」という明墨のもとで学び、彼が犯罪者を無罪にしようとする目的を見極めていくことを決意した。
――これまでの放送を受けての反響はいかがですか?
「『面白い』という反響が一番多いなと思います。『何が正義なのか』と考えてくれる方はもちろん、ストーリーの全貌が見え隠れしはじめたので、一体誰が本当に悪い人なのか、全員が怪しまれている段階なのかなと。僕としても、純粋にエンターテインメントとして楽しんでくださっている方がたくさんいて、とてもうれしいです」
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――これまでの撮影で印象に残っていることは?
「テレビドラマにしては珍しく、台本が最後のほうまで出来上がっている段階で撮影に入っているので、本作においてはその難しさを感じています。全体を通して感情を出すお芝居は意外と少なくて、事件の説明をするシーンが多いのが本作の特徴の1つ。特に明墨法律事務所での撮影は、1日かけて全員でひたすら何かの説明芝居をしています。大変ではありますが、それをみんなで共有できている日々はとても愛おしいですね」
――NGが出ても和気あいあいとした雰囲気のようですね
「もうNGが出ても仕方ないんです(笑)。セリフそのものというより、視聴者の方々にわかりやすく説明することがとにかく難しくて…。覚えないといけない人名も多いので、『この人が何をやった人で…』という複雑な関係を説明しているうちに頭がこんがらがってしまうんです。みんなが難しいとわかっているからこそ変な緊張感がなくて、誰かがセリフを間違えても笑い合える和やかな撮影現場。第1~3話は特に長谷川さんの難しいセリフが多くて苦戦されていたのですが、そこに対して少しずつ笑える空気感を作り出してくださって、それがその後全員の助けにもなりました」
――肩肘張らないような関係性を作ることができているんですね
「そうですね。それでいてシーンによっては『次は和やかな空気で撮るものじゃないな』という役者としての配慮が全体的に漂います。シリアスな法廷のシーンではそういうお互いの距離感もすごく大事なので、全員が阿吽の呼吸で臨めている感覚があります」