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「自分の課題が出た」オランダ特有のゲーム展開に苦戦も、ブレイク中の佐野航大はさらなる成長を誓う! パリ五輪にも照準「どうにかメンバーに入りたい」【現地発】

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「自分の課題が出た」オランダ特有のゲーム展開に苦戦も、ブレイク中の佐野航大はさらなる成長を誓う! パリ五輪にも照準「どうにかメンバーに入りたい」【現地発】(C)SOCCER DIGEST Web
 オランダリーグ6位のNECは5月6日、敵地でのエクセルシオール戦を3―0で快勝。先発したMF佐野航大は86分までプレー。ベンチスタートのFW小川航基は72分からピッチに立った。

 スコアとは裏腹にNECは16位のチームを相手に苦戦し、これといったチャンスを作れないまま、無得点で60分が過ぎた。ここでゲームの均衡を破ったのが、FWチャロン・チェリーだった。およそ30mの位置から自慢の左足を振り抜くと、ボールは不規則にブレながらゴールネットに突き刺さった。その3分後、エクセルシオールに退場者が出た直後には、チェリーがボレーシュートで追加点を決めてNECは2点差とする。さらに90分、FWロベルト・ゴンザレスのゴールでとどめを刺した。

 試合直後、佐野は「(チェリーの)スーパーゴールが凄かった。(エクセルシオールの守備網を)こじ開けることのできない状態が長く続いていたので、やっぱり一発持っているのは凄いと思います」とこの夜の勝利を振り返った。

 NECが手こずった原因の一つが中盤の嚙み合わせ。エクセルシオールは降格ゾーンにいるとは言え、個々の選手は曲者揃い。なかでもケンゾー・ハウトマインはシーズン終盤にきて自信をつけたMFだ。そのハウトマインとユリアン・バースが組む22歳のボランチコンビに対して、NECはMFのシステムを合わせて佐野とメース・フーデマーカースがマンツーマンでついた。こうして中盤で実力拮抗のMF陣がお互いの力を消し合いながらにらみ合う展開が長く続いた。

「確かにそこはありましたね。10番の選手(ハウトマイン)は上手かった。そういう(両チームのMFが)噛み合ったところからカウンターでころっと(展開をひっくり返して)チャンスになったシーンもありましたが、そこから自分も崩して得点に持っていきたかった」
 
 今季の後半戦、飛躍的な成長を遂げた佐野に、「エクセルシオール戦はスタジアムで観戦した中で一番苦戦していた試合だったと感じた」と私は正直に感想を伝えた。

「そうですね。常にポジション取りを考えながらプレーして、フリーになろうとしたけどなれませんでした。そこで、いかに一瞬で相手を外すとか、相手を背負いながらもプレーするとか、そういうところで自分の課題が結構出た試合でした」

 ほとんどのチームが4-3-3フォーメーションを採用するオランダでは、中盤が相殺し合ってゲームが動かないことがよく起こる。

「確かにそういうのが多い気がしますね。最近、自分のところがそうなるのが多いと感じるので、そこで味方を使いながら外していくかを考えながらやらないと、やっぱり(敵に)食われると感じます」

 そこで打開して前にボールを運べたら、他のリーグより大きなスペースが生まれるのがオランダリーグの特徴である。若かりし日の本田圭佑(元VVV)も、タイトなマークを外してからスペースを得るコツを掴んだことで一気に成長を遂げた選手だった。エクセルシオール戦の展開は、今後も佐野がオランダリーグで頻繁に起こりえること。この試合を今後の飛躍に繋がるヒントにしたいところだ。
【動画】首位PSV戦でNEC佐野航大が決めた勝ち越し弾!
 NECはKNVBカップ決勝でフェイエノールトに0―1で惜敗した直後のリーグ戦で、AZに0―3で完敗してしまった。

「カップ戦の結果は残念で、本当に悔しかった。でも、リーグでも好位置にいるのは事実なので、チームとしても切り替えてAZ戦でも勝ちたかったんですけど…。だから今日のゲームで勝ち切って、しかも3点を取って無失点で終えたということはでかい。チームとしてここから乗っていけるようなゲームができたと思います」

 AZ戦でチームが崩れた一因について佐野は、KNVBカップ決勝戦で負けたショックを引きずらず「切り替えよう、切り替えようと恐らく意識しすぎて(切り替えられなかった)」のだと話す。決勝戦で負けたフェイエノールトとは次節、リーグ戦の舞台で戦う。

「前回の反省も含めて、個人としてももっと成長した姿を見せたい。難しい試合になるのは間違いない。フェイエノールトを相手にゴール、アシストできれば良いと思います」
 
 U-23アジアカップは佐野も見続けていたという。

「やっぱりアジアは難しいと感じました。そのなかで優勝したのはさすがだな、凄いなと思いました」

 これまでもパリ五輪への思いを佐野は語っていた。改めてエクセルシオール戦後、そのことを訊いてみた。

「そこはもう自分がコントロールできる次元の話ではないですが、どうにかメンバーに入りたい。やることをやって、チームで結果を残した上で、あとは呼ばれるか、呼ばれないか。 目の前の試合に集中して、練習から集中してやるだけです。ここから18人という狭き門になっていく。でも、自分がそこに入れないと決まったわけでもないので、試合で頑張ってアピールしたい。そのためにも絶対にチームで結果を残さないといけない」

 大舞台は選手の品評会でもある。佐野がNECに移籍したきっかけの一つがU-20ワールドカップの活躍だった。佐野に限らず、ステップアップリーグのオランダでプレーする若獅子たちは、18人の椅子をなんとか得ようと目を輝かせている。

取材・文●中田 徹

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