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体重317キロ超、オムツで母に8年介護されていた33歳男性 臓器不全で死亡(英)

Techinsight

イギリスで最も体重が重いことで知られていたジェイソン・ホルトンさん(Jason Holton、33)が先月27日、サリー州の病院で亡くなったことが明らかになった。34歳の誕生日を1週間後に控えての悲劇だった。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。

英南東部サリー州出身で体重317キロ超(50ストーン)と肥満で苦しんでいたジェイソン・ホルトンさんが先月、体調不良を訴え、駆けつけた消防隊員6人によってロイヤル・サリー州病院に搬送された。

ジェイソンさんには当時、透析治療と点滴が施されたものの、腎臓が機能していない状態で、医師は本人と母レイサさん(Leisa、55)の前で「このままだと臓器不全で、1週間以内に死亡する」と告げたという。

ジェイソンさんと一緒に暮らして介護を続けてきたレイサさんは、当時のことをこのように振り返った。

「実はあの子はこれまで、8度くらい命の危機があってね。そのたびに救われてきたの。だから今回も『医師が救ってくれる』と思っていて、息子は酷く動揺していたわ。そうして容体は徐々に悪化し、先月27日に逝ってしまったのよ。」

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ジェイソンさんの体重が増え始めたのは10代の頃で、学校でいじめを受け、母の陰に隠れて過食をすることで心の平静を保っていたという。また3歳の時に父が亡くなり、母に甘やかされて育ったことも影響したようで、13歳でファストフードとタバコを始め、16歳の時にはメンタルヘルスの問題を抱えていたそうだ。また10代後半になるとテイクアウトの食事にはまり、20代後半には一日の摂取カロリーが1万を超える食事をするようになっていた。

そんなジェイソンさんが「イギリスで最も体重が重い人物」として知られるようになったのは、25歳だった2015年6月のことで、体重412キロ超(65ストーン)のカール・トンプソンさん(Carl Thompson)が死亡したことがきっかけだった。さらに2020年には、肥満による命の危険を感じて救急車を要請し、アパート3階の窓からクレーンで吊り上げて救出されて話題となった

ジェイソンさんは少なくとも8年間は外出することがなかったそうで、肥満者用に補強された市営のアパートの一室でオムツをつけて食事をし、音楽を聴く、テレビを見る、ゲームをする、タバコを吸うといった生活を続けてきた。歩くことはできず、心臓を拍動させ血圧を安定させるための薬が必要で、股間や脚にできたリンパ浮腫に苦しみ、レイサさんの介護を頼りに生きてきた。

また睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を患っていたため、夜は専用のマスクを装着せねばならず、ここ数年は敗血症、臓器不全、血栓、呼吸不全、脳卒中で何度か瀕死の状態に陥っていた。それでもタバコは止めず、エナジードリンク「モンスター」を15本一気に飲むこともあったそうで、昨年10月のインタビューでは「最も重い時の体重は365キロだった。今の体重は298キロ(47ストーン)で、肥満度の指標のBMIは通常の3倍以上の89.1。体重は減らないよ」と明かし、こう訴えていた。

自分が生き抜く最後の希望は、注射するタイプの肥満治療薬、ウゴービ(セマグルチド)だ。ただ、この薬は国民保健サービス(NHS)を通しての入手が困難で、僕の時間は限られている。政府はどうか、僕のような重症の肥満患者が優先的に薬を入手できるようにして欲しい。6週間でもいいから、薬を試してみたいんだ。」

「そうしてもう一度、外に出てみたい。外を歩くだけでいい。人がたくさんいるところに行って歩いてみたいね。ただ普通の生活をしたいんだ。」

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