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楽天・西垣雅矢 悩める日々も己と向き合い/いぶし銀の輝き

週刊ベースボールONLINE


西垣雅矢

 4月21日の西武戦(ベルーナ)。1点リードの9回、五番手でマウンドに上がったのは西垣雅矢だった。先頭の外崎修汰に四球を与えると、代走の高松渡に二盗を許した末、右犠飛で一死三塁のピンチを背負った。

 昨年、一時はイップスに悩まされた右腕だが、堂々と相手打者に立ち向かった。「想像どおりの心境だったと思うので、もう腕を振るしかないなと。がむしゃらに腕を振った」。中村剛也を三飛に仕留めると、最後は佐藤龍世を三ゴロに封じた。1回を無失点で抑えると、プロ初セーブをマーク。思わず右手を握りしめて喜んだ西垣は「うれしかったというより、ホッとしました」と噛み締めた。

 2年目の昨季、一軍でわずか1試合の登板に終わった。4月12日のオリックス戦(楽天モバイル)で、頭部死球で危険球退場となると、イップスを発症。さらに5月以降は、右肩付近の違和感にも苦しんだ。7月には「胸部出口症候群」と診断された。毛細血管や神経などが圧迫され、痛みやしびれにも悩まされた。

 それでも、下を向かなかった。「悲観せず、人のことよりも、自分にフォーカスしたい」とリハビリに集中。11月には、台湾で行われたアジア・ウィンターリーグに参加。不慣れな地で己と向き合い、懸命に腕を振った。

 初セーブをマークした西垣について、今江敏晃監督は「西垣がこれを経験出来たのも、僕らにとって大きい」と目を細めた。まだ成長途上だが、中継ぎ陣で欠かせない存在になりつつある。

 5月5日の時点で、11試合に登板して1勝2敗1セーブ、防御率4.35。制球力も含めて課題は残すが、150キロ超の直球は威力十分。落差の大きいフォークとスライダーも魅力の右腕は、確かな輝きを放っている。

写真=BBM
 
   

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