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妻夫木聡「1シーン1シーンを噛みしめて演じた」

ジェイタメ

5月5日、東京・六本木のテレビ東京本社にて、今夜(5/6)放送される妻夫木聡・渡辺謙主演ドラマ【テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」】の記者会見が行われ、人生に悩む医者・佐倉陸役の妻夫木、余命宣告を受けている患者・成瀬翔役の渡辺に加え、成瀬の初恋の人・中野百合役の原田知世、研修医・吉岡薫役の杉野遥亮、看護師・菅田陽子役の大政絢といった豪華キャストが登壇。後半にはドラマの脚本を手掛けた脚本家・北川悦吏子も駆け付け、作品への思いなどを語った。

■“テレ東とは思えない”豪華出演者集結!
会見冒頭の挨拶で祖父江里奈プロデューサー曰く、この企画は2年前から始まったといい、全く面識がなかった北川悦吏子に60周年ドラマを依頼したところ、デビューがテレビ東京だったという縁が発覚。また自身も難病を抱えている北川が長年の闘病生活から得た経験や思いを込めた作品を作りたいとの言葉に驚き、「そんな作品をテレビ東京に預けて頂けるのかと震える思いがした」。普段映画で活躍している廣木監督も「“人の生き死にを扱うというテーマをテレビでやることに興味を持った”ということで受けて下さった」という本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が、人は何のために生き、何を残すのかという永遠の問いの答えを求めながら各地を巡るヒューマンドラマ。「テレ東とは思えない素晴らしい出演者に集まっていただいた」「テレ東が総力をあげてお届けする」とプロデューサー自ら熱く語った。
会見に臨んだキャスト陣は人工芝が敷かれたステージに、椅子はウッドチェアという、ドラマ内で描かれるキャンプシーンをイメージしたセットということもあり、終始和やかなリラックスムードに。
「テレ東60周年特別企画ドラマ出演にあたっての意気込みは?」という問いに、妻夫木は「命というものを題材にしたテーマで素晴らしいキャスト・脚本家・監督を企画するもなかなか勇気がいることだったと思う」と振り返り、「やってもらえる機会を与えてくださって本当に感謝」と述べた。また渡辺は以前テレ東の「壬生義士伝 新選組でいちばん強かった男」に出演した際のエピソードを披露。実は別の企画でのオファーだったが「長編ドラマをやるんだったら、浅田(次郎)さんのこの作品しかない」と伝えたところ、その企画が通ったという。「そういうフレキシビリティある会社なんだなと。今回も『ヤバイ題材じゃないか』思ったけど、テレ東しかできない企画だな」と思ったという。

≪キャストコメント(一部抜粋)≫
妻夫木:命というものを題材にしたテーマで素晴らしいキャストの方々、素晴らしい脚本家の北川さん、素晴らしい監督の廣木隆一さんを迎えて、スペシャルドラマを企画するのもなかなか勇気がいることだったと思うんですが、今回、演じる機会を与えてくださったことに本当に感謝していますし、テレビ東京さんだからこそできた企画だったんだろうなと思っています。

渡辺:僕が(テレ東で)初めて「壬生義士伝 新選組でいちばん強かった男」というドラマをやらせていただいたときに、最初、別の企画でお話をいただいたんです。でも「長編ドラマをやるんだったら、浅田(次郎)さんのこの作品しかない」って言ったら、その企画が通っちゃったんですよ。だからやっぱりそういうフレキシビリティある会社なんだなと。今回も「ヤバイ題材じゃないか」とちょっと思ったんですけど、やっぱりテレ東しかできない企画だなというふうに思いましたね。ここまでストレートに死んでいく姿、それをどう看取るかみたいな話はなかなか描けないと思うので。それはテレ東さんありがとうっていう感じです。

原田:今回こんな大きな周年の素晴らしいキャスト、そして北川さんの作品で、呼んでいただけて本当にありがたいと思いましたし、こういう作品に自分が一部として残していけることをすごく幸せに思いました。ありがとうございました。

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杉野:僕がオファーをいただいたときに、妻夫木さんと渡辺さんのお名前を拝見して「やったー!」と思いました。やっぱり「嬉しいな、こういうところに呼んでいただけて」と。原田さんがおっしゃったように自分もこの一員として作品に残っていけるのはすごくありがたいことですし、自分も自分の仕事をやっていく上で経験できるものとか見えるものとか、できるだけ吸収したいなと思いました。

大政:以前ドラマや動物番組をやらせて頂いて、テレビ東京さんはすごく自由で温かいっていうイメージが大きいです。今回は今までとはまた違った雰囲気で挑まさせていただいたというか。おふたり(原田さん・杉野さん)もおっしゃっていたように、この素晴らしい作品に携わらせていただいたことがとても嬉しく思っております。

■脚本を手掛けた北川悦吏子登場!20年ぶり妻夫木の変化は?渡辺への出演オファーは脅迫!? 2人への思い語る
さらに会場には、脚本を担当した脚本家・北川悦吏子が登場。妻夫木は北川が登壇した途端満面の笑みに。この2人といえば、ドラマ「オレンジデイズ」(TBS)以来20年ぶりのタッグも話題に。放送が2004年なのでぴったり20年と聞いた妻夫木は「怖いですねー(笑)」と時間の経過に驚き。また北川は、人の本質はずっと変わらないものと述べた上で、前日に完成した作品を見返して、年を重ねたことで良さが浮き彫りになったと言う。「すごくピュアな感じとか優しい感じとか、「オレンジデイズ」は24歳だったからイケメンに紛れて(笑)隠れてしまっていた良さが、年を重ねたことで見えることもあるんだなと思った」と20年前と今の妻夫木との違いを赤裸々に語り、妻夫木は「光栄です」「(20年ぶり)にご一緒できてよかった」と感慨深げ。北川脚本は「事実だけではなく、その裏に隠された大事な言葉にならない何かを確実に書いて下さっている。背景にある人間にとって大事なものを書いてくださる1シーン1シーンを噛みしめて演じた」という。
今作が初タッグとなった渡辺は、何度もオファーを断ったものの北川の猛アプローチによって実現。渡辺は会見前日にメールを探ったといい、当時の感情のままに綴った出演を決意するまでのやりとりを回顧。「僕は今の思いを長文で丁寧に書いたつもりだったのに、その3倍の(文字量の)メールが返って来て、P.S.(追伸)もダ―――っと」という状況に困ったなと、もう1回お断りのメールを送ったところ「リングのコーナーに追い詰められるような」返信が。その執念に観念したのか「3回目でノックダウンしました(笑)」。「(渡辺謙さんが演じると)想定して書いちゃったので…」と弁明する北川に、「脅迫じゃないですか!」と渡辺がツッコむ一幕も。また役自体も病と向き合っている北川の気持ちを代弁してるような役で、「何て言うかな…降りてきましたよね、北川悦吏子が」と演じた際の心情を明かした。

■共演者が語る北川脚本の魅力
共演者からも、最初に脚本を読んだ際の感想が。原田は、北川脚本が今回4作品目となるが、これまでとは少し違うテイストの作品だと感じたという。ラブストーリーの名手のらしさが出てるシーンの出演ではあったが、渡辺演じる成瀬との再会シーンが酸っぱさ・大人になったからこその優しさ・相手を愛おしく思う気持ちが共存していたといい、「今までのラブストーリーではあまり見たことないシーン」だと感じながら演じたという。渡辺も「北川さんがすごいなと思ったのは本当に“時をかける少女”じゃないですか。いまだに顔を見た瞬間に高校時代に戻れる感じだった」と少女らしさが残る脚本と演技を絶賛した。
「美しく芸術的な脚本に気を引き締めなくては」と感じた杉野は、「何回も何回も読みこんでやらないと、ちゃんと理解できないなとか、いろんな角度で見えてこない感じだった」と回想。また印象的な駅のシーンでは、妻夫木のセリフがいい言葉ゆえ力が入ってしまったといい、撮影前日に「もう少しコミュニケーションを取りたい」と妻夫木の部屋を訪ねたという、杉野の真摯な姿勢が垣間見えるエピソードが、妻夫木の口から語られた。その様子から誠実さと不器用さを北川から指摘された杉野は、「生きづらいなぁと思ってた」と笑う。
脚本を読んで涙を流したという大政は、「涙の中にもいろんな感情を貰った気がする」「悩んでる人に突き刺さるメッセージがたくさんあって、台本だけ見てると“心に留めてずっと持ってたい”と思うが、セリフに乗ってドラマを見てみると、そのセリフが重たすぎず、軽やかに心に入ってくれて、見終わったあとに温かい気持ちになった」と率直な思いを口にすると、北川は「すごい」と一言。「デビューから”切実だけど重くない”がずっとテーマだった」と、大政の理解力に驚いた。

■「記憶に残るウィンナー」!?杉野がうらやむバイクシーンに妻夫木「大変だった!」と反論!?注目シーン撮影秘話続々
注目のシーンを尋ねられると、北川からあがったのが、妻夫木と渡辺がおいしそうにウィンナーを食べるシーン。事前に妻夫木が渡辺のもとを訪ねキャンプなどして、そのシーンを大切にしてくれたと感謝。実際ウィンナーもすごくおいしかったようで、極寒のロケではあったが「記憶に残るウィンナーでした(笑)」と渡辺は振り返った。杉野は妻夫木と渡辺のバイクシーンを「気持ちよさそうだなぁ」と思いながら見たとうらやむが、妻夫木は「(心情的には)全然気持ちよくなかった!!」と反論。練習して撮影に臨んだものの久々の運転で後ろには大先輩・渡辺が。しかも小さめのバイクだったようで、渡辺も足を折りたたみながらの乗車に。少しだけ走りあとは代わりの人が乗るかと思いきや全部妻夫木の運転で撮影が行われ、「けっこう緊張しました」と笑顔溢れる走行シーンとは裏腹の撮影秘話を語った。

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