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【大学野球】「慶應さんの底力を見せつけられた」 2017年春以来のV奪還へあとがない状況が続く立大

週刊ベースボールONLINE

「最後のアウトを取るまでが難しい」



立大は2点リードで9回裏の守りも、慶大に追いつかれドローとなった[写真=菅原淳]

【5月5日】東京六大学リーグ戦(神宮)
慶大4-4立大(慶大1勝1分)
※連盟規定により9回打ち切り

 立大は2018年秋の2回戦を最後に、慶大に勝てず、この春も1回戦を0対2で落とした。4引き分けを挟んで20連敗中である。

 迎えた2回戦。立大は1回表に3連打で1点を先制すると、さらに犠飛で2点目。だが、5回裏に2本の適時打で同点に追いつかれる。2対2のまま8回を終え、残り1イニングである。この日はプロ併用日のため、9回打ち切りという連盟規定があった。

 引き分けもちらつく中、立大は9回表二死走者なしから西川侑志(3年・神戸国際大付高)が勝ち越しソロ(リーグ戦初本塁打)。さらに、菅谷真之介(4年・市船橋高)の右前打の後、戸丸秦吾(4年・健大高崎高)の適時二塁打でリードを2点に広げた。


2対2の9回表。立大は西川がリーグ戦初本塁打となる勝ち越しソロを左翼席へ。さらに1点を加え、逃げ切るかと思われたが……[写真=菅原淳]

 6回から二番手で救援していた沖政宗(4年・磐城高)が9回裏のマウンドに立った。3イニングを1安打に抑えており、このまま逃げ切るかと思われたが……。三塁ベンチの木村泰雄監督も「迷わず、沖に『頼む』と。低めにボールが集まっており、変わったところはなかった。球威も問題なかった」とリリーフエースに託した。だが、一死から代打・今津慶介(2年・旭川東高)に中前打。次打者を抑えてあと1人。だが、続く佐藤駿(4年・慶應義塾高)の右中間三塁打で1点差とされる。なおも代打・渡辺憩(1年・慶應義塾高)の三塁線を抜ける二塁打で、土壇場で追いつかれた。三番手の右腕・吉野蓮(3年・仙台育英高)が次打者を抑え、4対4で、2時間33分の激闘に終止符が打たれた。

 木村監督は「慶應さんの底力を見せつけられた。最後のアウトを取るまでが難しい」と振り返った。敵将の慶大・堀井監督は韮山高の同級生である。「昔から粘り強かった。練習もコツコツ。そういう積み重ねも、あるのかと思います。堀井監督のさい配。代打を出したのが、最後のポイントだったのかなと思います」。立大の1敗1分。勝ち点(2勝先勝)奪取へ、3回戦は必勝態勢を敷いていかなければならない。木村監督は決意を込めた。

「一つ勝たないと、次はないので、明日も総力戦。最後のアウトを取って、勝ちます」

 最終回に追いついた慶大・堀井監督は、価値ある引き分けも「ドローはドローですね……」と表情を引き締め「(立大は)チーム力が充実している。3回戦も良い試合をしたい」と警戒感を強める。立大は開幕から早大、法大と勝ち点を落としており、2017年春以来のV奪還へは、あとがない状況が続く。3回戦で対慶大との連敗を20で阻止し、是が非でも1勝1敗1分として、4回戦へ持ち込む。

文=岡本朋祐
 
   

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