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長谷川博己“明墨”、北村匠海“赤峰”に無罪よりも大切なことを気付かせることを選ぶ<アンチヒーロー>

WEBザテレビジョン

長谷川博己主演の日曜劇場「アンチヒーロー」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第3話「Episode3 -過去-」が4月28日に放送された。同ドラマは、長谷川が7年ぶりに日曜劇場で主演を務める、日本の司法組織を舞台とした“逆転パラドックスエンターテインメント”。「正義の反対は、本当に悪なのだろうか」ということを視聴者に問い掛け、スピーディーな展開で次々と常識を覆していく。第3話は、弁護士の明墨(長谷川)が、政治家の息子の暴力事件を弁護する。(以下、ネタバレを含みます)

■“アンチ”な弁護士を演じる長谷川博己をはじめ、個性派俳優が大集結

長谷川は「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士を演じ、主人公と同じ法律事務所で働く同僚弁護士役で北村匠海と堀田真由、パラリーガル役で大島優子、東京地方検察庁の検察官役で木村佳乃、検事正役で野村萬斎が出演。

さらに、7作目の日曜劇場出演となる相島一之、「小さな巨人」(2017年)にて長谷川と共演歴のある神野三鈴のほか、小松利昌、近藤公園、松角洋平、馬渕英里何、宮尾俊太郎、山本浩司、吉永秀平と名バイプレイヤーが集結。

また、林泰文、安藤彰則、井上肇、内村遥、河内大和、迫田孝也、須田邦裕、砂田桃子、高木勝也、谷田歩、珠城りょう、馬場徹、和田聰宏、渡辺邦斗が「VIVANT」(2023年)以来の日曜劇場出演となる。

そのほか、近藤華、山下幸輝、渡邊圭祐、沢村玲、十文字陽菜、田中真琴、搗宮姫奈、諸星すみれといった若手俳優陣や、各方面で活躍中の朝夏まなと、一ノ瀬ワタル、s**t kingz・小栗基裕、田島亮、浪川大輔、早見あかり、前原瑞樹、水野勝が日曜劇場に初出演。

主題歌は、今春デビュー5周年を迎えたmiletの「hanataba」。メインテーマは、「ソードアート・オンライン」シリーズや「鬼滅の刃」シリーズの劇伴を手掛け、海外でも高い評価を得ている作曲家・梶浦由記が担当。

■町工場での事件の裁判で、赤峰は明墨への不信感を募らせた

町工場で起きた殺人事件の被告人・緋山啓太(岩田剛典)の弁護を担当した明墨。見事、“無罪”を勝ち取ったが、その後、赤峰(北村)は緋山が血のついたシャツなどを捨てるのを目撃してしまう。明墨は彼が“無実”ではないことを知っていたはず。弁護士として正義感の強い赤峰は、これによって明墨への不信感を募らせることに。

そして、次に明墨が弁護を担当するのは、政治家の息子が起こした暴力事件だった。


■検察側が提出する証拠を今回も次々と覆す明墨

富田正一郎(田島)は、クラブで居合わせた常連客の工藤(宮尾)ともめ事を起こし、クラブを出たところで暴行したということで罪に問われている。富田が今回明墨が弁護する被告人。

検察の緑川(木村)は、暴行されたときに工藤自身が富田の顔を目視していたこと、2人がクラブの中で口論となっていて、それを第一発見者となった人物が目撃していたこと、それをもとに起訴に至ったと冒頭陳述で伝えた。

しかし、明墨は富田の無罪を主張する。犯行時刻に富田は友人からの電話を受けて、店の外で待っていたその友人の車に乗って帰ったという“アリバイ”があるという。

さらに明墨は、事件の現場となったクラブの店長や常連客から、普段から工藤がかなりのトラブルメーカーだったという証言を得るなどして、揺さぶりをかけ、事件当日を再現したVTRを提出して、工藤の証言の不確かさを主張し、次々と検察側の証言や証拠を覆していった。

■正義感を振りかざす赤峰を、明墨が正論で一蹴

以前であれば、明墨の鮮やかな手法に赤峰も感心していたかもしれないが、不信感を募らせている彼は「先生は、また犯罪者を無罪にするんですか?」とかみつき、クラブの店長の証言は買収して得たものだと決めつけた。

富田が無罪ではないと赤峰が思うのには、明墨への不信感のほかにも理由があった。以前、赤峰は富田が関わった事件を担当したことがあり、その時も政治家である父親がもみ消してしまい、他の人に罪がなすり付けられたという過去があったから。

正義感を振りかざす赤峰を、明墨は「裁判の結果こそが依頼人の人生を左右する。だからこそ、われわれ弁護士は己の人生を懸けて裁判に勝たなければならないんだ。君には、その覚悟と力がなかっただけだ」と正論で一蹴。

その明墨の言葉と態度が、赤峰に火を付けた。富田が罪を犯した証拠を探すために駆け回り、事件現場近くに停まっていたトラックを突き止めて、ドライブレコーダーの映像を入手するところまで行った。

しかし、すでに明墨がその映像を回収しており、しかもその映像には富田が友人の車に乗り込む姿が映っており、富田の無罪を証明する証拠となった。

明墨は赤峰に、第一発見者が富田に罪をなすり付けているという仮説を伝える。そして、富田の犯行だと決めつけている赤峰に、「個人への恨みから、その人間を有罪に持ってこようとする。君がやっていることは犯罪者と何も変わらないんだよ。冤罪(えんざい)を生むのはそういう人間だぞ」と言い放つ。

■依頼者を無罪にせず、親子ともども罪を償わせる方向に

今回も町工場の事件と同じような展開になって、富田が無罪となるのか。そう思っていたが、今回はそうではなかった。実は、赤峰が見たトラックのドライブレコーダーの映像は差し代わったもので、本当の映像には富田が車にやってくる姿は映ってなかった。

そして、富田の父親の秘書がトラックのドライブレコーダーを証拠として提出しないように買収している映像が法廷で映し出された。

「まさか被告人が父親と示し合わせて罪を隠蔽(いんぺい)しようとしてたなんて」と、明墨は驚くそぶりを見せ、検察側が提出した本物の映像証拠に反論せず、受け入れた。それによって富田は罪が確定し、父親の不正も世に出ることとなった。

殺人を犯した被告人を無罪にした明墨が、今回は依頼人の利益を守らず、親子ともども罪を暴く結果になった。ここから、「どんな依頼人も無罪にする」ということを曲げてでも、正義感で周囲が見えなくなってしまった赤峰に「思い込みや私情で突っ走るな」と警告し、諭しているようにも見え、明墨の違う一面が見えたような気がした。

SNSにも「いきなりパターンが崩れた。今度が楽しみ」「明墨先生が、本当に出来る弁護士だということを再確認」「明墨先生への見方が変わった」といった、驚きの声があふれていた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

 
   

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