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【NHKマイルC】本命ボンドガール、新馬戦で見せた衝撃の末脚をもう一度 穴は東スポ杯覇者シュトラウス

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【NHKマイルC】本命ボンドガール、新馬戦で見せた衝撃の末脚をもう一度 穴は東スポ杯覇者シュトラウス(C)SPAIA

能力値1~5位の紹介


【能力値1位 ジャンタルマンタル】
皐月賞3着馬。前走は8番枠から好スタートを切るとハナ争いに加わり、最終的にやや離れた3番手の外を追走した。

道中は前のメイショウタバルが飛ばしていく中で、離れた3番手で3角へ。3~4角ではじわっと仕掛けて、4角出口でメイショウタバルを捉えて先頭に立つ。直線序盤ではしぶとく伸びて2馬身差、ラスト1Fでさらに差を広げにかかったが、最後は外の2頭に差されてクビ+半馬身差の3着だった。

皐月賞の週は雨に見舞われた前週から一気に高速化しており、前日は芝の4レース中2レースで逃げ切りが決まり、当日も直前に行われたドゥラメンテCで逃げ切りが決まるなど、とにかく1~2番手馬の活躍が目立っていた。

この傾向から、メイショウタバルは先手を主張しようとするシリウスコルトやアレグロブリランテを制してまで逃げを選択したものと見ているが、5F通過57秒5はさすがに速い。相当な快速モンスターでないと逃げ切れるペースではなかった。

結果的にやや離れた3番手のジャンタルマンタルの位置でも苦しく、それを思えばかなり強い内容だった。しかし、皐月賞で本馬のようなレース内容だと、NHKマイルCでは案外と期待に応えられないことが多い。

たとえば、2005年の朝日杯FS勝ち馬フサイチリシャールがその一頭。皐月賞では速い流れを2番手追走から4角先頭で押し切りを図り、結果は5着も0秒6差と好走。次走のNHKマイルCでは1番人気に支持されたが、6着に敗れている。

フサイチリシャールが凡走した理由としては、皐月賞でがんばり過ぎて余力がなかったことが考えられる。また、このタイプは朝日杯FS勝ちの実績からマイルがベストのように映るが、皐月賞を先行して好走するタイプはトゥザワールド(2014年2着)やキタサンブラック(2015年3着)、タイトルホルダー(2021年2着)のように中長距離で花開く馬が多い。

つまり、ジャンタルマンタルも昨年の朝日杯FSは相手がそこまで強くなかったことや、馬場がタフだったこともあってこなしているが、超高速馬場でスピードが要求されるマイル戦はベストな条件ではない可能性が高いということ。前走で見せた能力の高さから軽視できないが、過信も禁物だ。

【能力値2位 アスコリピチェーノ】
桜花賞2着馬。前走は9番枠からやや出遅れ、そこから軽く押して中団の外目を追走した。

道中はステレンボッシュのすぐ外を進め、3~4角でも中団外々。4角出口では大外へ。序盤で追い出されたが、ひとつ内をうまく立ち回っていたステレンボッシュに前に出られ、1列後ろの2列目。ラスト1Fではじわっと伸びたが、ステレンボッシュとの差はあまり詰まらず。むしろ外からライトバックに迫られ、何とかクビ差で振り切った。

前走では昨年暮れの阪神JFでクビ差先着したステレンボッシュに逆転を許し、3/4馬身差をつけられる形になったが、これは同馬よりも前の位置を取り切れなかったことや、ややロスの大きい競馬になったことも影響していると見ている。

本馬は一線級相手だとキレる脚が使えないので、ここでは末脚型の馬たちよりも前の位置でレースを進めたいところ。それなら十分チャンスはあるはず。また、末脚型の馬たちよりも多少後ろからになったとしても、息の長い脚が使えるので、大崩れすることはないと見ている。重い印を打ちたい馬だ。

【能力値3位 ダノンマッキンリー】
前走でファルコンSを勝利。15番枠から出遅れたが、リズム重視で後方を追走。道中では位置を押し上げず、後方3列目の外で3角へ。

3~4角では前のスペースを潰しながら4角で外に誘導すると、直線序盤で後方からすっと伸びて一気に2列目付近まで上がった。ラスト1Fの時点で先頭のオーキッドロマンスとは1馬身半の差があったが、ラスト1Fで同馬を捉えて半馬身差で勝利した。

今年のファルコンSは平均ペースだったが、ラスト2Fで見せた末脚は一頭だけ違うもの。上がり3Fタイム2位の馬を0秒5も上回る上がり最速で優勝しており、ここへ来て地力をつけた感がある。

初めての1600m戦となった昨年の朝日杯FSでは8着に敗れているが、この時はスタート後に内の馬と接触する場面があった。それでも楽に先行していたが、窮屈になって折り合いにはかなり苦労していた。直線序盤で2列目まで上がったが、ラスト1Fでは苦しくなって敗れている。

前走は芝1400mでレースがそれなりに流れたことで折り合いがついた面があるので、今回はペースが遅いと折り合いを欠く可能性があるが、流れる展開になればチャンスはある。

【能力値4位 ボンドガール】
NZTの2着馬。3番枠からスタートはまずまずだったが、二の脚が速く楽に先行。そこからコントロールしながらじわっと下げ、2列目の内で我慢させた。

やや掛かり気味だったが、意識的に位置を下げて、前にスペースを作る。3~4角でもそのスペースを維持し、4角でじわっと詰めてスピードに乗せながら直線で最内へ。序盤はスムーズに内を追われたが、先頭のユキノロイヤルがしぶとく、まだクビ差の2番手。ラスト1Fで同馬を競り落としたが、外からエコロブルームに差されて3/4馬身差の2着に終わった。

昨年6月、東京芝1600mの新馬戦ではチェルヴィニアやコラソンビート、キャットファイト、そして今回出走してくるマスクオールウィンといった後の活躍馬たちを相手に勝利した馬。この新馬戦では2列目の最内でレースを進め、最後の直線序盤では進路がなく、ラスト2Fで追い出される形になったが、ラスト2F11秒0-11秒1の流れを差し切って勝利している。

新馬戦でマークした上がり3Fは33秒0。これは同日に行われた安田記念でシュネルマイスターが記録した32秒8、ホンコンジョッキークラブT(2勝クラス)でドゥレッツァ(後の菊花賞馬)が記録した32秒7には劣るものの、同日の東京芝ではその2頭に続く堂々の3位。ここで見せた素質を考えると、近2走の2着は物足りないようにも映る。

しかし、前々走のサウジアラビアRCは前半3Fのペースが速く、3~4角でペースダウンする展開。その流れを3番枠から出遅れ、前半から掛かり気味になりながら中団中目まで押し上げ、3~4角では我慢を強いられるなど、レースの流れと噛み合っていなかった。

前走もスタミナが不足しがちな長期休養明け、かつ馬場がタフだった影響から末脚不発に終わった面もある。今回は叩かれての上積みが見込め、キャリアも3戦と浅いだけにまだまだ伸びしろもあるはず。末脚勝負なら好走が期待できる。今回の本命候補としたい。

【能力値5位タイ ノーブルロジャー】
デビュー2戦目でシンザン記念を勝利した素質馬。同レースでは5番枠からやや出遅れ、そこから促されてはいたが進みが悪く、徐々に下がって中団馬群のやや後方中目から進めた。

3角手前でペースが落ちると、ここで馬群の狭い間から徐々に押し上げて3角へ。3~4角でも中団外目で我慢させ、4角で外に誘導すると3列目付近で直線へ。序盤で大外に誘導し、しぶとく伸びて先頭列。ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

当時の1回京都の芝は開幕週から時計が掛かっており、シンザン記念当日もタフな馬場。ペースも前後半4F46秒4-48秒1とかなり速く、全てがタフだったことから、前走の毎日杯ではレース間隔を開けてもさすがにダメージが出ると見ていた。

しかし、メイショウタバルには6馬身離されたものの、直線では一度前に出られたベラジオボンドを差し返してクビ差の2着はそれなりに評価できる。大きく崩れなかったのは、地力をつけているのだろう。この馬もキャリア3戦とあって、さらなる伸びしろを警戒したい。

【能力値5位タイ ディスペランツァ】
デビュー2戦目の未勝利戦(阪神芝2000m)では、後のプリンシパルS2着馬メリオーレムを撃破。デビュー3戦目の京都2歳S、続くホープフルSと重賞ではクラスの壁にぶつかったような成績に終わったが、前々走の1勝クラス戦で転機が訪れる。デビューから一貫して芝2000mを使われていた馬が、1600mに距離短縮して勝利したのだ。

すると、続戦したアーリントンCで初重賞制覇を達成。前走は3番枠から五分のスタートを切り、促してもあまり進まず位置を下げ、中団内目からの追走に。かなりのスローペースだったが、我慢して前にスペースを作った。

3~4角で前のシヴァースが中目に誘導すると、同じようにスペースを潰して中目へ。直線序盤ではそのひとつ外、チャンネルトンネルの後ろからさらに外へ誘導した。ラスト1Fでもしぶとく伸び、あと50mのところでチャンネルトンネルらを一気に捉え、半馬身差で勝利した。

芝1600mでは2戦2勝。前走はシヴァースら内目の馬が直線で詰まったのに対し、本馬は鞍上に上手く外に誘導されてスムーズな競馬ができた。あれ以上の競馬を求められると微妙な面もあるが、結果的にはデビュー当初は適性と異なる条件を使われていたことになる。このタイプは若い時期に無理をしていないので、芝のマイルで伸びしろが見込めそうなだけに要警戒だ。

【能力値5位タイ ユキノロイヤル】
NZTの3着馬。4番枠からまずまずのスタートだったが、じわっと進めてハナを主張。内のボンドガールが抑えたので楽に先頭に立ち、道中もゆったりと進めていたが、4角手前で外からキャプテンシーがじわっと上がってきたので、そこから淡々とペースを引き上げて先頭を維持した。

しかし、直線序盤ではボンドガールにアタマ差まで詰められてしまう。ラスト1Fでも踏ん張っていたが、外からエコロブルームに差され、内からボンドガールにもかわされてアタマ差の3着という内容だった。

前々走の1勝クラスでも2番手から粘って勝利しているように、前に行ってしぶとさを生かしてこその馬。前走は同型馬不在でペースが速くならなかったことも向き、馬場が悪化した状況下で馬場の良いところをチョイスしながら走ることができた。ところが、今回は同型馬のキャプテンシーが内にいるため楽に前には行けないはず。ここへ来て地力をつけているのは確かだが、評価を下げたい。

【能力値5位タイ チャンネルトンネル】
昨年11月に新馬戦を勝ち、2戦目のジュニアCでも2着と素質の高さを感じさせた馬。その後の1勝クラスではラスト2Fで前が壁になる不利があって4着に敗れたが、続くスプリングSで4着、前走はアーリントンCで3着と重賞でも安定した走りを見せている。

前走は7番枠からまずまずのスタートを切り、序盤は好位を取ったが中団中目にじわっと下げて追走した。道中はかなりのスローペースだったが我慢をさせて、中団中目を維持していく。

3~4角で前のスペースを詰め、直線序盤で4列目から追われるも伸びは地味。ラスト1Fでは外から苦しくなった馬をかわして上がったが、前で進めたアレンジャーを捉え切ることができず、さらに外からディスペランツァに差し切られて3着に敗れた。

これまでの安定したレースぶりは褒められるが、今回は対戦相手のレベルが一気に上がるだけに、中途半端な着順となってしまいそう。爆発力を引き出すためには、思い切った戦法が必要かもしれない。


穴馬候補は東スポ杯覇者シュトラウス

能力値上位以外では、昨年11月の東スポ杯2歳S勝ち馬シュトラウスに注目。同レースでは7番枠からまずまずのスタートを切って3番手を追走。道中は逃げ馬が単騎で逃げ、やや離れた2番手のシュバルツクーゲルをマークする形で進めていく。

3~4角もそのポジションで我慢をし、4角出口では約2馬身半差。直線序盤で1馬身差まで迫り、ラスト2Fではシュバルツクーゲルとともに逃げ馬をかわして先頭列。ラスト1Fでしぶとく食らいつく同馬を振り切り、最後は1馬身半差で完勝した。

前々走の朝日杯FSは大外17番枠から大出遅れ。そこからじわっと挽回しようとしていたが、折り合い難に火が点いてコントロールが利かなくなり、一気に先頭まで押し上げてしまう。明確にオーバーペースの競馬で、この一戦は度外視できる。

また、前走のファルコンSは明確に距離不足で、テンに置かれる形で最後方を追走。最後の直線でも進路を全く作ることができずに終わってしまった。しかし、前走で芝1400m戦を使ったことで、マイルの流れには乗りやすくなるだろう。

今回はそれなりにレースが流れるはずで、加えて13番枠なら前の馬を壁にして折り合いをつけることもできるだろう。決め手があるタイプではないので本質的にはもっと距離が長い方が良いが、気性を考えるとマイルの方が良い。巻き返しの一発を期待したい。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ジャンタルマンタルの前々走指数「-19」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.9秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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