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FIA F4で車両トラブルが多発、第2戦は多くのエントラントが出走見送る事態に。GTAが状況を説明

motorsport.com 日本版

FIA F4で車両トラブルが多発、第2戦は多くのエントラントが出走見送る事態に。GTAが状況を説明(C)motorsport.com 日本版
 スーパーGTのサポートレースとして、そして若手ドライバーの登竜門として開催されているFIA F4。2024年シーズンは新車両が導入されたが、富士スピードウェイでの開幕ラウンドではメーカー育成系チームをはじめとする多くのエントラントが出走を見送るという異例の事態となった。

 今シーズン採用されたFIA F4の新車両『MCS 4-24/TOM'S』。シャシーは東レ・カーボンマジック、エンジンはトムスがサプライヤーとなっており、コックピット保護デバイスのヘイロー付きでエンジン馬力もアップするなど、安全性とパフォーマンスの両面が向上したパッケージとなっている。

 ただそのMCS 4-24にはトラブルが頻発した。その中で顕著だったのがエンジンのピストンが1気筒壊れてしまうという症状であり、練習走行や5月3日の第1戦で多くの車両にそういった症状が見られたという。中には、エンジン交換後に再びトラブルに見舞われた車両もあったようだ。

 そんな状況を鑑みて、第2戦はホンダ育成系のHFDP Racing Team、トヨタ育成系のTGR-DC RS、そしてPONOS RACINGらが出走を見送り、最終的に34台中10台が欠場となった。ホンダとトヨタのリリースには「より確実な安全確保のため、自主的な判断でレース出場を見合わせた」とされている。

 この異例の事態に、プロモーターであるGTアソシエイションの服部尚貴レースディレクター(RD)は第2戦の後、報道陣に対して説明の場を設けた。

 服部RD曰く、「トムスさんも寝ずにやってくれてたんですけども、昨日のレース(第1戦)が終わった時点でも発生してしまいました」とのことで、トラブルの原因は掴みきれていないという。壊れるピストンの場所もまちまちであり、これからトラブル車両の共通点などを精査していくことになりそうだ。

 また第2戦に向けては対策として、昨年と比べて上がっているエンジンの回転数を300回転抑え、燃料マップをリッチにすることでエンジン温度を下げたという。

「もちろん(第2戦の)中止という形を取ることもできないことはなかったですけど、そうすると検出も何もできず、前に進みません。今回それが有効なのかも含めたベースとして見ていました」と服部RD。第2戦終了直後の時点ではエンジンに関する問題があったとは服部RDの耳には入っていないとのことで、「対策が有効だったのかどうかもまだまだ検証しないといけない。(次戦)鈴鹿までにそんな時間はないので、トムスさんが全力で対策、トライをしているのが現状です」と説明した。

 6月の鈴鹿ラウンドに向けては、状況次第では延期や中止の可能性もあるかどうかについて尋ねると、服部RDはしっかりと原因を特定することができれば、その対策のために延期の可能性もあると言及。決して「何が何でもやろうと思っているわけじゃない」として、実施を決断した第2戦に関しても「予選から1レース終わった段階でレースをなくすというのはかなり強引だと思いました。何かやる方法はないかと色々模索した結果、トライした形です」とした。

 そして、FIA F4はFIAのライセンスポイントの兼ね合いもあるため、ラウンドを中止してレース数を減らす策は採らないという。可能性としては、レースを延期して後半ラウンドで1大会3レース開催とし、レース数を維持するという策が考えられるという。
 
   

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