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「一番適する舞台」コンビを組む川田騎手も太鼓判! 去年の2歳王者・ジャンタルマンタルが世代のマイル王へ!【NHKマイルC】

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「一番適する舞台」コンビを組む川田騎手も太鼓判! 去年の2歳王者・ジャンタルマンタルが世代のマイル王へ!【NHKマイルC】(C)THE DIGEST
 5月5日、春の3歳マイル王決定戦・NHKマイルカップ(GⅠ、東京・芝1600m)が行なわれる。

 今年の出走馬は皐月賞、ニュージーランドトロフィー、アーリントンカップ、毎日杯、ファルコンステークスをステップとした多彩な顔触れが揃い、加えて桜花賞組も参戦。より楽しみなレースとなった。

 単勝で1番人気を争うと思われるのは、昨年の2歳チャンピオンで、皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)3着から臨んでくるジャンタルマンタル(牡3歳/栗東・高野友和厩舎)、桜花賞(GⅠ、阪神・芝1600m)で2着に好走したアスコリピチェーノ(牝3歳/美浦・黒岩陽一厩舎)の両雄だ。

 皐月賞は「主軸」に推奨したジャンタルマンタルはアグレッシブな競馬をして、直線で一旦先頭に躍り出た際は、あわやと思わせた。結果はわずかに粘り切れず0秒1差(クビ+1/2馬身)の3着に敗れたものの、高野調教師が追い切り後の記者会見で「勝負にいってくれての3着ですから、馬はすごくよく頑張りましたし、すべて受け入れられる結果だったと思っています」とコメントしているように、レース内容をポジティブに捉えている。

 よって、筆者は今回もジャンタルマンタルを推す。前回の「主軸」ではなく、「本命」として、である。
  デイリー杯2歳ステークス(GⅡ、京都・芝1600m)と、朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、阪神・芝1600m)のマイル重賞を2勝しているように、距離適性はケチの付けようがなく、2着となった共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)では東京コースを経験済み。今回で4度目のコンビを組む川田将雅騎手も「東京の1600mという条件に関しては、一番適する舞台だと思っている」と語るように距離適性を重視して、日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)ではなくマイル戦に進路をとったことに自信を深めている。

 さらに言えば、1800mと2000mとマイルより長い距離でも大崩れしなかったことは、タフな東京のマイル戦を戦う上でプラス材料となるはずだ。

 懸念は前走からのレース間隔が短いことだろう。この点に関しては、短期放牧で疲れをとって、トレセンへ帰厩してから調整に入るという従来の過程を踏み、追い切りは軽めに抑えるプランが十全に行なえた。高野調教師は「皐月賞という、すごいレースでかけて負荷を上手に生かそうという観点で調整を進めて来ている。ここまでは無事に来ることができた」と、仕上がりに不安がないことを表明。これをもって、筆者は迷わずジャンタルマンタルを「本命」に推すこととした。 とはいえ、アスコリピチェーノの戦績も強烈だ。デビューから3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)でステレンボッシュをクビ差抑えて優勝。前走の桜花賞は向正面で前の馬に挟まれて位置を下げざるを得ないシーンがあったが、それでも勝ったステレンボッシュに3/4馬身まで迫った。走破タイムの1分32秒3も優秀で、負けて強しの印象を残した。

 桜花賞のあとも順調で、1週前追い切りは強め、当週はやや軽めに抑えて好調ぶりを披露した。黒岩調教師は記者会見で、「桜花賞は悔しい結果になったが、幸い良い状態でNHKマイルカップに臨むことができそう。いい走りをお見せして、結果でもお応えしたい」と巻き返しを期している。

 これだけの好材料が揃えば、馬券的には面白みに欠けるかもしれないが、高い評価を進呈せざるを得まい。

 一方で「単穴」には、休養明けでの出走となるゴンバデカーブース(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)を抜擢したい。昨年6月の新馬戦(東京・芝1600m)をスピードの違いで逃げ切ると、続くサウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ、東京・芝1600m)では道中9番手から持続力のある末脚を繰り出して差し切り勝ち。社台グループが期待する新種牡馬ブリックスアンドモルタル(父Giant's Causeway)産駒の重賞勝ち第1号となり、そのスケール感の大きさを感じさせる走りは高い評価を受けた。

 その後、ホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)にエントリーしたが、感冒のような症状が出たため出走を取り消した。そして再度検査をしたところ、喉頭蓋(こうとうがい)エントラップメント、俗に言う「のど鳴り」を罹患していることが判明し、1月10日に手術を受け、放牧休養をはさんで4月3日に帰厩した。堀調教師によると、当初は皐月賞へ直行する予定だったものの、挫石のためローテーションを再考。NHKマイルカップには間に合ったものの、「乗り込み不足で、メンタルに不安定な面もある」と不安材料を漏らす。しかし、「能力を出せる状態にもっていけそう」とも残し、コメントを締め括った。

 不安要素、マイナスポイントが多い状態ではあるが、仕上げには抜かりがない堀厩舎だけに、ポテンシャルを全開にできれば好勝負が期待できるのではないか。
  3連系の馬券でチャレンジするなら…という意味で挙げておきたい「相手」をピックアップしておく。

 休養明けのニュージーランドトロフィー(GⅡ、中山・芝1600m)で2着に好走し、ひと叩きの効果が期待できるボンドガール(牝3歳/美浦・手塚貴久厩舎)。脚質転換を図って、前走のファルコンステークス(GⅢ、中京・芝1400m)を豪快な追い込みで制したダノンマッキンリー(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)は、速い流れなら一気に浮上する可能性がありそうだ。

 最後に、昨年の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ、東京・芝1800m)を圧勝したスケールの大きさが魅力のシュトラウス(牡3歳/美浦・武井亮厩舎)。アーリントンカップ(GⅢ、阪神・芝1600m)の上位3頭であるディスペランツァ(牡3歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)、アレンジャー(牡3歳/栗東・昆貢厩舎)、チャンネルトンネル(牡3歳/栗東・福永祐一厩舎)は、レースレベルにやや疑問符が付くため評価を下げたい。

取材・文●三好達彦

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